Telegramの取引ボットの時価総額が250億円を超える

Telegramのボットが人気を集めつつあり、時価総額が200億円を超えました。その一方で、セキュリティのリスクなどが指摘されつつあります。

CoinGeckoによると、Telegramの取引ボットの時価総額が250億円を超えており、ここ数ヶ月で大きな上昇を見せています。

もっとも高い時価総額を持つのは、Telegramの取引ボットセクターにおいて人気を集めるUnibotです。

(引用元:CoinGecko)

CoinGeckoによって集計されはじめた6月6日の時価総額は50億円程度でしたが、7月27日時点でUnibot単体で200億円を超えています。

Telegramの取引ボットを牽引しているのはUnibotですが、取引量・時価総額などさまざまな指標がセクター全体で見ても増加傾向にあります。

(引用元:Dune)

Telegramの取引ボットとは?

Telegramの取引ボットは、Telegram上でかんたんにDEXなどを使用できるツールのことです。

通常、DEXを利用する場合、自らウォレットを用意してDEXにアクセスし、各DEXのUIを通して取引の実行を行う必要があります。

一方で、Telegramの取引ボットでは、細かな利用手順はボットによって異なりますが、非常にプロセスが簡潔になります。

何らかの形でウォレットとTelegramの取引ボットを接続し、Telegramのチャットから取引の実行や価格の確認などが可能です。

従来の取引方法と比較すると容易で、Telegramの取引ボットが人気を集めつつある要因の1つになっています。

セキュリティへの懸念も指摘

気軽にオンチェーンのプロトコルにアクセスできるのが、Telegramの取引ボットを通した取引の強みです。

一方で、セキュリティへの懸念も指摘されつつあります。

Telegramの取引ボットを利用する際には、取引ボットが利用者に変わってオンチェーンのトランザクションを実行できるように、秘密鍵などを渡す・もしくは共有する必要があります。

(ボットが用意したウォレットの秘密鍵を送信・共有されるなど)

もちろん、秘密鍵の共有自体はチャットを通したクローズな場所で行われるのが一般的です。

しかし、ウォレットの生成にボットが関与するため、その秘密鍵が本当に厳重に管理されているのか?という保証はありません。

このような背景から、さまざまな専門家・識者がリスクを指摘しつつあります。

CoinGecko・創業者の「Bobby Ong氏」は、Telegramによる取引ボットの人気が高まりつつあることを認めつつ、仮に「ボットが悪意のある行動(秘密鍵の盗難・保存など)をして問題になったとしても驚かない」という旨の発信を行いました。

Telegramは、新たなツールとして選択肢になりつつありますが、一定のリスクがあることに留意が必要です。