消費者金融で借りるとクレジットカードは作れない?信用情報と審査の違い

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消費者金融の借入は、貸金業法にもとづいて指定信用情報機関に登録されます。クレジットカードの申込みでどの情報がどの法律の調査に使われるかは、割賦販売法と貸金業法で決まっています。

カード会社は割賦販売法にもとづいて年収や借入れの状況を調べ、キャッシング枠には貸金業法の総量規制がかかります。審査基準の詳細は公開されていません。

信用情報機関どうしが情報を交流する仕組み、ショッピング枠とキャッシング枠にかかる法律、消費者金融とクレジットカードの違いが分かります。

3行要約

①消費者金融の借入は指定信用情報機関に登録され、FINE・IDEAで機関間を交流
②ショッピング枠は割賦販売法の支払可能見込額調査、キャッシング枠は総量規制の対象
③発行の可否は各カード会社の審査で決まり、審査基準の詳細は非公開

消費者金融で借りるとクレジットカードは作れない?

割賦販売法は、カード会社に発行前の年収や借入れの状況などの調査を義務付け、その調査から算定した額を超える極度額での発行を禁じています(第30条の2・第30条の2の2)。経済産業大臣の認定を受けた会社には、別の算定方法の特例があります。

消費者金融の借入は、この調査で確認する事項の1つに当たります。発行するかどうかは各カード会社の審査で決まり、その基準の詳細は公開されていません。

審査で行われる2つの調査

カード会社の調査は、申し込む枠によって根拠となる法律が分かれます。ショッピング枠は割賦販売法、キャッシング枠は貸金業法にもとづく調査です。

調査の種類根拠法調べる事項消費者金融の借入との関係
包括支払可能見込額の調査割賦販売法 第30条の2第1項年収、預貯金、クレジット債務の支払の状況、借入れの状況など借入れの状況が調査事項に入っている
指定信用情報機関の情報の使用割賦販売法 第30条の2第3項指定信用情報機関が保有する特定信用情報使用義務の対象はクレジットの支払能力に関する情報(施行規則第47条)
返済能力の調査貸金業法 第13条収入その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画などキャッシング枠を申し込む場合に指定信用情報機関の信用情報を使う

割賦販売法施行規則第39条は、調査する事項を「年収」「預貯金」「信用購入あつせんに係る債務の支払の状況」「借入れの状況」などと定めています。

同規則第40条第5項によると、借入れの状況は「当該利用者の借入れの状況を勘案して」調べます。申し込んだカード会社以外からの借入も調査の対象になる書き方です。

出典:e-Gov法令検索『割賦販売法』、『割賦販売法施行規則』

申込時の年収申告と収入証明

年収の調査は「利用者から受ける年収の申告その他の適切な方法」で行うと、割賦販売法施行規則第40条第2項が定めています。申込者が自分で申告した年収が、調査の材料の1つになります。

キャッシング枠も同時に申し込む場合は、貸金業法の収入証明のルールが加わります。三井住友カードは年収証明書類について、次のように案内しています。

「借り入れ希望枠とほかの貸金業者(クレジットカード会社、信販会社、消費者金融会社など)を含めた借り入れ残高の合算が、100万円を超える場合などに提出を求められます。」

貸金業法第13条第3項第2号も、他の貸金業者の貸付けの残高を合算して100万円を超える場合に収入証明を求めています。消費者金融の借入残高は、この合算に入る金額です。

出典:e-Gov法令検索『割賦販売法施行規則』、三井住友カード『クレジットカードの審査基準は?』

カード会社が公表している審査の考え方

三井住友カードは、審査基準について「クレジットカードの審査基準は、明確な内容は公開されていないため、その詳細を知ることはできません。」としています。借入額や件数の目安を公式に示している記載は、同じページにありません。

同じページでは「クレジットカード会社の審査担当者は、信用情報機関で過去の支払い状況や他社の借り入れ状況を確認し、申込者の信用を確認しています。」とも説明しています。他社の借入は、審査で確認される情報に含まれます。

出典:三井住友カード『クレジットカードの審査基準は?』

消費者金融の借入がカード会社に届く仕組み

指定信用情報機関と契約した貸金業者(加入貸金業者)は、個人への貸付けの契約を結んだとき、その個人信用情報を遅滞なく指定信用情報機関へ提供する義務があります(貸金業法第41条の35第2項)。

消費者金融が加盟する信用情報機関

個人信用情報機関には、CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターがあります。CICは割賦販売法と貸金業法の両方、JICCは貸金業法で指定を受けています。

信用情報機関指定・設置の根拠公式が示す会員
CIC(株式会社シー・アイ・シー)割賦販売法および貸金業法にもとづく指定信用情報機関会員会社の例に信販会社、銀行系クレジット会社、金融機関、消費者金融会社など
JICC(株式会社日本信用情報機構)貸金業法にもとづく指定信用情報機関(2010年3月11日に内閣総理大臣が指定)加盟会員は公式サイトの加盟会員検索で公開
全国銀行個人信用情報センター一般社団法人全国銀行協会が設置・運営する個人信用情報機関センター会員の一覧を公式サイトで公開

消費者金融の例として、プロミスは個人情報の取扱いの中で、加盟先機関を株式会社日本信用情報機構と株式会社シー・アイ・シーの2つと定めています。

出典:CIC『CICとは』、JICC『指定信用情報機関制度について』、プロミス『個人情報の取扱いについて』

FINE・CRIN・IDEAによる機関間の交流

3つの信用情報機関は、交流ネットワークで一部の情報を共有しています。JICCは、各機関の会員会社が相互交流ネットワークを通じて他の信用情報機関に登録されている特定の信用情報を利用できると説明しています。

ネットワーク交流する機関交流する主な情報目的・根拠
FINECIC・JICC個人信用情報等、申込情報貸金業法にもとづき、貸金業者が顧客の総借入残高を把握するため
CRINCIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター延滞等の情報、本人確認書類の紛失・盗難等の本人申告コメント情報など過剰貸付の防止、多重債務者の発生防止
IDEACIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター貸金業者の貸付けに係る情報(延滞等を含む)、銀行等のカードローン・キャッシングの情報カードローン等の与信審査で総債務を把握するため

JICCによると、IDEAではJICCとCICが「貸金業者が取り扱う金銭の貸付に係る情報(延滞等の情報を含む。)」を交流しています。

全国銀行個人信用情報センターが交流するのは、預金取扱金融機関のカードローンとキャッシング(クレジットカードに付帯するキャッシング枠を含む)の情報です。

CICは、CRINとIDEAの利用目的を「契約者(申込者を含む。)の支払能力に関する調査のため」としています。会員会社は本人の同意を得たうえで利用します。

出典:CIC『信用情報の交流』、JICC『他の信用情報機関との交流』

登録される情報と保有期間

申込みの事実と契約の内容は、別々の期間で保有されます。申込情報は照会日から6か月、契約の情報は契約終了後5年が、CICとJICCに共通する区切りです。

情報の種類CICJICC
申込みの情報照会日から6か月間照会日から6か月以内
契約内容・支払状況の情報契約期間中および契約終了後5年間契約継続中及び契約終了後5年以内(契約日2019年10月1日以降)
利用記録利用日から6か月間該当する区分なし

CICのクレジット情報には「貸金業法対象商品のお支払状況に関する情報」として確定日・貸付日・出金額・残高などが含まれます。自分の登録内容を確かめる開示の手順はクレジットヒストリーの確認方法にまとめています。

プロミスを使った場合の記録の残り方は、プロミスの利用で気になる点の解説で扱っています。

出典:CIC『CICが保有する信用情報』、JICC『信用情報の内容と登録期間』

割賦販売法と総量規制がかかる枠

1枚のクレジットカードでも、ショッピング枠とキャッシング枠では適用される法律が違います。総量規制がかかるのはキャッシング枠だけで、ショッピング枠は割賦販売法の調査の対象です。

枠根拠法法律が定める内容消費者金融の借入との関係
ショッピング枠割賦販売法包括支払可能見込額を調査し、それにもとづく額を超える極度額での発行を禁止借入れの状況を勘案して調査する
キャッシング枠貸金業法貸金業者からの借入残高が年収等の3分の1を超える貸付けを原則禁止消費者金融の借入残高と合算される

ショッピング枠は割賦販売法の支払可能見込額

包括支払可能見込額は、住宅などの資産を手放さず、生活維持費に充てる金銭も使わずに、クレジットの支払いに充てられると見込まれる1年間あたりの額です(割賦販売法第30条の2第2項)。

第30条の2の2は、この額に経済産業大臣と内閣総理大臣が定める割合を掛けた額を極度額が超えるとき、カードの交付や増額を禁じています。生活維持費の額は、同施行規則第45条と別表第二で世帯の人数などに応じて決まります。

極度額30万円以下のカードを交付する場合は、この調査を省略できる例外があります(同施行規則第43条第1項第1号)。ただし指定信用情報機関の情報から支払いの義務が履行されないと認めるときなどは、例外の対象になりません。

調査で使用が義務付けられる指定信用情報機関の「特定信用情報」は、信用購入あつせんに係る支払能力に関する情報です(同施行規則第47条)。借入れの状況は、同規則第40条第5項により「勘案」する事項として別に定められています。

経済産業大臣の認定を受けた会社(認定包括信用購入あつせん業者)は、包括支払可能見込額に代えて「利用者支払可能見込額」を算定します(第30条の5の4・第30条の5の5)。認定業者には、第30条の2と第30条の2の2が適用されません。

出典:e-Gov法令検索『割賦販売法』、『割賦販売法施行規則』

キャッシング枠は総量規制の対象

日本貸金業協会は「クレジットカードで現金を借りるキャッシングは、総量規制の対象となり、年収の3分の1を超える貸付けが禁止されます。」としています。クレジットカード会社も、キャッシングでは貸金業者として貸付けを行います。

同協会は、総量規制の判定は全ての貸金業者からの借入れの合計で行うと説明しています。カード会社のキャッシング枠と消費者金融の借入残高は、合算の対象です。

一方で、クレジットカードで商品やサービスを買うショッピングには貸金業法が適用されず、総量規制の対象外です。総量規制の例外・除外にあたる貸付けはカードローンの比較記事で扱っています。

出典:日本貸金業協会『お借入れは年収の3分の1まで(総量規制について)』

銀行カードローンの扱い

日本貸金業協会によると、総量規制の対象は貸金業者の貸付けで、貸金業者に該当しない銀行などが行うローンは対象になりません。銀行や信用金庫は「貸金業者」ではないという整理です。

ただし信用情報の面では、銀行等のカードローンの情報もIDEAを通じてCIC・JICCと交流しています。総量規制の対象外であることと、信用情報として照会されることは別の話になります。

出典:日本貸金業協会『お借入れは年収の3分の1まで(総量規制について)』、JICC『他の信用情報機関との交流』

消費者金融とクレジットカードの違い

消費者金融のカードローンとクレジットカードのキャッシングは、どちらも貸金業法の貸付けです。違いが出るのはショッピングで、こちらは割賦販売法の取引になります。

項目消費者金融(カードローン)クレジットカード(ショッピング)クレジットカード(キャッシング)
根拠法貸金業法割賦販売法貸金業法
事業者の登録貸金業者の登録(内閣総理大臣または都道府県知事)包括信用購入あつせん業者の登録(経済産業省の登録簿)貸金業者の登録
総量規制対象対象外対象
法定の調査返済能力の調査(第13条)包括支払可能見込額の調査(第30条の2)。認定業者は利用者支払可能見込額の算定(第30条の5の5)返済能力の調査(第13条)

根拠法と事業者の登録の違い

貸金業を営むには、2以上の都道府県に営業所を置く場合は内閣総理大臣、1つの都道府県だけなら都道府県知事の登録が必要です(貸金業法第3条)。登録は3年ごとに更新しなければ効力を失います。

クレジットカードのショッピングにあたる包括信用購入あつせんは、経済産業省の登録簿に登録を受けた法人でなければ業として営めません(割賦販売法第31条)。三井住友カードは貸金業の登録を受け、日本貸金業協会の会員でもあります。

出典:e-Gov法令検索『貸金業法』、三井住友カード『会社概要』

クレジットカードのキャッシングと消費者金融の違い

日本貸金業協会は、貸金業者の具体例として消費者金融とクレジットカード会社を並べています。上限金利は利息制限法により、元本10万円未満は年2割、10万円以上100万円未満は年1割8分、100万円以上は年1割5分です。

消費者金融の例として、プロミスの借入利率は2.5%~18.0%(実質年率)で、返済方式は残高スライド元利定額返済方式です。クレジットカードのキャッシングにも同じ利息制限法の上限がかかり、総量規制の残高も合算されます。

出典:日本貸金業協会『お借入れは年収の3分の1まで(総量規制について)』、e-Gov法令検索『利息制限法』、プロミス『商品内容』

消費者金融とクレジットカードの審査の違い

貸金業法第13条は、個人と貸付けの契約を結ぶ際に指定信用情報機関の信用情報を使うことを義務付けています。さらに1社で50万円超、他社分と合わせて100万円超となる場合は、源泉徴収票などの収入証明の提出を受けなければなりません。

割賦販売法の調査は、年収の申告などで年収を把握し、借入れの状況を勘案して包括支払可能見込額を算定する形です。どちらの法律も、調査の記録を作成して保存することを事業者に求めています。

出典:e-Gov法令検索『貸金業法』、『割賦販売法』

借入とクレジットを1枚にまとめたカード

プロミスVisaカードは、三井住友カードが発行する「プロミスローン機能一体型クレジットカード」です。1枚の中に、三井住友カードのショッピング枠とプロミスのローン機能が分かれて入っています。

クレジット側のキャッシング利用枠は「入会時はお申し込みいただけません。カード発行後に海外キャッシュサービスのみお申し込みをいただけます。」という扱いです。国内で現金を借りる機能は、プロミスのローン機能の側にあります。

申込対象は満18歳以上のプロミス会員(高校生は除く)で、年会費は永年無料です。ローン機能は貸金業者の貸付けなので、総量規制の対象です。

カード名プロミスVisaカード
発行会社クレジットカード機能:三井住友カード株式会社
カードローン機能:SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
年会費永年無料
国際ブランドVisa
ポイント還元率Vポイント基本還元率:0.5%(税込200円の利用につき1ポイント)
「対象のコンビニ・飲食店」でスマホのVisaのタッチ決済(Apple Pay / Google Pay)で支払うと、還元率が最大7%※
※対象のコンビニ・飲食店等でVisaのタッチ決済を利用すると、+6.5%還元(合計7%還元)
追加カード–
公式サイトプロミスVisaカードサービスサイト

同じくカードローンとクレジットの機能を1枚に持つカードには、ACマスターカードやモビット VISA-Wもあります。3枚の違いは消費者金融系クレジットカードの一覧で比較しました。

出典:三井住友カード『プロミスVisaカード』、プロミス『商品内容』

よくある質問

消費者金融で借りた記録はいつまで残る?

CICの場合、契約内容や支払状況は契約期間中および契約終了後5年間保有されます。完済後の扱いを含めた詳しい流れはプロミスの利用で気になる点の解説で扱っています。

出典:CIC『CICが保有する信用情報』

クレジットカードのキャッシングも信用情報に登録される?

登録されます。CICのクレジット情報には、割賦販売法対象商品と並んで貸金業法対象商品のお支払状況(貸付日・出金額・残高など)の項目があります。

CICでは、貸金業法にもとづく情報は日次、その他の情報は月次で登録・更新されます。キャッシングは貸金業法の貸付けなので、日次で更新される区分に入ります。

出典:CIC『CICが保有する信用情報』

信用情報機関が審査の結果を決める?

決めません。全国銀行個人信用情報センターは、個人信用情報を登録して会員に提供しているものの、審査業務は行っていないと明示しています。

CICも、信用情報は会員会社が「信用力」を判断するための参考資料として利用するものと説明しています。審査の結果を出すのは、申し込んだカード会社です。

出典:全国銀行協会『全国銀行個人信用情報センター』、CIC『CICが保有する信用情報』

まとめ

クレジットカードの発行前に、カード会社は割賦販売法にもとづいて年収や借入れの状況を調査します。消費者金融の借入は指定信用情報機関に登録され、FINEやIDEAを通じて機関の間でも交流しています。

ショッピング枠は割賦販売法の支払可能見込額、キャッシング枠は貸金業法の総量規制と、枠ごとにかかる法律が違います。発行の可否はカード会社の審査で決まり、その基準の詳細は公開されていません。

消費者金融系に限らず年会費や還元でカードを比べるなら、おすすめのクレジットカードの比較が参考になります。

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