積立NISAはやめたほうがいい?|新NISAのデメリットと向いていない人
「積立NISAはやめたほうがいい」と検索した人が知りたいのは、自分が損をする側に入るかどうかでしょう。
NISA口座の損失は損益通算ができず、元本保証もありません。生活防衛資金が無い人や、数年内に使うお金で始める人には向かない制度です。
新NISAのデメリット7つと、やめたほうがいい人・向いている人の条件、口座を開く証券会社の選び方が分かります。
- 3行要約
①NISA口座の損失は損益通算・繰越控除ができず元本保証もない点に注意
②生活防衛資金が無い人や数年内に使うお金の運用には不向きな制度
③約20%の運用益課税がゼロになり年120万円まで積み立てられる非課税枠
積立NISAをやめたほうがいい人
積立NISAをやめたほうがいいのは、投資したお金を近いうちに引き出す可能性がある人と、NISAの税金のルールを誤解している人です。どちらも、制度の弱点がそのまま損失につながります。
2018年に始まったつみたてNISAは、2024年からの新しいNISAでつみたて投資枠に引き継がれました。いま「積立NISA」と呼ばれているのは、このつみたて投資枠を使った積立投資のことです。
自分が当てはまるかどうかは、次の4つの条件で判断できます。
| やめたほうがいい人 | 理由 |
| 生活防衛資金を確保できていない人 | 急な出費で売るとき、評価額が下がっていれば損失を確定させることになります |
| 数年以内に使う予定のお金で始めようとしている人 | 使う時期に値下がりしていても、そのまま売って受け取るしかありません |
| 値下がりした時点で売ってしまいそうな人 | NISAに元本保証はなく、下落中に売ると損失が確定します |
| 課税口座の損失と相殺できると思っている人 | NISA口座の損失は税務上ないものとみなされ、損益通算も繰越控除もできません |
生活防衛資金は、病気や失業などで収入が途絶えたときに生活費をまかなうための現金を指します。この備えが無いまま投資に回すと、相場が下がっている時期に売る場面が出てきます。
4つのうち1つでも当てはまるなら、始める前に手元の現金を厚くするか、使う時期の近いお金を投資から外すのが先でしょう。どれにも当てはまらない人にとって、デメリットの多くは事前に知っていれば避けられるものです。
4つの条件は、投資する前の家計の状態と、NISAの税金のルールの理解に関わるものです。商品や金融機関を選ぶより前の段階で確かめておいてください。
出典:金融庁『NISAを知る』、国税庁タックスアンサー『NISA制度』
新NISAのデメリット7つ
新NISAのデメリットは、損失の扱い・枠の上限・使い方の制約の3つに分けられます。どれも制度の仕様で、どの金融機関で口座を開いても共通です。
| デメリット | 内容 |
| 元本保証がない | 値下がりすれば投資した金額を下回ることがある |
| 損益通算・繰越控除ができない | NISA口座の損失はないものとみなされる |
| 投資できる金額に上限がある | 年間360万円、生涯で1,800万円まで |
| 売却した枠の復活は翌年から | 戻るのは売った商品の簿価分だけ |
| つみたて投資枠の商品は限られる | 金融庁に届出された一定の投資信託のみ |
| 口座は1人1つで変更は年単位 | 2つの枠を別々の金融機関に分けられない |
| 海外赴任中と配当に制約がある | 出国中は新規の買付けができない、配当は受取方式の選択が必要 |
元本保証がない
NISAは税金の扱いを変える制度で、投資した商品の値動きそのものは課税口座と変わりません。値下がりすれば、投資した金額を下回った状態で売ることになります。
損益通算・繰越控除ができない
国税庁は、NISA口座で取得した上場株式等を売って出た損失について「ないものとみなされます」としています。そのため特定口座や一般口座の利益との損益通算も、翌年以降への繰越控除もできません。
たとえば同じ年に、特定口座で10万円の利益、NISA口座で10万円の損失が出たとします。課税口座どうしなら相殺できますが、この場合は特定口座の10万円の利益にそのまま課税されます。
反対に、NISA口座で出た利益は非課税なので、課税口座の損失と相殺する必要もありません。損益通算ができないのは、利益に税金がかからないことと表裏の関係にあるルールです。
年間投資枠と非課税保有限度額の上限
年間に投資できる金額は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円で、合計360万円です。生涯で保有できる非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円までと決まっています。
上限を超える金額は課税口座で運用することになり、その分の運用益には通常どおり税金がかかります。なお、つみたて投資枠だけで1,800万円を使い切ることもできます。
2023年までのNISAで買った商品は、1,800万円の外枠で管理されます。旧制度の保有分が新しいNISAの枠を圧迫することはありません。
売却した枠の復活は翌年・簿価ベース
NISA口座の商品を売ると、非課税保有限度額の枠は再利用できます。ただし枠が戻るのは売った年ではなく翌年以降で、戻る金額は売値ではなく簿価(取得金額)です。
100万円で買った商品が値上がりして150万円で売れても、翌年に戻る枠は100万円になります。年間投資枠の上限も変わらないため、売ってすぐ同じ金額を買い直すことはできません。
つみたて投資枠で買える商品は限られる
つみたて投資枠で買えるのは、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託だけで、個別株は買えません。金融庁に届出された対象商品は2026年9月30日時点で371本です。
対象は2026年4月1日に広がりました。連動先の指数に読売株価指数とJPXプライム150指数が加わり、指定指数に連動しない投資信託の要件も「主に株式に投資するもの」から「主に株式又は公社債に投資するもの」へ変わっています。
個別株を買いたい場合は、成長投資枠を使うことになります。
出典:金融庁『つみたて投資枠対象商品の概要について』、『「非課税口座に受け入れることができる上場株式等の範囲に関する基準」の一部改正について』
1人1口座で金融機関の変更は年単位
NISA口座は1人につき1口座しか開けません。つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で使うこともできないため、選んだ金融機関の品ぞろえの中で投資先を決めることになります。
金融機関の変更はできますが、年単位での手続きになります。
海外赴任中の買付けと配当の受取方式
転勤などで一時的に出国する場合は、事前に手続きをすれば保有中の商品の非課税は一定期間続きます。ただし出国中に新たな買付けはできません。
株式やETFの配当を非課税で受け取るには、証券会社経由で受け取る株式数比例配分方式を選ぶ必要があります。発行会社から直接受け取る方式では課税扱いになるので注意してください。
海外の株式の配当に外国で課された税は、NISA口座の場合、外国税額控除の対象になりません。課税口座なら確定申告で控除を受けられる場合がありますが、NISA口座ではその手段がない点も押さえておきましょう。
出典:金融庁『よくある質問』、国税庁タックスアンサー『NISA制度』、『居住者に係る外国税額控除』
「デメリットしかない」と言われる理由
Mediverseが2024年5月10日に全国の20歳以上の男女500人へ行った『新NISAに関するアンケート』では、新NISAを知っていると答えた人が60.2%でした。そのうち23.6%が、まだ始めていないものの「検討中」と答えています。
この層が始めるうえでの懸念として挙げた上位3つは、「投資のリスクが怖い」「投資できる余裕資金がない」「投資の仕組みがわからない」です。制度の欠陥というより、元本保証がない点と、余裕資金や仕組みの理解に関わる不安だと分かります。
「国の罠」と言われる理由
NISAは2014年1月に、少額から投資する人のための少額投資非課税制度として始まりました。国が投資の損失を補う仕組みではないため、値下がりしたときの損失は利用者が負います。
金融庁は令和8年度税制改正で、あらゆる世代の長期・安定的な資産形成を支援するために、対象商品の拡充を含めてNISAを充実させる方針を示しています。制度の目的は非課税で資産形成を後押しすることで、利益を約束するものではありません。
出典:金融庁『NISAを知る』、『令和8(2026)年度税制改正について』
銀行窓口で始めて後悔するケース
NISA口座は1人1口座なので、最初に選んだ金融機関の品ぞろえで、その年に買える商品が決まります。窓口で勧められた商品をそのまま選ぶ前に、口座を開く場所を比べておくと後悔を避けやすくなるでしょう。
失敗する人の型
制度のルールを知らないまま始めると、次の3つの使い方で損をしやすくなります。
- 値動きのたびに売買を繰り返し、売った枠が翌年まで戻らないことに後から気づきます。
- 生活費まで投資に回し、値下がりした時点で売らざるを得なくなります。
- 課税口座の損失と相殺できる前提で損益を計算し、税金の見込みが外れます。
積立NISAが向いている人
積立NISAが向いているのは、当面使う予定のない余裕資金を、時間をかけて積み立てられる人です。先に挙げた4つの条件に当てはまらなければ、制度の利点を受けやすくなります。
- 生活防衛資金とは別に、当面使わないお金を用意できる人です。
- 毎月決まった金額を、自動で積み立てていきたい人に合っています。
- 運用益にかかる約20%の税金をなくしたい人にも向いています。
通常、投資で得た売却益や配当には約20%の税金がかかりますが、NISA口座ではこれが非課税になります。2024年からは非課税で保有できる期間が無期限になり、制度そのものも恒久化されました。
非課税で持てる期間に期限がなく、売却した分の枠も翌年以降に再利用できます。長期で積み立てる人ほど、非課税の恩恵を受ける期間も長くなる仕組みです。
つみたて投資枠と成長投資枠は併用できます。つみたて投資枠で積立を続けながら、成長投資枠で別の商品を買うといった使い方も可能です。
毎月の積立にクレジットカードを使うと、運用の損益とは別にカードのポイントが付く場合があります。カード選びはクレカ積立のおすすめカードを比較した記事で確認できます。
出典:金融庁『NISAを知る』、楽天証券『NISA/新NISA』
NISA口座はどこで開く?
NISA口座は2025年12月末時点で2,820万6,434口座あり、そのうち約2,025万口座が証券会社の口座です。2つの統計から計算すると、全体の約7割が証券会社で開かれています。
NISA口座を開けるのは、日本国内に住む18歳以上の人です。年齢は利用する年の1月1日時点で判定され、口座は1人につき1つまでしか開けません。
銀行でもNISA口座は開けますが、ここではクレカ積立の解説記事がある証券会社3社を並べます。ポイント還元率や積立の上限は証券会社とカードの組み合わせで変わるため、それぞれの解説記事で確認してください。
| 証券会社 | クレカ積立の解説記事 | 公式サイト |
| マネックス証券 | マネックス証券のクレカ積立はどのカードがお得? | マネックス証券のNISA |
| SBI証券 | SBI証券のクレカ積立のおすすめカード SBI証券と三井住友カードの組み合わせ 東急カードのクレカ積立 | SBI証券 |
| 楽天証券 | 楽天証券の引き落とし方法 | 楽天証券のNISA |
証券会社をまたいでカードを比べたい場合は、クレカ積立の比較記事にまとめています。
出典:金融庁『NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年12月末時点)の公表について』、『NISAを知る』、日本証券業協会『NISA口座の開設・利用状況』
よくある質問
積立NISAは儲からないって本当?
NISAは利益にかかる税金をなくす制度で、利益そのものを生む仕組みではありません。商品の値動き次第で、利益が出ることも損失が出ることもあります。
運用とは別の上乗せとしては、クレカ積立のポイントがあります。どのカードでいくら付くかはクレカ積立のカード比較を参考にしてください。
積立NISAは20年後に暴落する?
将来の値動きは誰にも予測できず、NISAの制度も値上がりを保証していません。非課税保有期間は無期限なので、売る時期を自分で選べる点は課税口座と同じです。
毎月いくら積み立てればいい?
つみたて投資枠の上限は年120万円で、月あたりにすると10万円です。この範囲で、生活防衛資金を残したまま続けられる金額にしておくと、下落時に売らずに済む余地を残せます。
出典:金融庁『NISAを知る』
2023年までのつみたてNISAで買った商品はどうなる?
売る必要はなく、つみたてNISAは購入時から20年間、そのまま非課税で持ち続けられます。売却も自由です。
ただし、非課税期間が終わった商品を2024年からのNISAへ移すロールオーバーはできません。新しいNISAで同じ商品を持つ場合は、新しい枠で買い直すことになります。
出典:金融庁『よくある質問』
まとめ
積立NISAをやめたほうがいいのは、生活防衛資金が無い人、数年内に使うお金で始める人、値下がりで売ってしまいそうな人、損益通算できると誤解している人です。損失は他の口座と相殺できず、元本保証もありません。
制度上の制約として押さえておきたいのは、売った枠が戻るのは翌年で簿価分だけという点と、つみたて投資枠で買えるのは一定の投資信託に限られる点です。海外赴任中は新たに買えないことも覚えておいてください。
どれにも当てはまらないなら、約20%の税金がかからない非課税枠を長く使えます。始める場合、口座は1人1つなので、最初に口座を開く金融機関を決めることになります。
積立の支払いをカードにするかどうかは、クレカ積立のおすすめカード比較で決められます。



