NISAで個別株はやめとけ?|デイトレの扱いと上場廃止時の注意

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NISAで個別株を買うこと自体は制度上できますが、「やめとけ」という声を見て迷う人もいるでしょう。

理由の多くは、売っても年間投資枠がその年に戻らないことや、信用取引ができないことなど、制度ルールと短期売買の相性にあります。

デイトレの枠計算、上場廃止になったときの扱い、単元未満株や米国株の注意点、証券会社ごとの取引ルールが分かります。

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3行要約

①個別株を買えるのは成長投資枠だけで信用取引と監理・整理銘柄の買付は不可
②売却してもその年の年間投資枠は戻らず短期の回転売買は枠を早く使い切る仕組み
③上場廃止日まで保有した株は上場廃止日の時価で一般口座へ払い出す扱い

NISAで個別株はやめとけと言われる制度ルール

NISA口座で個別株を買うこと自体は、制度上できます。「やめとけ」と言われる理由の多くは個別株そのものではなく、NISAの制度ルールと個別株・短期売買の相性にあります。

NISAそのものをやめたほうがよいかという総論は、NISAのデメリットを解説した記事で扱います。ここでは、個別株に関わるルールを次の表に整理しました。

制度ルール個別株・短期売買で起きること
個別株を買えるのは成長投資枠だけつみたて投資枠では上場株式を買えない
売っても年間投資枠はその年に戻らない同じ年に売買を繰り返すと枠が減っていく
NISA口座で信用取引はできない空売りや信用買いを使う売買はNISA口座の外になる
監理銘柄・整理銘柄は買えない上場廃止が近い銘柄は成長投資枠で新たに買えない
上場廃止日まで持つと一般口座へ払い出される上場廃止日の時価で一般口座に移る
損失は税務上ないものとされる特定口座などの利益と損益通算できない
配当は株式数比例配分方式でないと課税される受取方式によっては配当が非課税にならない

損失の扱いの詳しい影響はNISAの元本割れを解説した記事、配当の受取方式はNISAの配当金を解説した記事で扱います。この記事では、デイトレと上場廃止を中心に掘り下げます。

出典:日本証券業協会『2024年以降のNISAに関するQ&A』

個別株を買えるのは成長投資枠だけ

個別株とは、特定の1社が発行した株式のことです。NISAの2つの枠のうち、個別株を買えるのは成長投資枠だけで、つみたて投資枠では上場株式を受け入れられません。

日本証券業協会のQ&Aは、成長投資枠の対象を「証券取引所に上場している株式、ETF(上場投資信託)、上場REIT(不動産投資信託)や公募株式投資信託等」としています。国外の取引所に上場している株式も対象に含まれます。

18歳以上のNISA口座の場合、成長投資枠の年間投資枠は240万円です。非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠で使えるのは1,200万円までとなります。

つみたて投資枠(年間120万円)と併用すれば、年間360万円まで投資できます。積立の投資信託と個別株を1つのNISA口座で組み合わせる使い方も、制度上は問題ありません。

なお、銀行・郵便局などのNISA口座で投資できるのは公募株式投資信託で、上場株式に投資できるのは証券会社です。銀行と証券会社の選び方は、業態の違いを比べた記事で扱います。

出典:日本証券業協会『2024年以降のNISAに関するQ&A』、金融庁『NISAを知る』

1銘柄に集中すると値動きの影響を直接受ける

個別株は1社の業績や信用状況に価格が左右される商品です。DMM株は、株価等の価格の変動や発行者等の信用状況の悪化等により元本損失が生じることがあると示しています。

SBI証券も、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあるとしています。NISA口座で買っても、この値動きのリスクは課税口座と変わりません。

NISAは利益にかかる税金の扱いを変える制度で、値下がりを防ぐ仕組みはありません。元本割れしたときの扱いは、NISAの元本割れを解説した記事で扱います。

出典:DMM株『商品概要・取引ルール』、SBI証券『NISAにおける取引手数料』

NISAでデイトレ・短期売買をするとどうなる?

NISA口座でも、同じ年のうちに買って売ることはできます。日本証券業協会のQ&Aは、NISA口座内で保有している限り「いつでも非課税で売却できます」としています。

ただしデイトレや短期売買には、年間投資枠が戻らない・信用取引ができない・差金決済の禁止がかかるという3つの制約があります。順に見ていきましょう。

出典:日本証券業協会『2024年以降のNISAに関するQ&A』

売っても年間投資枠はその年に戻らない

日本証券業協会のQ&Aは、つみたて投資枠について「ある年に一度利用した年間投資枠をその年に再び利用することはできません」とし、成長投資枠も同様だとしています。

つまり、NISA口座で株を売っても、その年に使った年間投資枠は元に戻りません。成長投資枠240万円で、100万円分の株の売買を同じ年に繰り返した場合の枠の残りは次のとおりです。

取引その年の成長投資枠の残り
1回目に100万円分を買う140万円
その株を売る140万円のまま
2回目に100万円分を買う40万円
3回目に100万円分を買おうとする枠が足りず成長投資枠では買えない

この計算は買付代金だけを見たもので、株価の上がり下がりは関係ありません。買付のたびに枠が減り、売却では戻らない仕組みなので、売買の回数が増えるほど早く使い切ります。

売却で減った非課税保有額は、翌年以降に年間投資枠の範囲内で再利用できます。戻る時期と金額の詳細はNISAの枠の復活を解説した記事、売買の繰り返しで枠が足りなくなる失敗の型は積立NISAの失敗を解説した記事で扱います。

非課税保有限度額を売った年のうちに復活させる見直しは、金融庁の令和9年度税制改正要望に入っている段階です。2026年10月2日時点で、制度としては成立していません。

出典:日本証券業協会『2024年以降のNISAに関するQ&A』、金融庁『令和9(2027)年度税制改正要望について』

NISA口座で信用取引はできない

日本証券業協会のQ&Aは「NISA 口座で信用取引を行うことはできません。」と明記しています。空売りや、手元資金より大きな金額を動かす信用買いは、NISA口座の外の取引になります。

信用取引で買った株を現引きしても、つみたて投資枠や成長投資枠には受け入れられません。NISA口座の株を信用取引の代用有価証券に使ったり現渡ししたりして払い出された場合は、その時の時価で払い出された扱いになります。

楽天証券や松井証券も、NISA口座で保有する上場株式等は信用取引の代用有価証券として使えないとしています。デイトレで信用取引を組み合わせるなら、NISA口座では完結しません。

出典:日本証券業協会『2024年以降のNISAに関するQ&A』、楽天証券『取引・ルール』、松井証券『NISA口座 取引ルール』

同じ銘柄の当日中の売買にかかる差金決済の禁止

差金決済とは、株の受け渡しをせずに売買の差額のやり取りだけで決済することです。三菱UFJ eスマート証券とDMM株はいずれも、現物取引で差金決済を行うことは法令により禁止されているとしています。

DMM株は、同一銘柄を同一受渡日に同一資金で重複して現物売買することが差金決済に当たると説明しています。一方で、同じ資金で別の銘柄に乗り換える売買はできます。

このルールはNISA口座だけのものではなく、現物取引全体にかかります。三菱UFJ eスマート証券は、NISA口座の日計りの差金決済を課税口座とNISA口座を合算して判定するとしているので、同じ日に両方の口座で同じ銘柄を売買するときは注意してください。

出典:三菱UFJ eスマート証券『国内現物株式 取引ルール』、『NISA取引ルール』、DMM株『商品概要・取引ルール』

日本証券業協会が示す短期の回転売買への注意

日本証券業協会のQ&Aには、短期の回転売買に触れた問答があります。旧NISAで持つ株を売り、同じ銘柄を成長投資枠で買い戻すときの留意点を尋ねた問いへの回答です。

回答は留意点として、買い戻した取得価額の分だけ成長投資枠の年間投資枠を費消すること、売買に委託手数料等が発生する場合があることを挙げています。

そのうえで、「合理性なく短期間に金融商品の買換え(乗換え)を行うような投資手法(いわゆる短期の回転売買)等は、NISA 制度の趣旨を逸脱してしまうおそれがある」としています。

この記載は短期売買を禁止する規定ではなく、制度の趣旨に照らした注意の位置づけです。Q&Aが監理銘柄・整理銘柄を対象から外した理由として挙げているのも、NISAが安定的な資産形成を目的とした制度である点です。

出典:日本証券業協会『2024年以降のNISAに関するQ&A』

上場廃止・監理銘柄になったときのNISAの扱い

個別株には、投資信託にはない上場廃止の可能性があります。NISA口座で持つ株が上場廃止に近づいたとき、新たに買えなくなる時点・保有を続けられる範囲・上場廃止日の扱いがそれぞれ決まっています。

監理銘柄・整理銘柄は成長投資枠で新たに買えない

DMM株の説明では、整理銘柄は上場廃止が決定した銘柄、監理銘柄は上場廃止基準に該当する可能性のある銘柄です。日本証券業協会のQ&Aは、監理銘柄・整理銘柄に指定されている株式を成長投資枠の対象から除外しています。

除外の理由について、Q&Aは「NISA 制度が安定的な資産形成を目的としたものであることを踏まえた措置とされています。」と説明しています。

楽天証券は、いずれかの市場で整理銘柄か監理銘柄に指定されると、上場しているすべての市場でNISA口座での新たな買付注文の受付を停止するとしています。指定が解除されれば、NISA口座での買付注文の受付が再開される仕組みです。

出典:日本証券業協会『2024年以降のNISAに関するQ&A』、DMM株『NISAとは』、楽天証券『取引・ルール』

指定を受けても保有は続けられる

すでに成長投資枠で持っている株が監理銘柄・整理銘柄に指定されても、売らなければならないわけではありません。日本証券業協会のQ&Aは、成長投資枠の対象から外れた場合でも「引き続き成長投資枠で保有することができます。」としています。

保有を続けている間も、NISA口座での売却や課税口座への払い出しはできます。どの選択をしたかで、その後の税金の扱いが変わります。

出典:日本証券業協会『2024年以降のNISAに関するQ&A』、楽天証券『取引・ルール』

上場廃止日まで持つと時価で一般口座へ払い出される

日本証券業協会のQ&Aは、成長投資枠の株が上場廃止になったときの扱いを、いつ・どう動いたかで分けています。上場廃止日までNISA口座で持ち続けた場合は、上場廃止日時点の時価で一般口座に払い出されます。

行動どうなるか
整理銘柄として取引されている間にNISA口座で売る譲渡益は非課税。譲渡損失は税務上ないものとみなされる
上場廃止日までNISA口座で持つ上場廃止日時点の時価で一般口座に払い出される
上場廃止の決定日以後に特定口座へ払い出す特定管理口座には払い出せず、一般口座に払い出される
監理銘柄・整理銘柄の指定前に特定口座へ払い出していた上場廃止に伴い特定口座から特定管理口座に払い出される

整理銘柄の期間中にNISA口座で売った場合も、損失は特定口座や一般口座の売買益と損益通算できません。表の下2行の違いは、次の見出しで説明します。

出典:日本証券業協会『2024年以降のNISAに関するQ&A』

無価値になった株の損失の扱い

NISA口座から特定口座へ移した株が上場廃止になったとき、特定管理口座に移るか一般口座に移るかはNISA口座から特定口座へ払い出した時期で分かれます。

上場廃止の決定日以後に特定口座へ払い出した場合、その株は特定管理口座に入れられず一般口座に払い出されます。整理銘柄の期間中に払い出したあと無価値になった場合も、同じ扱いです。

一方、監理銘柄・整理銘柄に指定される前に特定口座へ払い出していた株は、上場廃止に伴い特定管理口座へ移ります。その後、破産手続開始や更生計画による100%減資で無価値化すれば、確定申告によりその損失は認められます。

どちらの場合も、条件を外して「NISAの株は損失が認められる」「認められない」と一律に言うことはできません。確定申告が必要かどうかの判断は、NISAと確定申告の関係を解説した記事で扱います。

出典:日本証券業協会『2024年以降のNISAに関するQ&A』

単元未満株ならNISAで少額から買える

国内の上場株式は、売買単位が100株に統一されています。日本取引所グループは、2018年10月1日に内国株式の売買単位が100株に統一されたと案内しています。

このため通常の取引では100株単位の資金が要ります。ただ、単元未満株の売買サービスを提供している証券会社なら、1株から買えます。NISA口座で使えるかどうかは証券会社によって違います。

出典:日本取引所グループ『売買単位の統一』

単元未満株も成長投資枠に受け入れられる

制度の上では、単元未満株は成長投資枠の対象から外れていません。日本証券業協会のQ&Aは、発行会社への単元未満株の買増請求で取得した株について、NISA口座を開設する証券会社を経由して取得していれば成長投資枠に受け入れられるとしています。

証券会社が提供する単元未満株の取引も、成長投資枠で使えるものがあります。楽天証券のかぶミニ、マネックス証券のワン株は、いずれも各社が成長投資枠の対象に挙げています。

出典:日本証券業協会『2024年以降のNISAに関するQ&A』、楽天証券『取引・ルール』、マネックス証券『成長投資枠を解説』

NISA口座での単元未満株の取扱い

証券会社によっては、NISA口座で単元未満株を買えないことがあります。DMM株は「NISA口座での単元未満株式の売買はお取扱い対象外です。」としています。

松井証券も、NISA口座でできる日本株の取引に挙げているのは単元未満株の売却だけです。1株単位で少しずつ買いたいなら、口座を開く前にその証券会社のNISA口座で単元未満株を買えるかを確かめてください。

6社の対応は、このあとの「証券会社ごとのNISA口座の個別株の取引ルール」の表にまとめています。

出典:DMM株『単元未満株はNISA取扱商品ですか?』、松井証券『NISA口座 取引ルール』

米国個別株とNISAの為替コスト

成長投資枠の対象には、国外の取引所に上場している株式も含まれます。米国の個別株もNISA口座で買えますが、日本株にはない為替のコストと税金の扱いがあります。

出典:日本証券業協会『2024年以降のNISAに関するQ&A』

取引手数料とは別に為替のコストがかかる

米国株を円で売買するときは、円とドルを交換するコストがかかります。NISA口座で米国株の取引手数料を無料にしている証券会社でも、為替のコストを取引手数料とは別に示している例があります。

DMM株は、為替取引時の為替コストを1ドルあたり25銭(片道)としています。三菱UFJ eスマート証券のNISAの手数料の案内では、外国為替取引の手数料は1ドルあたり20銭です。

松井証券も、NISA口座の米国株の委託手数料は無料としたうえで、取引通貨を円にした取引では為替手数料が発生するとしています。為替のコストの水準は証券会社ごとに違います。

米国株の買付では、注文から約定までの為替の動きでNISAの枠を超えることもあります。DMM株や松井証券は、枠を超えた分の約定を課税口座の取扱いにするとしています。

出典:DMM株『為替取引』、三菱UFJ eスマート証券『NISAの手数料』、松井証券『NISA口座 取引ルール』

外国株の配当にかかる外国の税

楽天証券と松井証券は、米国株の配当について米国で源泉徴収される10%はNISA口座でも非課税にならず、外国税額控除も受けられないとしています。

配当の受け取り方の詳細は、NISAの配当金を解説した記事で扱います。

出典:楽天証券『取引・ルール』、松井証券『NISA口座 取引ルール』

NISA口座での個別株の買い方

個別株をNISA口座で買う流れは、どの証券会社でもおおむね共通です。注文画面で口座区分にNISAを選ぶことと、配当の受取方式を確認することが要点になります。

  1. 証券会社でNISA口座を開設します。ほかの金融機関ですでにNISA口座を開設している場合は、金融機関の変更手続きが必要です
  2. 証券口座に買付代金を入金します
  3. 銘柄の注文画面で、口座区分にNISA(成長投資枠)を選んで注文します
  4. 配当を非課税で受け取るなら、配当金の受取方式を株式数比例配分方式にします

楽天証券は、買付時の注文画面で口座を「NISA」と選択するとNISA口座の取扱いになるとしています。金融機関の変更手続きはNISAの口座変更を解説した記事、配当の受取方式はNISAの配当金を解説した記事で扱います。

NISA口座の注文方法に制限を設けている証券会社もあります。DMM株はNISA口座の買付を指値注文・当日のみとし、松井証券は米国株のNISA口座での買付注文を指値・当日のみで受け付ける決まりです。

出典:楽天証券『取引・ルール』、DMM株『NISAの取引ルール』、松井証券『NISA口座 取引ルール』

証券会社ごとのNISA口座の個別株の取引ルール

NISA口座で個別株を売買するときの手数料や、単元未満株・米国株・IPOの扱いは証券会社ごとに違います。6社の公式サイトの記載を、五十音順に同じ項目で並べました。

証券会社NISA口座の国内株式の売買手数料NISA口座での単元未満株NISA口座の米国株式の取引手数料NISA口座でのIPO公式サイト
SBI証券0円S株で買える(一部のコースと電話注文は手数料無料の対象外)0円対象SBI証券『NISAにおける取引手数料』
DMM株無料NISA口座での売買は取扱い対象外無料購入できるDMM株『株式取引の手数料』
松井証券無料(インターネット経由)NISA口座でできるのは売却のみ無料(インターネット経由)取引できる松井証券『NISA口座 取引ルール』
マネックス証券0円(ワン株の売却手数料はキャッシュバック)ワン株で買える国内取引手数料は無料(売却時は別途現地手数料)対象マネックス証券『NISA 手数料と費用』
三菱UFJ eスマート証券無料プチ株で買える無料対象三菱UFJ eスマート証券『NISA』
楽天証券無料(オペレーター取次ぎは対象外)かぶミニで買える(リアルタイム取引は手数料と別にスプレッドあり)無料(オペレーター取次ぎは対象外)取引できる楽天証券『日米株式の取引手数料が無料』

国内株式の売買手数料は、表の条件の範囲で6社ともNISA口座では無料または0円と案内しています。差が出るのは、単元未満株を買えるかどうかと、その際にかかる手数料以外のコストです。

米国株は取引手数料が無料でも、前の章のとおり為替のコストが別にかかる証券会社があります。

個別株をどう売買したいかが決まっているなら、その使い方に合うかを口座を開く前に確かめておきましょう。各社の最新の条件は、表の公式サイトで確認できます。

出典:SBI証券『成長投資枠とは』、DMM株『IPOで当選した銘柄を、NISA口座で購入することはできますか?』、楽天証券『取引・ルール』

個別株を持つ口座による課税と損失の扱い

同じ個別株でも、NISA口座と特定口座のどちらで持つかで税金と損失の扱いが変わります。どちらで持つべきかは投資の方針によって違うため、ここでは仕組みの違いだけを並べます。

項目NISA口座(成長投資枠)特定口座
売却益・配当非課税(配当は株式数比例配分方式が条件)20.315%の税率で課税
売却損税務上ないものとされる確定申告で損益通算と翌年以後3年間の繰越控除ができる
上場廃止になったとき上場廃止日まで持つと時価で一般口座へ払い出される監理・整理銘柄の指定前にNISA口座から移した株は特定管理口座に払い出される

特定口座の売却損の扱いは国税庁の案内に基づきます。同じ案内は、NISA口座の譲渡損失を損益通算・繰越控除の対象外としています。

NISA口座の株は、一般口座や、同じ証券会社の特定口座へ移すことができます。移した株の取得価額は、移管日の時価となる扱いです。

逆に、特定口座や一般口座ですでに持っている株をNISA口座に移すことはできません。楽天証券も、一般口座および特定口座の上場株式等はNISA口座に入庫できないとしています。

特定口座の仕組みや源泉徴収の有無の選び方は、特定口座とNISA口座の違いを解説した記事で扱います。損益通算できないことによる税額への影響は、NISAの元本割れを解説した記事で扱います。

出典:日本証券業協会『2024年以降のNISAに関するQ&A』、国税庁『上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除』、楽天証券『取引・ルール』

よくある質問

NISAで個別株を買うべき?

買うべきかどうかは、売買の頻度や投資の方針によって変わります。判断の材料は、冒頭の制度ルールの一覧表にまとめた7つの項目です。

長く持つ前提なら売却益や配当が非課税になる点を使えます。短期の売買が中心なら、年間投資枠が戻らない点と信用取引ができない点が制約になります。

個別株はNISAを使わない方がいい?

NISA口座で持てば、利益が出たときの売却益と配当は非課税になります。その一方で、損失が出たときは税務上ないものとされ、ほかの口座の利益と相殺できません。両方の扱いは「個別株を持つ口座による課税と損失の扱い」の表で比べています。

積立NISAと個別株はどちらがいい?

今のNISAでは、つみたて投資枠で個別株を買うことはできず、個別株は成長投資枠で買います。2つの枠は1つのNISA口座で併用できるため、どちらか一方を選ぶ仕組みではありません。

NISAで個別株が買えないのはなぜ?

主な原因は4つです。つみたて投資枠で買おうとしている、銘柄が監理銘柄・整理銘柄に指定されている、その年の成長投資枠を使い切っている、のいずれかに当たらないか確かめてください。

4つ目は、NISA口座が銀行・郵便局などにある場合です。銀行・郵便局などのNISA口座で投資できるのは公募株式投資信託で、上場株式は買えません。

出典:日本証券業協会『2024年以降のNISAに関するQ&A』

NISAでIPO(新規公開株)は買える?

NISA口座でIPOを申し込める証券会社があります。楽天証券は、当社取扱いの新規公開株式(IPO)はNISA口座で取引可能としています。

DMM株も、IPO銘柄はNISA口座でも購入できるとしたうえで、約定の結果、非課税投資枠を超えた場合は原則として一般口座に変更するとしています。申し込む前に、その年の成長投資枠の残りを確かめておきましょう。

出典:楽天証券『NISA/新NISA』、DMM株『IPOで当選した銘柄を、NISA口座で購入することはできますか?』

まとめ

NISAで個別株を買うこと自体は制度上できます。「やめとけ」と言われる理由は、年間投資枠が売っても戻らないことや信用取引ができないことなど、制度ルールと個別株・短期売買の相性にあります。

デイトレや短期売買では枠を早く使い切り、日本証券業協会も短期の回転売買はNISA制度の趣旨を逸脱するおそれがあるとしています。監理銘柄・整理銘柄は新たに買えず、上場廃止日まで持つと時価で一般口座に払い出されます。

単元未満株や米国株、IPOをNISA口座で扱えるかは証券会社ごとに違います。口座を開く前に、自分の売買の仕方に合うルールかを公式サイトで確かめてください。

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