外貨預金はおすすめしない?理由と向いている人の条件

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外貨預金がおすすめしないと言われる理由は、円高による目減り、往復の為替手数料、預金保険の対象外という仕組みにあります。

米ドルの片道の為替手数料は、三菱UFJ銀行の窓口が1円、PayPay銀行が5銭と、銀行と取引方法で大きく違います。

円高で元本割れする計算例と銀行別の手数料、外貨預金が向いている人と向いていない人の条件がわかります。

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3行要約

①円高と往復の為替手数料で円換算の元本割れが起こりうる預金
②預金保険の対象外で米ドルの片道手数料は0円〜1円と銀行や取引方法で差
③外貨で使う予定のある余裕資金向きで短期間に円を増やしたい資金には不向きな預金

目次

外貨預金をおすすめしないと言われる理由

外貨預金がおすすめしないと言われるのは、円に戻したときに預けた金額より減る可能性があるためです。円高による目減り、往復の為替手数料、預金保険の対象外という3つが重なります。

ただし、どれも銀行と国の機関が公表している仕組みの話で、外貨預金そのものが欠陥商品というわけではありません。理由を5つに分けて整理しました。

理由何が起きるか根拠対策の方向
元本割れの可能性円高になると円での受取額が預けた額を下回る三菱UFJ銀行の注意事項引き出す時期を自分で選べる資金で預ける
往復の為替手数料相場が動かなくても預入と引出の手数料で目減りする各銀行の手数料表ネット取引など手数料の低いチャネルを使う
預金保険の対象外銀行が破綻したとき保護の仕組みの外に置かれる預金保険機構1つの銀行に集中させない
税金利息は源泉分離課税、為替差益は雑所得になる国税庁・三菱UFJ銀行利益が出たときの申告の要否を確認する
相場の予想が難しい為替は金利や景気、政治情勢などで動く金融庁予想に頼らない金額と期間で預ける

元本割れの可能性

外貨預金は外貨の額では減らなくても、円に戻す時点で円高になっていれば受取額が預けた円を下回ります。三菱UFJ銀行も、引出時の相場が円高になると引出円貨額が預入円貨額を下回る場合があるとしています。

往復でかかる為替手数料

円を外貨にするときと、外貨を円に戻すときの両方に手数料がかかります。為替相場がまったく動かなくても、手数料の分だけ受取額は減ります。

手数料の額は銀行と取引方法でかなり違い、同じ銀行でも窓口とネットで数倍の差が出ることがあります。額と計算は後の見出しで扱います。

預金保険の対象外

円の定期預金や普通預金と違い、外貨預金は預金保険制度の対象ではありません。銀行が破綻した場合、破綻した銀行の財産の状況に応じて支払われます。

三菱UFJ銀行・みずほ銀行・auじぶん銀行など、外貨預金を扱う銀行は商品ページでこの点を明示しています。メガバンクでもネット銀行でも扱いは変わりません。

為替差益と利息にかかる税金

利息には受け取る時点で税金が差し引かれ、為替差益は原則として雑所得で確定申告の対象になります。利益が出た場合でも、円預金の利息とは税金の扱いが違う点に注意してください。

為替相場の予想が難しい

金融庁は、外国為替相場が各国の政策金利や景気動向と密接に関連し、経済指標や金融政策、政治情勢、要人の発言などの影響を受けて変動すると説明しています。円安になる時期を読んで預けるやり方は、これらの要因を当て続けることを前提にしてしまいます。

「今は円安だから」と始める時期を探す考え方もありますが、これらの要因をすべて見通すのは簡単ではありません。この記事では時期の予想は扱わず、仕組みと費用に絞って説明します。

出典:三菱UFJ銀行『外貨預金の手数料』、金融庁『いわゆる外国為替証拠金取引について』

外貨預金のリスクと仕組み

外貨預金は、円を米ドルなどの外貨に替えて、外貨のまま預ける預金です。預けるときと引き出すときに別々の為替レートが使われることが、損得の出方を決める土台になります。

外貨預金の基本の仕組み

為替レートには3つの種類があります。基準になるのがTTM(仲値)で、三井住友銀行は為替手数料を含まない基準のレートと説明しています。

円から外貨に替えるときはTTS、外貨から円に戻すときはTTBが使われます。TTSとTTBには、それぞれ預入時と引出時の為替手数料が含まれています。

外貨預金には、出し入れが自由な外貨普通預金と、期間を決めて預ける外貨定期預金があります。違いは次のとおりです。

項目外貨普通預金外貨定期預金
預ける期間期間の定めなし1か月・1年など期間を決める
金利変動金利で、見直しがある預ける期間ごとに金利が決まる
途中で引き出すとき自由に払い戻せる中途解約を原則受け付けない銀行もある
同じ通貨どうしの振替auじぶん銀行では外貨普通預金と外貨定期預金の間の振替に為替手数料がかからない

出典:三井住友銀行『1通貨単位あたりの為替手数料(片道)一覧』、auじぶん銀行『外貨普通預金 商品詳細』、『【外貨預金】取引に手数料はかかりますか?』

円高で元本割れする例

100万円を、仲値1ドル150円のときに窓口で米ドルにした場合を計算します。片道1円の手数料が乗るため預入レートは151円になり、受け取る米ドルは6,622.51ドルです。

引き出すときの仲値引出レート(TTB)円での受取額預けた100万円との差
1ドル140円139円920,528円−79,472円
1ドル145円144円953,641円−46,359円
1ドル150円(変化なし)149円986,753円−13,247円
1ドル155円154円1,019,866円+19,866円
1ドル160円159円1,052,979円+52,979円

計算は三菱UFJ銀行の窓口の手数料(米ドル片道1円)を使い、利息と税金は含めていません。相場が変わらなくても13,247円減るのは、往復2円の手数料が差し引かれるためです。

出典:三菱UFJ銀行『外貨預金の為替手数料』

預金保険制度で保護されない範囲

預金保険機構は、預金保険の対象外の預金等として外貨預金を挙げています。対象外の預金は、破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われるため、一部カットされることがあります。

一方、円の定期預金や利息の付く普通預金は、1金融機関ごとに合算して元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。円預金の保護の範囲は定期預金金利の今後の見通しの記事で扱っています。

出典:預金保険機構『保護の範囲』

利息と為替差益の課税区分

預貯金の利息は、所得税と復興特別所得税15.315%、地方税5%が源泉徴収され、それで納税が完結する源泉分離課税です。外貨預金の利息にも合計20.315%の税率がかかります。

為替差益は雑所得となり、確定申告による総合課税の対象です。

ただし、給与を1社だけから受ける年収2,000万円以下の給与所得者は、為替差益を含む給与所得・退職所得以外の所得が年20万円以下なら確定申告は要りません。

為替差損は、ほかの黒字の雑所得から差し引けますが、給与所得など他の所得区分との損益通算はできません。なお、元本と利息をあらかじめ決めたレートで円に換算する契約の換算差益は、源泉分離課税の対象です。

出典:国税庁『利子所得』、三菱UFJ銀行『外貨預金の為替差益について、一般的な税金の取扱いを知りたい。』、大和ネクスト銀行『外貨預金 金利一覧』

外貨のまま移したときの税金

円に戻さず外貨のまま動かした場合でも、移し先によって税金の扱いが変わります。元本部分を同じ通貨のまま別の銀行の外貨預金へ預け替えるだけなら、為替差益を認識する必要はありません。

一方、外貨預金を払い出して外貨建てMMFに投資すると、その時点で為替差益を所得として認識します。国税庁の例では、1ドル90円で預けた10万ドルを1ドル105円のときに移すと、150万円が為替差益です。

出典:国税庁『外貨建預貯金の預入及び払出に係る為替差損益の取扱い』、『預け入れていた外貨建預貯金を払い出して外貨建MMFに投資した場合の為替差損益の取扱い』

外貨定期預金の中途解約の制限

外貨定期預金は、満期前に引き出せない場合があります。大和ネクスト銀行の外貨定期預金は原則として中途解約と一部解約ができません。

同行が2026年9月25日現在で示す中途解約利率は、米ドルで年0.010%です。やむを得ず解約するときは、預けたときの金利ではなくこの低い利率になる点を覚えておきましょう。

高い金利表示の見方

外貨定期預金では、期間の短い商品に高い金利が表示されることがあります。表示された年利がそのまま1年分付くとは限らないため、期間と条件を合わせて見てください。

大和ネクスト銀行の米ドル1か月ものは、2026年9月25日現在で「円から」が年6.10%、「外貨から」の5万米ドル未満が年2.50%です。「円から」は大和証券との外国為替取引と同時に申し込んだ場合の金利です。

1か月ものの年6.10%は、税引前で元本の約0.51%にあたる利息です。自動継続にすると、2回目以降は継続日の「外貨から」の金利に切り替わります。

出典:大和ネクスト銀行『外貨預金 金利一覧』

為替手数料で損益が分かれる仕組み

外貨預金で利益を出すには、手数料の分を上回る円安か金利が必要です。どれだけ円安になれば元が取れるかは、片道の手数料から計算できます。

為替手数料が往復でかかる計算

三菱UFJ銀行の米ドルの手数料は、インターネットバンキングが片道25銭、窓口が片道1円です。往復ではネットが50銭、窓口が2円になります。

同行は、引出時の仲値が預入時より2円(ネットなら50銭)以上円安にならないと、引出時の円貨額が預入時より少なくなると説明しています。テレフォンバンキングでの取引は窓口と同じ手数料です。

手数料込みで元が取れる為替レート

仲値1ドル150円のときに100万円を預けた場合、窓口とネットで元本に戻るレートは1ドル1.5円分違います。三菱UFJ銀行の手数料で計算しました。

取引方法片道の手数料預入レート(TTS)受け取る米ドル元本に戻る引出時の仲値
窓口1円151円6,622.51ドル1ドル152円(2円の円安)
インターネットバンキング25銭150.25円6,655.57ドル1ドル150.50円(50銭の円安)

同じ100万円でも、ネットで預けると受け取る米ドルが33.06ドル多くなります。仲値150円で円に戻した場合の受取額は、窓口が986,753円、ネットが996,671円です。

金利で手数料を取り戻すまでの期間

相場が動かない場合、往復の手数料は金利で埋めることになります。仲値150円なら、窓口の往復2円は元本の約1.33%、ネットの往復50銭は約0.33%にあたります。

年利(税引前)窓口の往復2円を取り戻す期間ネットの往復50銭を取り戻す期間
年0.10%(外貨普通預金)約13.3年約3.3年
年2.90%(1年定期)満期の1年後満期の1年後

表は三菱UFJ銀行の手数料に、大和ネクスト銀行の金利を当てはめた試算です。年0.10%は同行の米ドルの外貨普通預金、年2.90%は米ドル1年定期(外貨から・5万米ドル未満)の2026年9月25日現在の金利です。

利息には税金がかかるため、普通預金で取り戻す期間は表より長くなります。1年定期は原則として中途解約できないので、途中で手数料分を回収することはできません。

満期まで置けば、1年分の利息は20.315%の税金を引いた後でも、窓口とネットの往復の手数料を上回ります。

外貨預金でよくある失敗

仕様から起きやすい失敗は3つあります。1つ目は、預けてすぐ円に戻すことです。期間が短いほど、金利で往復の手数料を埋められません。

2つ目は、短期の高い金利を1年分の利回りと取り違えることです。1か月ものを自動継続すると、満期後の金利は同じ値のままではありません。

3つ目は、窓口で取引して手数料の高いチャネルを選んでしまうことです。三菱UFJ銀行の米ドルのように、同じ銀行でもネットで取引するだけで往復の手数料が4分の1になる例があります。

新興国通貨にも注意が必要でしょう。三菱UFJ銀行は、新興国通貨は先進国通貨に比べてカントリーリスクなどの大きなリスクがあり、取引を即時停止する場合もあるとしています。

出典:三菱UFJ銀行『外貨預金で使う為替相場とは』、大和ネクスト銀行『外貨預金 金利一覧』

銀行別の外貨預金の為替手数料

米ドルの片道の為替手数料を、各銀行の公式の手数料表から並べました。並びは手数料の安い順などの順位ではありません。

銀行米ドルの片道の為替手数料条件・補足
三菱UFJ銀行ネット25銭
窓口1円
テレフォンバンキングは窓口と同じ
三井住友銀行ネット:預入0円・引出0.5円
店頭・電話1円
為替予約は店頭・電話の手数料
みずほ銀行1円取扱いは6通貨。ネット限定の割引プランは含まない
りそな銀行1円キャンペーン等で下回る場合あり
東京スター銀行ネット:預入0円・引出0.5円
店頭・テレホンバンク1円
―
ソニー銀行15銭Club Sのステージで10銭・7銭・4銭
SBI新生銀行15銭(スタンダード)ステージで9銭・7銭・6銭
ドコモSMTBネット銀行6銭キャンペーン実施時を除く為替コスト
楽天銀行25銭預入・払戻とも同額
auじぶん銀行12銭2025年2月10日時点の通常の手数料
PayPay銀行5銭2026年1月1日現在
大和ネクスト銀行上限50銭大和証券との外国為替取引のスプレッド

表の値はキャンペーンで一時的に下がる手数料を含まない、通常の手数料です。手数料は相場の変動などで改定されることがあるため、取引の前に各行の手数料表で最新の値を確かめてください。

外貨の現金を持ち込んで預ける場合は、別の手数料がかかります。三菱UFJ銀行では、外貨現金での米ドルの預け入れに1ドルあたり2円(外貨定期預金・外貨貯蓄預金は1円)、引き出しに1円80銭かかります。

出典:三井住友銀行『1通貨単位あたりの為替手数料(片道)一覧』、みずほ銀行『みずほ外貨普通預金』、PayPay銀行『為替手数料』

窓口とネットで手数料が変わる理由

同じ銀行でも、取引する窓口の種類で手数料が変わります。三菱UFJ銀行の米ドルはネットの25銭に対して窓口は1円で、4倍の差があります。

三井住友銀行と東京スター銀行は、ネットで円から預け入れるときの手数料を0円にしています。ただし引き出すときは0.5円かかるため、往復では0.5円の負担が残ります。

出典:三菱UFJ銀行『外貨預金の為替手数料』、東京スター銀行『外国為替手数料』

ネット銀行とメガバンクの違い

表のネット銀行の米ドルの手数料は、上限50銭の大和ネクスト銀行を含めて、どれもメガバンクの窓口の1円を下回ります。PayPay銀行の5銭は、窓口の1円の20分の1の水準です。

メガバンクでもネット取引なら手数料は下がりますが、店舗で相談しながら取引できる点は窓口ならではの特徴です。取引方法ごとの手数料を比べてから口座を選ぶとよいでしょう。

手数料が優遇される条件の例

ソニー銀行とSBI新生銀行は、取引状況などで決まるステージによって手数料が下がる仕組みです。ソニー銀行はプラチナで4銭、SBI新生銀行はダイヤモンドで6銭まで下がります。

SBI新生銀行のステージ別の条件はSBI新生銀行の解説記事で扱っています。PayPay銀行の外貨預金を含む手数料の全体像はPayPay銀行の手数料の記事にまとめました。

出典:ソニー銀行『外貨預金・外貨送金手数料』、SBI新生銀行『為替手数料 – 外貨預金』

外貨積立の為替手数料

毎月決まった円で外貨を買う外貨積立では、通常の取引と手数料が変わる銀行があります。大和ネクスト銀行の外貨積立は、外貨を買うときの為替スプレッドが0円で、1,000円から積み立てられます。

ただし、積み立てた外貨を円に戻すときは大和証券所定の為替スプレッドがかかります。預け入れの手数料がなくても、引き出すときの片道分は残る点に気をつけてください。

出典:大和ネクスト銀行『外貨積立の特長・金利・商品概要』

通貨ごとの金利と値動きの違い

どの国の通貨がよいかは、金利と手数料と値動きの性質を並べてから判断する必要があります。同じ銀行の公式値で比べるため、12通貨を扱う大和ネクスト銀行の数字を使いました。

通貨外貨普通預金の金利1年定期の金利(円から)為替スプレッド(片道・上限)
米ドル年0.10%年3.20%50銭
ユーロ年0.10%年1.25%80銭
英ポンド年0.10%年2.60%1円50銭
豪ドル年0.10%年3.30%1円
NZドル年0.10%年2.70%1円
カナダドル年0.10%年1.60%80銭
スイスフラン大和ネクスト銀行では取扱いなし
南アフリカランド年1.00%年5.40%30銭

金利は2026年9月25日現在の年利・税引前で、1年定期は大和証券との外国為替取引と同時に申し込む「円から」の金利です。金利は金融情勢などに応じて変わるので、表は比べ方の例として見てください。

金利が高い通貨の注意点

表で1年定期の金利が高いのは南アフリカランドの年5.40%です。ただしランドは新興国通貨で、先進国通貨に比べて大きなリスクがあると三菱UFJ銀行は注意しています。

auじぶん銀行も、ランドや中国元などは流動性や市場機能の低下によって為替レートが大幅に変動するリスクや、取引を停止する場合があるとしています。金利の差だけで通貨を選ぶと、この値動きの大きさを見落とします。

手数料も通貨で違います。三菱UFJ銀行のネットの片道手数料は、米ドル・ユーロが25銭、英ポンド・豪ドル・NZドルが50銭です。

出典:大和ネクスト銀行『外貨預金 金利一覧』、『外貨預金の為替スプレッドはいくらですか』、auじぶん銀行『外貨普通預金 商品詳細』

取扱いのない通貨がある銀行

扱う通貨の数は銀行ごとに違います。みずほ銀行の外貨普通預金は6通貨、auじぶん銀行は8通貨、大和ネクスト銀行は12通貨です。

大和ネクスト銀行の12通貨にスイスフランは入っていません。使いたい通貨が決まっているなら、口座を開く前に取扱通貨の一覧を確認しておくと手間が省けます。

出典:みずほ銀行『みずほ外貨普通預金』、大和ネクスト銀行『外貨普通預金の特長・金利・商品概要』

外貨預金以外で外貨を持つ方法との違い

外貨を持つ方法は外貨預金だけではありません。商品によって、破綻したときに守られる仕組みと、損失の出方が違います。特定の会社の商品ではなく、制度の違いで比べました。

商品主な取扱先破綻したときの保護の仕組み損失の出方
外貨預金銀行預金保険の対象外円高と為替手数料で円換算の元本割れ
外貨建てMMF証券会社分別保管と投資者保護基金(1人1,000万円まで)円高になると円換算で目減りする
FX(外国為替証拠金取引)金融商品取引業者信託銀行等への金銭信託で区分管理差し入れた証拠金以上の損失のおそれ
外貨建て保険保険会社(銀行などが代理店)保険契約者保護機構(責任準備金の一定割合まで)為替などの市場の変動で受取額が変わる

保護される制度の違い

証券会社は、顧客から預かった財産を自社の財産と分けて保管することが金融商品取引法で義務付けられています。返還できない事故が起きた場合は、投資者保護基金が1人あたり1,000万円まで補償します。

ただし投資者保護基金は、値下がりで生じた損失を補償する制度ではありません。FXの証拠金も、業者が破綻した場合に備えて金銭信託で区分して管理することが求められています。

保険会社が破綻したときは保険契約者保護機構が関わり、補償の対象となる契約は責任準備金の一定割合まで補償されるという仕組みです。

出典:金融庁『証券会社に預けた資産は大丈夫ですか。』、『保険契約者保護機構制度(保険会社のセーフティネット)』

損失の出方の違い

FXは少額で大きな額を取引できる反面、差し入れた証拠金以上の損失が生じるおそれがあると金融庁は注意しています。外貨預金の損失が預けた額の範囲にとどまるのとは性質が違います。

外貨建て保険は、銀行の窓口で勧められることのある商品です。金融庁は「定期預金をしたつもりが、外貨建て変額個人年金保険に加入していた」という募集を問題として挙げています。

銀行で外貨の商品を勧められたときは、それが預金なのか保険なのかを契約前に書面で確かめてください。

出典:金融庁『いわゆる外国為替証拠金取引について』、『外貨建保険販売の際の情報提供のあり方について』

外貨預金が向いている人と向いていない人

外貨預金が合うかどうかは、性格ではなく資金の使い道と条件で決まります。下の6つの条件に当てはめると判断しやすくなります。

判断の条件向いている向いていない
外貨を使う予定海外渡航・留学・外貨建ての支払いがある最後は円で使う
資金の性質当面使わない余裕資金生活費や近いうちに使う予定の資金
引き出す時期自分で決められ、円高の時期を避けて待てる時期が決まっていて動かせない
取引の方法ネットで取引できる窓口での取引が中心
預ける期間数年単位で置ける数か月で円に戻したい
1つの銀行に置く金額円預金とあわせて保護の範囲を意識して分けられる1つの銀行にまとめて置きたい

向いている人の条件

外貨を外貨のまま使う予定がある人は、円に戻すときの手数料と円高の影響を受けにくくなります。円に戻さなければ、円換算での元本割れは確定しません。

引き出す時期を自分で選べる余裕資金で、ネットで取引できる人も向いています。往復の手数料を抑えつつ、円高の局面では円に戻さずに待つという選択が取れるためです。

向いていない人の条件

数か月以内に円で使う予定のお金を、円を増やす目的で預けるのは向いていません。短期間では金利が往復の手数料に届かず、円高になれば元本割れする可能性が高くなります。

元本を減らしたくない資金なら、預金保険の対象になる円預金に置く方法があります。ネット銀行の円預金はドコモSMTBネット銀行の金利の記事やPayPay銀行のメリット・デメリットの記事で比べられます。

始める前に確認する5項目

口座を開く前に、次の5つを公式サイトで確認しておくと想定外の目減りを防げます。

  1. 使う通貨の片道の為替手数料と、往復での合計額
  2. ネットと窓口のどちらで取引するか
  3. 外貨定期預金を途中で解約できるかと、そのときの利率
  4. 表示された金利の期間と、「円から」などの適用条件
  5. 利息と為替差益にかかる税金と、確定申告の要否

外貨預金に関するよくある質問

外貨預金は本当に損をする?

損をするとは決まっていません。円安になれば円での受取額が増えることもあります。ただし相場が動かなくても往復の手数料の分は減るため、手数料を上回る円安か金利がなければ損になります。

外貨預金で大きく儲かる?

大きな為替差益が出る場面はありますが、円高で同じだけ損をする可能性もあります。為替差益は雑所得として課税されるので、利益の全額が手元に残るわけではありません。

外貨預金は預金保険の対象?

対象ではありません。預金保険機構は外貨預金を預金保険の対象外の預金等としています。

円安の時期に始めたときの損益分岐

元本に戻るレートは、預けたときの仲値に往復の手数料を足した水準です。円安の時期に預けるほど、元本に戻るレートも高くなります。

例えば仲値1ドル160円のときに窓口で預けると、三菱UFJ銀行の手数料では引出時に1ドル162円以上にならないと元本を下回ります。そこから円高に進むと、そのぶん損失が広がります。

米ドルと豪ドルはどちらがいい?

どちらがよいかは使い道で変わります。大和ネクスト銀行の1年定期(円から)は、2026年9月25日現在で米ドルが年3.20%、豪ドルが年3.30%です。為替スプレッドの上限は米ドルが50銭、豪ドルが1円と手数料に差があります。

外貨預金はいくらから始められる?

少額から始められる銀行があります。auじぶん銀行の米ドルの外貨普通預金は、円で指定するなら100円相当額以上、外貨で指定するなら1ドル以上から預けられます。みずほ銀行の外貨普通預金も、1通貨単位以上から預け入れできます。

円預金とどちらに置くべき?

外貨を使う予定があるか、元本割れを受け入れられるかで分かれます。判断の条件は前の見出しの表にまとめました。円の金利の動きは定期預金金利の今後の見通しの記事で扱っています。

出典:預金保険機構『保護の範囲』、auじぶん銀行『外貨普通預金 商品詳細』、大和ネクスト銀行『外貨預金の為替スプレッドはいくらですか』

外貨預金の前に比べたいネット銀行

外貨預金を始めるにしても、円のまま置くにしても、手数料の低いネット銀行を候補に入れておくと比べやすくなります。この記事の手数料表に出てきたネット銀行のうち、解説記事があるのは次の2行です。

銀行米ドルの片道の為替手数料詳しい解説
PayPay銀行5銭メリット・デメリット
手数料
安全性
ドコモSMTBネット銀行6銭金利

どちらも円の普通預金は預金保険の対象です。外貨預金に回す前に、円預金の金利と手数料を同じ銀行の中で比べておくと、外貨に替える金額を決めやすくなります。

PayPay銀行の安全性についてはPayPay銀行の安全性の記事で扱っています。

出典:PayPay銀行『為替手数料』、ドコモSMTBネット銀行『為替コスト(手数料)』

まとめ

外貨預金がおすすめしないと言われるのは、円高と往復の為替手数料で円換算の元本割れが起こりうること、預金保険の対象外であることが主な理由です。米ドルの片道手数料は銀行と取引方法で0円から1円まで差があります。

向いているのは、外貨を使う予定があり、引き出す時期を自分で選べる余裕資金です。数か月で円を増やしたい資金には向きません。

始めるなら、手数料の低いチャネルと中途解約の条件、税金の扱いを確認してから預けると、想定外の目減りを避けやすくなるでしょう。

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