SBI VCトレードでJPYCを購入できるのか
2025年10月27日、日本円のステーブルコイン「JPYC」が取り扱いを開始しました。
現状公式サイトの「JPYC EX」でしか取り扱いがなく、もちろんSBIVCトレードにも上場していません。
ただ最初に上場するとしたらSBIVCトレードだろうと考察しているので、今後について考えをまとめていきます。
SBI VCトレードでのJPYCは購入できる?

2025年11月4日現在、JPYCはSBIVCトレードには未上場です。今のところはJPYC EXで購入するか、それとも二次流通のものを取引で獲得するかの二択となっています。
私自身はJPYC EXでアカウントを作成し、メタマスクで運用しました。
アカウント作成の際に、マイナンバーの署名用電子証明書パスワードが必要になりますが、覚えていなかったので市役所に行ってきました。
申請から8分で本作成が完了したので、準備ができていればすぐに作成できそうですね。
そもそもJPYCとは
日本国内発のJPYに連動するステーブルコイン
JPYCは、日本円の価値に1対1で連動することを目指すステーブルコインです。
2025年8月18日、JPYC株式会社は資金決済法に基づく「資金移動業者」の登録(関東財務局長 第00099号)を取得し、円連動の電子決済手段(ステーブルコイン)を発行・償還できる体制に入りました。
ここでいうJPYCは、旧来の前払式支払手段「JPYC Prepaid」とは法的位置づけが異なり、電子決済手段として扱われます。
裏付け資産の透明性
資金移動業型ステーブルコインは、裏付け資産を安全性・流動性の高い資産で保全することが前提です。JPYCの公表では、裏付けは日本円の預貯金と日本国債(JGB)を中心に構成し、1JPYC=1円での償還に対応する方針です。
日本の制度面でも、電子決済手段や特定信託受益権(信託型ステーブルコイン)に関して、預金や(短期)国債など低リスク資産での管理・運用が想定されています。
デジタル通貨の未来について
日本では2023年6月施行の改正資金決済法でステーブルコインを「電子決済手段」として明確化し、発行・流通に制度的な枠組みが整備されました。
中央銀行・学術サイドの整理でも、電子決済手段は決済・送金に用いられる新しいデジタルマネー領域として位置づけられています。こうした法制度の整備と、民間の発行体・取引事業者の参入が、企業間決済や国際送金、Web3サービスの決済レイヤーを押し上げる土台になります。
出典:金融庁・日銀関連資料
SBIVCトレードとステーブルコイン

SBI VCトレードは2025年3月4日、ステーブルコインの取扱いに必要な「電子決済手段等取引業者」の国内初登録(関東財務局長第00001号)を取得。
3月26日に米ドル連動USDCの一般向け取扱いを開始し、日本の規制準拠下でのステーブルコイン取引を先導しています。
JPYCを持つメリット
常に1円=1 JPYCの安定性
新しいJPYC(電子決済手段)は、発行体による裏付け資産の保全と償還スキームによって、1JPYC=1円の価値維持を前提とします。
これにより、価格変動の大きい暗号資産と異なり、会計・決済で扱いやすい価値尺度が担保されます。
送金・決済手数料(ガス代)が安い
対応チェーンとして公表されているEthereum/Polygon/Avalancheでは、特にPolygonなどのL2/サイドチェーンでガス代が低く、少額送金や高頻度の決済に向きます。
実績としてPolygonの平均手数料は数銭〜数十銭相当で推移することが多いとされ、Ethereum本体に比べて大幅に低廉です。
誰でも簡単に購入・利用できる
電子決済手段の発行・取扱いは登録事業者の管理下で提供され、KYC/AMLも整備されています。
公式の発行・償還チャネルが整えば、ウォレット接続と本人確認を経て、円での入出金・償還がワンストップ化される想定です。制度面の枠組みは既に整っており、事業者の提供開始を待つのみという段階です。
JPYCを持つデメリット
デメリットというデメリットはありませんが、強いて言えばの部分をまとめます。
利益(インカムゲイン)を生まない
JPYC自体は価格連動型の決済用トークンであり、通常は保有しても金利や配当のような収益は発生しません。
運用収益を期待する商品ではなく、決済・送金・ヘッジ用途で使う性格です。制度上の位置づけ(電子決済手段)からも、投機的な価格変動を狙う対象ではないことが分かります。
ただXを見ていると、JPYCをレンディングできるサービスも増えており、10%を超える年利がついているものが多く見受けられます。新しいサービスも多いので信頼できる発行体かどうか判断が必要ですが、JPYCへの期待も大きいように感じています。
発行体の信用リスク
発行体が異常事態に陥ると、償還や換金が一時的に遅延する可能性はゼロではありません。
もっとも、日本の制度は裏付け資産の安全性・分別管理を求めており、資産構成や上限規制でリスクを抑制する設計です。そのため、仮にJPYC株式会社が倒産したとしても、ユーザーの資金は返金される仕組みとなっています。
JPYC発行量の101%を信託銀行への預金、国債保有額と合わせて保有することが義務付けられています。
つまり、1億JPYCが発行されているとしたら、JPYC株式会社は1億1千万円の資産を持たなければならないことになっています。同時に全保有者が償還を求めた際にも対応できるようにするためです。
発行するだけして資産がなかったら、いざという時に円で支払えませんからね。
国債の大幅下落

裏付け資産に国債を組み入れる場合、金利急上昇局面では国債価格が下落し、時価評価損の発生が論点になります。
日本の議論でも、国債等での運用を認める一方、運用割合の上限や短期債中心などの条件を付す方向性が示され、価格変動リスクへの配慮が求められています。ただ、国債価格が大幅に低下した時は、JPYCだけではなく日本経済も同時に終わりを迎えることを意味するので、そうそうないと思います。
しかしリスクとしてはありうるので一応認識しておいてください。
SBI VCトレードのJPYC取り扱いスケジュール
2025年10月27日、JPYCのサービスが開始されました。しかし、SBI VCトレードでJPYCを上場させるかどうかまだ未定です。
しかし、国内唯一USDCを上場させていることもあり、ステーブルコインにはポジティブな姿勢が見て取れます。もしかしたら今後JPYCが上場する可能性もあります。
米Circle社への戦略的投資

2025年6月9日、SBIホールディングスおよびSBI新生銀行は、USDCの発行体であるCircle Internet Group, Inc.への戦略的投資を実施したと公表しています。
両社は2023年11月の包括提携合意に続き、2025年3月には合弁会社「Circle SBI Japan株式会社」を設立する基本合意を締結している。SBI VCトレードは2025年3月26日にUSDCの一般向け取扱いも開始済みです。
出典:https://www.sbigroup.co.jp/news/pdf/2025/0609_a.pdf
また、Circle社はJPYC株式会社にも資金援助をしていることも明らかになっています。関連のあるステーブルコイン業界最大手とつながりがあることから、今後に期待しています。
米リップル社との連携(RLUSD導入計画)

2025年8月22日、SBIホールディングスおよびSBI VCトレードは、Ripple Labsと同社子会社のStandard Custody & Trust Companyと、日本における米ドル建てステーブルコイン「Ripple USD(RLUSD)」の発行・流通に向けた基本合意書を締結しました。
SBI VCトレードは年度内の国内提供開始を目標とすると発表しています。
出典:https://www.sbigroup.co.jp/news/2025/0822_15680.html
三井住友銀行(SMBC)との提携

2025年8月22日、SBI VCトレードと三井住友銀行は、日本国内におけるステーブルコインの健全な流通と利活用に関する共同検討の基本合意書を締結しました。
両社は、日本の金融機関が発行するステーブルコインを対象に、流通方式の検討や新たな決済・運用サービスの創出を進めるとしていました。
出典:https://www.sbigroup.co.jp/news/2025/0822_15681.html
このように、ステーブルコインについてかなり前向きな姿勢は間違いないと言えます。JPYCについてもポジティブな意見を持っているのではないかと考察できます。
そのため、RLUSDだけではなく、JPYCも上場する可能性がないとは言えないと個人的に考えています。また進捗があれば、記事を追加する予定です。









