JPYCとは?JPYC EXでの買い方と取引所で買えない理由

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JPYCを買おうと暗号資産取引所を開いても、銘柄の一覧に名前が出てきません。

取引所で扱われないのは、JPYCが暗号資産ではなく資金決済法上の電子決済手段だからです。入手は公式サービスのJPYC EXで発行するという形になります。

発行の手順と1回あたりの上限100万円・下限3,000円、手数料、日本円へ戻す流れまでを1本にまとめました。

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3行要約

①1円あたり1JPYCで発行・償還される資金決済法上の電子決済手段
②入手は暗号資産取引所ではなくJPYC EXでの発行
③1回あたりの発行・償還は上限100万円で下限3,000円

目次

JPYCとは

JPYCは、JPYC株式会社が発行する資金決済法上の電子決済手段です。1円あたり1JPYCの割合で発行され、同じ比率で日本円に償還されます。

発行体のJPYC株式会社は、資金決済法37条に基づく第二種資金移動業者として登録しています。登録番号は関東財務局長第00099号です。

ここで押さえておきたいのが、JPYCは暗号資産ではないという点でしょう。分類が違うため、入手する場所も、価格の決まり方も、暗号資産とは別の仕組みになります。

公式の交付書面は「電子決済手段は本邦通貨又は外国通貨ではありません」とも定めています。日本円そのものではなく、日本円と同じ比率で発行・償還される財産的価値という位置づけになります。

項目内容
名称JPYC(JPY Coin)
発行体JPYC株式会社
登録第二種資金移動業者(関東財務局長第00099号)
法律上の分類資金決済法上の電子決済手段
発行・償還の比率1円あたり1JPYC
トークン規格ERC20規格のファンジブルトークン
発行可能数量制限なし(需要に応じて発行)
利用者資産の保全履行保証金として供託または信託

発行体は日本円への償還義務を負う

JPYCを保有する人は、発行体に対して日本円への払い戻しを求められます。交付書面は「当社は、JPYCを保有する者に対して、利用規約(資金移動業)に基づきJPYCを日本円に償還する義務を負っています」と定めています。

この償還義務が、値上がりや値下がりで価格が決まる暗号資産とのいちばん大きな構造の違いになります。保有していれば、発行体に円へ戻すよう請求できる建て付けです。

利用者の資金は履行保証金で保全される

JPYC株式会社は、発行と引き換えに受け入れた資産を履行保証金として東京法務局に供託するか、信託しています。破綻した場合に利用者へ返還するための制度です。

ただし銀行預金とは別の仕組みである点には注意が必要でしょう。交付書面は、この取引が預金保険法53条に規定する保険金の支払の対象にならないと明記しています。

銀行の為替取引とは別の業務になる

交付書面は冒頭で、誤認を防ぐための説明を置いています。資金移動業者として行う取引は、銀行等が行う為替取引とは異なる業務だという説明です。

そのうえで、預金や貯金、定期積金等を受け入れるものではないとも定めています。銀行口座に近い感覚で残高を置く先として考えると、前提がずれてしまいます。

なおJPYCを保有する人は、資金決済法59条に従って履行保証金の還付手続で還付を受けられる立場にあります。発行体が破綻した場合の受け皿がここです。

履行保証金は1週間ごとに算定して供託する

保全には期限も定められています。第二種資金移動業者として、利用者から受け入れた資金を未達債務として1週間の期間で算定し、そのうちいちばん大きい金額を3営業日以内に供託するか信託する義務を負っています。

この3営業日には、土日と祝日、1月2日と3日、12月29日から31日までが含まれません。残高が積み上がっても保全までの間隔が開かない建て付けになっています。

供託と信託のどちらを使うかは発行体が選びます。いずれの方法でも、要履行保証額として算定される水準を上回る額を保全する点は変わりません。

この仕組みがあるからといって、元本が保証されるわけではない点には注意しましょう。破綻時に還付を受ける手続きが用意されているという意味であり、保険とは別物です。

出典:JPYC『契約締結前交付書面兼説明書(資金移動業)』

JPYCの仕組みと対応チェーン

JPYCはERC20規格のファンジブルトークンとして、ブロックチェーン上に記録されます。記録先は、誰でも参加できるパーミッションレス型のパブリックブロックチェーン4種類です。

Ethereum、Avalanche C-Chain、Polygon、Kaiaの4つが対象になります。どのチェーンで受け取るかは、発行を申し込むときに自分で選びます。

4チェーンのコントラクトアドレスは、いずれも 0xE7C3D8C9a439feDe00D2600032D5dB0Be71C3c29 で共通です。チェーンごとに違うアドレスを覚える必要はありません。

ネットワークChainID発行・償還の1回あたり下限償還時のブロック承認回数
Ethereum13,000円32回
Avalanche C-Chain431143,000円12回
Polygon1373,000円256回
Kaia82173,000円12回

チェーン選びで変わるのは承認回数とガス代

発行と償還の下限額は、4チェーンとも3,000円で同じです。チェーンによって変わるのは、償還のときに移転完了とみなされるまでのブロック承認回数になります。

Polygonは256回、Ethereumは32回、AvalancheとKaiaは12回と定められています。承認回数はチェーンのブロック生成速度と対で見る必要があるため、回数が多いほど遅いとは限りません。

もうひとつの判断材料がガス代でしょう。ブロックチェーンの利用手数料は発行体ではなく、ネットワークに対して支払います。

出典:JPYC『契約締結前交付書面兼説明書(資金移動業)』

JPYCの買い方

JPYCの入手は、公式サービスのJPYC EXを通じた発行という形になります。公式サイトはJPYC EXを「日本円 ↔ ステーブルコインの交換を行うJPYC公式サービス」と位置づけています。

暗号資産取引所で銘柄を買う流れとは違い、日本円を振り込んで新しくJPYCを発行してもらう手続きです。円に戻すときは、その逆の償還を申し込みます。

JPYC EXでの発行の手順

公式サイトが示す流れは、アカウント開設から日本円への換金まで5段階です。アカウントの開設は無料で、所要時間は10分からと示しています。

  1. メールアドレスを登録し、本人確認を行う
  2. 銀行振込で日本円を入金する
  3. 入金した日本円でJPYCを購入する
  4. 受け取ったJPYCを送金する
  5. JPYCを日本円に戻し、銀行口座へ出金する

手続きの前提として、犯罪収益移転防止法にもとづく取引時確認のほか、振込を受けるための銀行口座とJPYCの受取アドレスの登録が必要になります。

発行を申し込むときに入力するのは3つだけです。記録するネットワークの種類、JPYCを受け取るためのアドレス、そして対価として支払う金銭の額を指定してください。

申込後に指定された銀行口座へ振り込むと、事前に登録した受取アドレスへJPYCが移転します。手続きは原則として受付後すぐに行われますが、取引モニタリングなどの対策で翌営業日までかかる場合もあります。

なおマイページの確認も発行・償還も、パスワードとメール認証を組み合わせた二段階認証なしでは実行できません

発行したJPYCの反映を確認する方法

振り込んでからJPYCが届くまでの状況は、2か所で追えます。まずJPYCアカウントにアクセスすれば、自分の資金の状況を確認できます。

受取アドレスへ移転されたあとは、各ブロックチェーンのエクスプローラーでも状況を確認できます。交付書面は4つのチェーンそれぞれについて、参照先を示しています。

ネットワークエクスプローラー
Ethereumhttps://etherscan.io/
Avalanche C-Chainhttps://snowscan.xyz/
Polygonhttps://polygonscan.com/
Kaiahttps://kaiascan.io/

送った相手に届いたかどうかを自分で確かめられるため、問い合わせる前に状況を把握できます。

法人アカウントの開設に必要な書類

法人で使う場合の入口は、個人と手続きが別になります。JPYC株式会社は迅速な審査と開設のため、原則として代表権限を有する者として登記された方による申込みを求めています。

代表取締役などが申し込む場合に必要になるのは、申請者のマイナンバーカードを使った公的個人認証です。

代表権限を持たない取引責任者が申し込む場合は、これに加えて委任状と取締役印鑑登録書類による確認が加わります。郵送での追加確認が入るため、審査に時間がかかる点も示されています。

日本円に戻すときの手順

償還を申し込むときに必要なのは、移転元となる登録アドレスと、償還を希望するJPYCの数量の2つです。指定されたウォレットアドレスへJPYCを移転させると、登録済みの銀行口座へ日本円が振り込まれます。

移転が完了したとみなされるのは、前掲の表にあるブロック承認回数を超えたときになります。振り込みが即座に行われないのは、この承認を待つためでしょう。

発行と償還にかかる手数料

JPYC EXは、アカウントの開設・維持・閉鎖も、JPYCの発行・償還も手数料を無料としています。ただし交付書面は、将来的に償還に係る手数料を徴収する可能性があると付記しています。

利用者の負担になるのは、銀行へ払う振込手数料と、ブロックチェーンのトランザクション手数料です。誤振込などで組戻し以外の方法による返金が必要と発行体が認めた場合は、2,000円がかかります。

項目手数料
JPYCアカウントの開設・維持・閉鎖無料
JPYCの発行無料
JPYCの償還無料(将来的に徴収する可能性あり)
銀行振込の手数料利用者負担
トランザクション手数料(ガス代)利用者負担
組戻し以外の方法による返金2,000円

1回あたりの発行・償還には上限と下限がある

交付書面は「当社が発行する電子決済手段の1回あたりの発行又は償還の上限額はそれぞれ100万円です」と定めています。下限は4チェーンとも3,000円です。

この100万円は1回あたりの金額であって、1日あたりや累計の上限ではありません。まとまった金額を扱うなら、回数を分ける前提で考えることになります。

出典:JPYC『契約締結前交付書面兼説明書(資金移動業)』JPYC EX『JPYC EX』

JPYCが取引所で買えない理由

「JPYCを買いたい」と考えて暗号資産取引所を探しても、目的の銘柄は見つかりません。理由は在庫や人気ではなく、JPYCが暗号資産ではないからです。

JPYCは資金決済法上の電子決済手段で、暗号資産とは法律上の分類が違います。暗号資産交換業者が扱う暗号資産の一覧に、分類の違うJPYCは並びません。

そしてJPYC株式会社が発行と償還の窓口として案内しているのは、暗号資産取引所ではなくJPYC EXです。交付書面も、発行・償還の申込みにはJPYCアカウントの開設が必要だと定めています。

この構造を理解しておくと、「どの取引所が安いか」を比べる必要がないことも分かります。発行の価格は1円あたり1JPYCで、比較する相場が存在しません。

二次流通の価格は発行時と一致しない場合がある

JPYC EXでの発行が1円あたり1JPYCである一方、それ以外の場所で取引されるときの価格は別に決まります。交付書面も、発行体が提供する価格が他の取扱い場所や相対取引と比べて有利である保証はないと定めています。

つまり発行の比率と、二次流通で付く価格は別物として扱う必要があります。日本円へ戻すことを優先するなら、発行体への償還という経路を選ぶのが筋でしょう。

SBI VCトレードで取り扱いがあるかを確認したい場合は、SBI VCトレードでJPYCは購入できるのかで個別に整理しています。

出典:JPYC『契約締結前交付書面兼説明書(資金移動業)』

JPYCと紛らわしい名称の整理

JPYCには名前のよく似た別物がいくつかあります。取り違えると資産を失うため、申し込む前に区別しておきたいところでしょう。

テスト用JPYCは電子決済手段ではない

各テストネットワーク上には、JPYCとほぼ同じプログラムで作られたテスト用JPYCが存在します。開発用に配られるトークンで、電子決済手段には該当しません。

交付書面は、テスト用JPYCについて発行体が価値を認めておらず、決済にも償還にも使えないと定めています。コントラクトアドレスは本物と同じ文字列のため、ChainIDでテストネットかどうかを見分ける必要があります。

JPYC Prepaidとは償還の可否が違う

JPYC株式会社は前払式支払手段の発行者としても登録しており、JPYC Prepaidという別の商品があります。公式サイトは「JPYCは、JPYC Prepaidと違い、日本円への償還(払い戻し)が可能です」と説明しています。

日本円に戻せるかどうかが、両者を分ける基準になります。

JPYSCは発行体の異なる別のステーブルコイン

名称の1文字違いでJPYSCというステーブルコインもあります。発行体も送金上限も別物のため、JPYSCとJPYCの違いで送金上限と使い道を比較しています。

出典:JPYC『契約締結前交付書面兼説明書(資金移動業)』JPYC EX『JPYC EX』

JPYCの使い道

交付書面はJPYCの主な用途を「決済や送金に利用されます」と定めています。加えてスマートコントラクトに組み込みやすく、デジタルアプリケーションでの決済手段として使える点を挙げています。

ここで重要な条件がひとつあります。電子決済手段は代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り、代価の弁済のために使えるという定めです。

つまり相手が受け取ると決めている場所でしか支払いには使えません。「どこでも使える通貨」ではなく、受け入れ側が用意されている範囲で機能する仕組みになります。

ウォレットアプリから発行・償還へ進める

JPYC EXには、対応するウォレットアプリから発行・償還の手続きへ進める連携機能があります。公式サイトが対応サービスの例として挙げているのはHashPort Walletです。

ふだん使っているアプリの案内に沿って進められるため、償還の送信先や数量が自動で入力される利点があります。なお発行・償還の内容確認と認証、申込み手続そのものはJPYC EX上で行われます。

出典:JPYC『契約締結前交付書面兼説明書(資金移動業)』JPYC EX『JPYC EX』

JPYCのメリット

発行と償還の手数料が無料である点が、金額面での利点になります。アカウントの開設・維持・閉鎖にも費用はかかりません。

時間の制約が小さいことも挙げられるでしょう。公式サイトは交換について「24時間365日、スムーズな交換が可能です」と説明しています。

送金は1円から行えて、ウォレット上での保有額と送金額に上限はありません。少額のやり取りでも、まとまった残高の保有でも困りません。

加えてJPYCにもJPYCアカウントにも有効期限がありません。期限切れで価値が消える設計ではないため、使う時期を決めずに保有できます。

発行の下限3,000円と送金1円の違い

ここは取り違えやすいので分けて覚えてください。1円から送金できるのはウォレット間でJPYCを移転させる場面の話です。

一方でJPYC EXを通じて新しく発行する、あるいは日本円へ償還する場面では、1回あたり3,000円の下限がかかります。同じく「上限なし」と「1回100万円」も、保有・送金の軸と発行・償還の軸で別々に定められた条件になります。

出典:JPYC EX『JPYC EX』JPYC『契約締結前交付書面兼説明書(資金移動業)』

JPYCの注意点とリスク

交付書面はリスクを10項目に分けて示しています。そのなかでも利用者の手元の操作に直結するものから確認していきましょう。

秘密鍵を失うと発行体は償還に応じられない

とくに影響が大きいのがここです。交付書面は「秘密鍵等の喪失、流出、盗難、横領その他の事由によりJPYCを自由に移転できない状態に至った場合であっても、当社はJPYCの復旧、回収、取戻、損失補填、償還に応じることはできません」と定めています。

秘密鍵を失えば、発行体でも取り戻せません。銀行口座の暗証番号を忘れた場合の再発行のような救済は、この仕組みには用意されていません。

公式が価格の変動リスクを明記している

1円あたり1JPYCで発行・償還されると聞くと、価格が動かない商品に見えます。ただし同じ交付書面は、電子決済手段の価格が変動するとリスク欄で説明しています。

さらに「価格そのものがゼロとなる可能性があることも重ねてご認識ください」とも書かれています。発行・償還の比率と、市場で付く価格は別の話として扱うのが正確でしょう。

預金保険の対象外で発行体の破綻リスクがある

履行保証金として供託・信託される仕組みはありますが、預金保険の対象にはなりません。発行体や管理者が破綻した場合、裏付けとなる資産が消失したり価値が減ったりする可能性が示されています。

なお準備金の公開について、公式サイトは「定期的に公開する予定」という書き方をしています。すでに定期公開が始まっていると読み違えないようにしてください。

リスクは10種類に整理されている

交付書面のリスク説明は10項目に分かれています。発行体の破綻からブロックチェーン、価格、流動性、システム、法令、個人情報、銀行口座までが対象です。

#リスクの分類要点
1発行者や管理者等の破綻裏付けとなる資産の消失や価値の減少
2サイバー攻撃プログラムの改変や流出による消失
3ブロックチェーンネットワーク記録の改ざん・取消し・分岐、秘密鍵の紛失
4価格変動短期間で急激に変動し、ゼロになる可能性
5流動性売却できない、不利な価格での取引
6手数料の変更将来、各種手数料を変更する可能性
7システム通信回線・システム障害、コードの脆弱性
8法令の変更取引の禁止・制限・課税の強化
9個人情報漏えいによる損失
10銀行口座調査対象となり凍結されるおそれ

このうち見落としやすいのが手数料の変更でしょう。現在は発行も償還も無料ですが、将来にわたって無料が約束されているわけではありません。

ハードフォークが起きたときの対応方針

対応チェーンで大規模なアップデートが実行される見込みになった場合の方針も、あらかじめ定められています。発行体は情報収集に努め、必要な情報を得たらお知らせページなどで提供します。

利用者資産の保全や取引の履行に支障が出るおそれがある場合は、業務の全部または一部を一時停止する措置が取られます。緊急の場合を除き、事前に告知されます。

ただし停止期間中の価格変動で生じた損失について、発行体は責任を負わないと定めています。停止のあいだは動かせないという前提で考えてください。

金融庁が示す電子決済手段の注意点

JPYCの公式サイトには、金融庁のホームページに記載された留意事項も掲載されています。ここも読み飛ばさずに押さえておきたいところです。

まず電子決済手段は、日本円やドルのように国がその価値を保証している法定通貨ではありません。インターネット上でやりとりされる電子データだと説明されています。

そして電子決済手段等取引業者は金融庁・財務局への登録が必要で、利用する際は登録を受けた事業者かどうかを確認するよう求めています。話題性に便乗した詐欺や悪質商法への注意喚起も併記されています。

金融庁や財務局が、これらの電子決済手段の価値を保証したり推奨したりするものではない点も明記されています。登録があることと、価値が保証されていることは別の話です。

ガス代とブロックチェーン側のリスク

JPYCを移転させるときは、発行体ではなくネットワークに対してトランザクション手数料を支払います。取引記録の改ざんや分岐といったブロックチェーン特有の事象も、リスクとして挙げられています。

スマートコントラクトのコードに脆弱性があった場合に資産が流出する可能性も明記されています。こうしたリスクはJPYCに固有のものではなく、パブリックブロックチェーン上のトークン全般に共通する内容です。

出典:JPYC『契約締結前交付書面兼説明書(資金移動業)』JPYC EX『JPYC EX』

JPYCに利息は付くか

JPYCを保有していても利息は増えません。交付書面は「当社は預金若しくは貯金又は銀行法2条4項に規定する定期積金等を受け入れるものではありません」と定めており、預けて増やす商品ではないと分かります。

発行体が負っているのは償還の義務であって、運用による利回りの提供ではありません。日本円を一時的にブロックチェーン上の形へ置き換える仕組みだと考えると整理しやすいでしょう。

貸し出して増やす選択肢を検討する場合

保有資産を増やす方向を検討しているなら、JPYCそのものではなく別の手段を見ることになります。JPYCが対応しているかどうかはJPYCレンディングで金利は付くかで、規約の条文にあたって確認しています。

ステーキングについても同じで、対象になるかどうかはJPYCはステーキングできるかで扱っています。増やす目的で持つ前に、対象銘柄かどうかを確かめてください。

出典:JPYC『契約締結前交付書面兼説明書(資金移動業)』

JPYCの税金の扱い

税務の取り扱いについて、発行体は判断を示していません。交付書面は「当社は、利用者に対し、法務・会計・税務に関する助言を行う立場にはありませんので、利用者ご自身にて、専門家又は官公庁等にお問い合わせください」と明記しています。

前提として押さえておきたいのは、JPYCが暗号資産ではなく電子決済手段だという分類の違いでしょう。暗号資産向けに整理された解説をそのまま当てはめられるとは限りません。

加えて交付書面は、各国の法制度や税制、政策の変更によって課税の強化などが起こりうるリスクも挙げています。申告が必要かどうかを判断する場面では、国税庁の情報か税理士への確認を経てください。

出典:JPYC『契約締結前交付書面兼説明書(資金移動業)』

解約とトラブル時の窓口

使い終わったあとの手続きと、困ったときの連絡先も先に確認しておきましょう。

アカウントを閉鎖すると元に戻せない

JPYCアカウントの解約には2つの方法があります。取引に係る債権債務がない状態にしてから行う手続きと、即時解約です。

閉鎖すると、利用履歴の閲覧も出金も送付もできなくなります。交付書面は退会前の状態に復旧することはできないと明記しており、閉鎖によって利用者が有する権利も原則として消滅します。

苦情と紛争解決の窓口

苦情や相談は、オペレーションチームが受け付けています。受付時間は、土日祝日と年末年始などを除く平日10時から17時30分までです。

社内で解決しない場合に利用できる紛争解決機関も定められています。東京弁護士会紛争解決センター、第一東京弁護士会仲裁センター、第二東京弁護士会仲裁センターの3つが対象です。

相談してから解決に至るまでの流れも、交付書面に書かれています。オペレーションチームが問い合わせフォームで相談を受け付け、緊急度と影響範囲を判断したうえで関連部署と連携して対応策を決めます。

その対応策にそって利用者へ連絡し、それでも解決しない場合は、紛争解決支援機関へ申し出ができる旨と連絡先が通知されます。自分で機関を探す必要はありません。

苦情への対処については社内規程も整備されています。原因を解明して社内態勢や社内規則を見直し、将来の発生を防ぐという方針が示されています。

補償が行われる場合がある

不正取引への補償についても記載があります。発行体に故意や過失がない場合であっても、JPYCアカウントを開設した利用者に対して補償を行う場合があるという定めです。

ただし秘密鍵を自分で失った場合は対象外になります。前述のとおり、その場合は復旧にも償還にも応じられません。

出典:JPYC『契約締結前交付書面兼説明書(資金移動業)』

JPYCの将来性

JPYCの発行可能数量に制限はなく、交付書面は「需要に応じて発行されます」としています。発行量の枠が先に決まっていて希少性が生まれる設計ではありません。

日本円と同じ比率で発行・償還される以上、値上がり益を狙う対象にはなりません。将来性を見るときは、価格ではなく決済や送金での使われ方が広がるかどうかが論点になります。

企業の連携や利用シーンの広がりについては、JPYCの将来性と対応店舗・サービスで個別に追っています。

出典:JPYC『契約締結前交付書面兼説明書(資金移動業)』

JPYCのよくある質問

JPYC株式会社はどんな会社か

JPYC株式会社は2019年11月に設立され、代表取締役は岡部典孝氏です。所在地は東京都千代田区大手町一丁目6番1号 大手町ビル4階のFINOLAB内で、資本金は100,000,000円となっています。

登録は2種類あります。資金移動業者登録(関東財務局 第00099号)と、前払式支払手段(第三者型)発行者登録(関東財務局 第00773号)の2つです。このほか古物商と古物市場主の許可も東京都公安委員会から取得済みです。

所属団体としては、日本暗号資産等取引業協会の第一種会員、日本資金決済業協会の第一種会員のほか、ブロックチェーン推進協会や日本暗号資産ビジネス協会などに加わっています。

JPYCは外貨建てでも扱えるか

外貨での取り扱いはありません。交付書面は「当社は、資金移動業者として、外国通貨で表示された金額では為替取引を行いません」と定めています。

日本円と1対1で結びついた電子決済手段であって、米ドルなどに連動する商品ではないという整理になります。

JPYCは儲かるか

1円あたり1JPYCの割合で発行・償還されるため、保有しているだけで増える設計ではありません。前述のとおり利息も付きません。

その一方で公式は、価格が変動する可能性とゼロになる可能性の両方をリスクとして示しています。値上がりを期待して持つ商品ではないと理解しておくのが安全でしょう。

JPYCと電子マネーは何が違うか

大きな違いは3点あります。JPYCはパブリックブロックチェーン上に記録され、発行体に日本円への償還を請求でき、そしてJPYCにもアカウントにも有効期限がありません。

一方で使える場面は、相手が受け取りに同意している範囲に限られます。汎用の決済手段として万能に使えるわけではない点は、電子マネーと同じく確認が必要になります。

JPYCはどのチェーンを選べばよいか

発行・償還の下限額は4チェーンとも3,000円で差がありません。判断材料になるのは、送り先のウォレットやサービスがどのチェーンに対応しているか、そしてガス代がいくらかかるかの2点でしょう。

JPYCに有効期限はあるか

電子決済手段とJPYCアカウントのどちらにも有効期限はありません。使わないまま置いておいても、期限切れで価値が消える設計ではないということです。

入金したのにJPYCが届かない場合はどうするか

手続きは原則として受付後すぐに行われますが、取引モニタリングなどの対策で翌営業日までかかる場合があります。まずJPYCアカウントで資金の状況を確認してください。

すでに移転されているなら、前掲のエクスプローラーで着金を追えます。それでも解決しないときは、オペレーションチームの窓口に相談する流れになります。

出典:JPYC EX『会社概要』JPYC『契約締結前交付書面兼説明書(資金移動業)』

まとめ

JPYCは、JPYC株式会社が第二種資金移動業者として発行する電子決済手段です。1円あたり1JPYCで発行・償還され、発行体は日本円への償還義務を負っています。

入手は暗号資産取引所ではなくJPYC EXでの発行という形になります。取引所で見つからないのは分類が違うからで、探す場所さえ変えれば手続き自体は複雑ではありません。

金額の条件は、1回あたり発行・償還とも上限100万円・下限3,000円です。手数料は発行も償還も無料ですが、振込手数料とガス代は自分で負担します。

注意点として重いのは、秘密鍵を失うと発行体でも償還に応じられない点と、公式が価格変動のリスクを明記している点でしょう。増やす目的ではなく、日本円を送金や決済に使える形へ置き換える手段として検討してください。

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