IZAKA-YAは怪しい?|金融庁の警告書発出と無登録営業の事実

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IZAKA-YAに預けた資産が出金できないという情報が広がり、2026年9月1日には金融庁が運営会社へ警告書を発出しました。

金融庁が認定したのは、無登録で暗号資産交換業を行っていたという事実であり、詐欺の認定ではありません。ただし利用規約の準拠法は日本ではなくケイマン諸島です。

警告書の原文と出金対応の経緯を整理したうえで、レンディングの提供主体を登録済みの交換業者・国内の専業サービス・海外の無登録業者の3層に分け、違いまで見ていきます。

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3行要約

①2026年9月1日に金融庁がIzakaya Limitedへ警告書を発出
②利用規約の準拠法と管轄はケイマン諸島で日本法の適用外
③国内の候補は登録済み交換業者3社と専業サービス4社の計7社

目次

IZAKA-YAが怪しいと言われる理由

IZAKA-YAをめぐって指摘されている点を、公的資料と公式サイトの記載だけで整理しました。2026年9月1日、金融庁が運営会社のIzakaya Limitedに対して警告書を発出しています。

それぞれの論点について、確認できる事実と根拠となる資料を並べたのが次の表です。

論点確認できる事実根拠
金融庁への登録暗号資産交換業者登録一覧(令和8年9月1日現在・全27社)に社名の記載なし金融庁
無登録営業の認定2026年9月1日に警告書が発出され、無登録の海外所在業者一覧へ掲載金融庁
運営会社の所在地香港。公式の会社概要と警告書で記載が一致IZAKA-YA/金融庁
代表者名公式の会社概要に記載がなく、警告書も「代表者 不明」IZAKA-YA/金融庁
準拠法と管轄ケイマン諸島の実体法と、同諸島の管轄裁判所IZAKA-YA利用規約
提示していた年率8月のキャンペーンで年利100%、実質年利150%、年利500%IZAKA-YA公式のお知らせ
出金の対応8月24日に一部アカウントの送金・出金を一時停止すると公表IZAKA-YA公式のお知らせ

いずれも推測ではなく、金融庁の公表資料とIZAKA-YA自身の公表内容から読み取れる内容です。以下で1つずつ根拠を示していきます。

先に断っておくと、金融庁が認定したのは無登録で暗号資産交換業を行っていたという事実であり、詐欺の認定ではありません。この区別は資産の扱いを考えるうえで重要なので、後段で改めて扱います。

出典:金融庁『無登録で暗号資産交換業を行う者について(Izakaya Limited)』『無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について(警告書の発出を行った無登録の海外所在業者)』IZAKA-YA『利用規約』

金融庁が発出した警告書の内容

警告書の発出日と根拠となった規定

金融庁は2026年9月1日付で「無登録で暗号資産交換業を行う者について(Izakaya Limited)」を公表しました。根拠として挙げられたのは事務ガイドライン第三分冊:金融会社関係16.暗号資産交換業者関係Ⅲ-1-6(2)②です。

文書には「無登録で暗号資産交換業を行う者について、事務ガイドライン(中略)に基づき、本日、警告を行いましたので、下記のとおり公表いたします」とあります。

問い合わせ先として示されたのは、金融庁 資産運用・保険監督局 暗号資産・ステーブルコイン課 暗号資産モニタリング室でした。

出典:金融庁『無登録で暗号資産交換業を行う者について(Izakaya Limited)』

警告書に記載された業者名と所在地

警告書が挙げている項目は4つあります。

  1. 業者名等:Izakaya Limited 代表者 不明
  2. 所在地:Room 1701, 17/F, Wai Fung Plaza, 664 Nathan Road, Mongkok, Kowloon, Hong Kong
  3. 内容等:インターネットを通じて、日本居住者を相手方として、暗号資産交換業を行っていたもの
  4. 備考:インターネット上で暗号資産取引を行っている「IZAKA-YA」を運営している。

この所在地は、IZAKA-YA公式サイトの会社概要に載っている住所と一字一句同じです。同名の別会社と取り違えている可能性は低いでしょう。

ただし警告書には「上記は、インターネット上の情報に基づいて記載しており、『業者名等』『所在地』は、現時点のものでない可能性があります」という注記も添えられていました。

出典:金融庁『無登録で暗号資産交換業を行う者について(Izakaya Limited)』IZAKA-YA『会社概要』

無登録業者一覧への掲載

警告書の発出にあわせて、Izakaya Limitedは金融庁の「無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について」の海外所在業者一覧に加えられました。掲載時期の欄は令和8年9月で、一覧の先頭に並んでいます。

同じ一覧にはKuCoin、Bybit、MEXC、Bitget、Binanceといった海外取引所も並びます。日本居住者を相手に登録なく営業していたという点が共通しているのでしょう。

一覧の留意事項には「掲載されている無登録業者は、警告書の発出を行った時点で資金決済に関する法律第63条の2の規定に違反し、無登録で暗号資産交換業を行っていることが確認できた者です」と書かれています。

出典:金融庁『無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について(警告書の発出を行った無登録の海外所在業者)』

警告書が意味すること、意味しないこと

警告書が示すのは、登録を受けずに暗号資産交換業を行っていたという法令違反の事実です。資金決済に関する法律第六十三条の二は「暗号資産交換業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行ってはならない」と定めています。

一方で、この文書は資産の詐取を認定したものではありません。刑事事件としての立件や、被害の有無について述べたものでもないでしょう。

逆に、一覧に載っていないことが安全の証明になるわけでもありません。留意事項は「掲載されていない者であっても、無登録交換業に該当する行為を行っていることがあり得ますのでご注意ください」と促しています。

出典:金融庁『無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について(警告書の発出を行った無登録の海外所在業者)』e-Gov法令検索『資金決済に関する法律』

IZAKA-YAの運営会社と基本情報

Izakaya Limitedの設立と所在地

公式サイトの会社概要によると、運営会社はIzakaya Limited、設立は2023年4月14日、資本金は10,000,000 USDとされています。

所在地は「Room 1701, 17/F, Wai Fung Plaza, 664 Nathan Road, Mongkok, Kowloon, Hong Kong」で、香港の九龍・旺角にあたります。事業内容は暗号資産ウォレットサービスと説明されました。

会社概要のページに、金融当局のライセンスや登録番号に関する記述は見当たりません。

出典:IZAKA-YA『会社概要』

代表者名が公表されていない点

公式サイトの会社概要には、代表者の氏名が書かれていません。金融庁の警告書にも「代表者 不明」とあります。

公的資料と会社自身の開示のどちらからも責任者を特定できない状態が続いているわけです。国内で法人登記されている事業者であれば、登記事項証明書から代表者を確認できます。

資本金として掲げられた10,000,000 USDについても、これを裏づける監査済みの財務諸表は公開されていません。

出典:IZAKA-YA『会社概要』金融庁『無登録で暗号資産交換業を行う者について(Izakaya Limited)』

サービスの提供地域に関する記載

利用規約には、サービスを提供しない国として「アメリカ合衆国、カナダ、アルゼンチン、イスラエル、イラン・イスラム共和国、北朝鮮など」が挙げられています。

この除外国のリストに日本は入っていません。金融庁が問題にしたのは、日本居住者を相手方として登録なく営業していた点でした。

出典:IZAKA-YA『利用規約』金融庁『無登録で暗号資産交換業を行う者について(Izakaya Limited)』

IZAKA-YAのレンディングの仕組み

提示していた年率とキャンペーン

2026年8月、IZAKA-YAは公式のお知らせで複数の高年率キャンペーンを告知しました。数値そのものが公開されているので、そのまま挙げます。

キャンペーン告知日提示された年率主な条件
IZAKA-YA百五十祭り2026年8月10日年利100%/他社からの乗り換えで実質年利150%対象はUSDT、運用期間は1日・3日・10日・30日から選択、乗り換え特典は本人確認の完了が必要
乗り換えキャッシュバック×初回限定・年利500%キャンペーン2026年8月22日年利500%新規利用者が対象、追加報酬の上限は10,000円相当のUSDT、専用フォームからの申請と本人確認の完了が必要

年利500%は「申込金額 × 500% ÷ 365 × レンディング日数」という日割り計算で、上限は10,000円相当のUSDTと定められています。数字の見た目ほど大きな金額にはなりません。

百五十祭りの告知には「記載の受取額・USDT配布量は概算の目安です。預入金額や適用条件により変動します」という注記も添えられていました。

出典:IZAKA-YA『【8月25-31日延長】IZAKA-YA百五十祭り』『乗り換えキャッシュバック× 初回限定・年利500%キャンペーン』

紹介プログラムの設計

高年率のキャンペーンと並行して、IZAKA-YAは紹介プログラムの報酬も引き上げました。2026年8月15日に告知された内容が次のとおりです。

紹介した人数紹介した側の報酬紹介された側の特典
1〜4名目1名につき40 USDT20 USDT
5名目以降1名につき80 USDT20 USDT

報酬の条件は、紹介された側が本人確認を完了し、200 USDT以上のレンディングに参加することです。紹介リンク経由で登録した人は、年利150%の対象商品にも参加できる設計になっていました。

年率の高さと紹介報酬が同時に上乗せされる構造だったため、SNSでの拡散が起きやすい状態にありました。告知には、虚偽または誤認を招く投稿が確認された場合は特典の対象外になる場合があるという注意書きも付いています。

このキャンペーンページは2026年9月2日に最終更新され、期間は9月21日までとされています。金融庁の警告書が出た9月1日の後も、告知自体は残っている状態です。

出典:IZAKA-YA『アフィリエイト報酬増額、紹介された側ももらえる!!』

独自トークンIZKYの位置づけ

IZAKA-YAはIZKYという独自トークンも発行しています。公式の説明によると、IZKYはイーサリアム上のERC-20トークンです。

このIZKYは暗号資産取引所BitMartに上場していましたが、BitMartは2026年7月26日にプラットフォーム運営の段階的な終了を発表しました。IZAKA-YAは8月7日にこの件を告知しています。

告知では、BitMartでIZKYを保有している場合の期限として、2026年8月26日10時に全取引サービスが終了し、同日14時が出金申請の推奨期限になると案内されました。プラットフォームの運営終了は2027年1月31日とされています。

上場先の取引所が運営を終了するという事情は、独自トークンの流動性に直接影響します。この告知が出た2週間後に、出金の一時停止が公表されました。

出典:IZAKA-YA『【重要】BitMartサービス終了に伴うお知らせ』

利回りの原資に関する説明

これだけの年率をどのような運用で生み出すのか、その原資を裏づける外部検証が可能な開示は、公式サイト上で見当たりません。

監査済みの財務諸表、利用者資産の分別管理の方法、準備資産の証明といった資料も公開されていないでしょう。年率の高さそのものより、その原資を第三者が確かめられないという点が問題になります。

レンディングという仕組み自体の解説は暗号資産レンディングの基礎解説にまとめています。

出典:IZAKA-YA『会社概要』『利用規約』

現在の条件を確認できない理由

ふだんのレンディング条件、つまり対応銘柄数や貸出期間ごとの年率は、公開されているページでは確認できません。ログイン後のアプリ内でのみ表示される作りになっています。

そのため本記事では、現在の年率や銘柄数を断定していません。公式が自ら告知した数値だけを、告知日とあわせて示します。

出典:IZAKA-YA『公式サイト』

出金停止とKYC必須化の経緯

8月24日のお知らせ

IZAKA-YAは2026年8月24日、「送金・出金およびKYC認証に関するお知らせ」を公開しました。

本文には「不正な資金の流入やマネー・ローンダリングの疑いがある取引が一部確認されているため、該当する一部のアカウントにつきましては、安全確認および調査のため、送金・出金を一時的に停止しております」と書かれています。

あわせてすべての利用者を対象とした本人確認の必須化も決まりました。再開時期については「安全性が確認でき次第、順次対応を進めてまいります」とあるだけで、具体的な日付は示されていません。

停止の範囲は一律ではなく、追加確認が必要と判断された一部のアカウントに限定されるという説明でした。通常の利用者への影響については、通常より時間がかかる場合があるという記述にとどまります。

出典:IZAKA-YA『送金・出金およびKYC認証に関するお知らせ』

8月27日のお知らせ

3日後の8月27日には「出金・送金に関する現在の対応状況およびSNS上の情報について」が公開されました。このページの最終更新は2026年9月2日です。

会社側の説明は「すべてのアカウントを対象とした一律の出金・送金停止は行っておりません」というものでした。8月25日には確認が完了した一部の利用者への送金を実施したとも書かれています。

同時に、一部の利用者については安全確認や取引内容の確認のため追加の確認を行っているとも説明しており、対応状況が利用者ごとに分かれている状態が続いています。

出典:IZAKA-YA『出金・送金に関する現在の対応状況およびSNS上の情報について』

SNSの情報とPR協力者への言及

8月27日のお知らせでは、SNS上の情報についても言及がありました。会社側は、発信されている内容の中に自社が把握している事実や現在の対応状況と一致しないものも見受けられるとしています。

そのうえで「個別のアカウントや出金・送金の状況はお客さまごとに異なるため、SNS上の情報のみをもって、ご自身のアカウントの状況をご判断されないよう」呼びかけました。

また、過去にIZAKA-YAのPRに協力したインフルエンサーに対して個人を非難する発信が行われていることにも触れ、PR協力者は今回の対応や運営上の判断に関与していないと説明しています。

出典:IZAKA-YA『出金・送金に関する現在の対応状況およびSNS上の情報について』

警告書発出までの時系列

公表された日付だけを時系列に並べると、次のようになります。

日付公表された内容
2026年7月26日BitMartがプラットフォーム運営の段階的終了を発表(IZKYの上場先)
2026年8月7日BitMartのサービス終了にともなうIZKYの出金手順を告知
2026年8月10日「IZAKA-YA百五十祭り」を告知。USDTで年利100%、乗り換えで実質年利150%
2026年8月15日紹介報酬の増額を告知(1〜4名目は40 USDT、5名目以降は80 USDT)
2026年8月22日年利500%キャンペーンを開始(告知上の期間は9月21日まで)
2026年8月24日一部アカウントの送金・出金を一時停止し、全利用者への本人確認必須化を公表
2026年8月25日確認が完了した一部の利用者への送金を実施したと公表
2026年8月27日一律の停止は行っていないと公表(9月2日に最終更新)
2026年9月1日金融庁が警告書を発出し、無登録の海外所在業者一覧へ掲載

上場先の取引所が運営終了を発表した1か月後に高年率のキャンペーンが集中し、その2週間後に出金の一時停止、さらに1週間後に金融庁の警告という流れです。

出典:IZAKA-YA『送金・出金およびKYC認証に関するお知らせ』『出金・送金に関する現在の対応状況およびSNS上の情報について』金融庁『無登録で暗号資産交換業を行う者について(Izakaya Limited)』

無登録業者と登録業者の違い

登録を受けた事業者に課される義務

暗号資産交換業の登録を受けると、資金決済に関する法律にもとづく義務が発生します。代表的なものが利用者財産の分別管理です。

第六十三条の十一は、利用者の金銭を自己の金銭と分けて管理し、信託会社等に信託するよう定めています。利用者の暗号資産についても、自己の暗号資産と分別して管理する義務があります。

さらに第六十三条の十一の二では、インターネットに接続した状態で管理する暗号資産と同じ種類・数量の暗号資産を履行保証暗号資産として自ら保有し、分別管理することが求められました。

出典:e-Gov法令検索『資金決済に関する法律』

登録の有無で何が変わるか

これらの義務は、登録を受けていない事業者には及びません。違いを並べると次のとおりです。

項目登録を受けた暗号資産交換業者無登録の海外事業者
利用者の金銭の管理自己の金銭と分別し、信託会社等へ信託する義務あり法律上の義務なし
利用者の暗号資産の管理自己の暗号資産と分別して管理する義務あり法律上の義務なし
履行保証暗号資産同種・同量を自己保有し分別管理する義務あり法律上の義務なし
行政の監督金融庁・財務局の監督と行政処分の対象警告書の発出にとどまる
登録の確認暗号資産交換業者登録一覧で照合できる照合できない

金融庁も登録一覧の注意点で「暗号資産交換業者は金融庁・財務局への登録が必要です。利用する際は登録を受けた事業者か金融庁・財務局のホームページで確認してください」と呼びかけています。

出典:e-Gov法令検索『資金決済に関する法律』金融庁『暗号資産交換業者登録一覧』

レンディング自体は登録の対象外

ここで誤解しやすい点を先に整理しておきます。暗号資産の貸借そのものは、暗号資産交換業の登録対象として整理されていません。

実際、令和8年9月1日現在の登録一覧に載っているのは27社で、その内訳は関東財務局が25社、近畿財務局が2社です。並んでいるのは取引所を中心とした交換業者で、レンディングを専業とする事業者はこの一覧に含まれません。

ややこしいのは、登録一覧に載っている交換業者もレンディングを提供している点です。この場合も、貸し出した分については交換業の枠の外に出ます。後段で3つの層に分けて整理します。

したがって「登録されているから問題ない」という選び方は成り立ちません。IZAKA-YAで問題になったのは、レンディングを提供していたことではなく、日本居住者を相手方として登録なく暗号資産交換業を行っていたという点にあります。

出典:金融庁『暗号資産交換業者登録一覧』

利用規約から読み取れるリスク

準拠法と管轄がケイマン諸島

IZAKA-YAの利用規約は「本規約は、ケイマン諸島の実体法のみに準拠します」と定めています。紛争についても「ケイマン諸島の管轄裁判所に付託されるものとします」と書かれています。

日本の法律も日本の裁判所も、この規約のもとでは前提になっていません。トラブルが起きたときに国内で法的手続きを取る道筋が用意されていない形です。

運営会社の登記は香港、規約の準拠法はケイマン諸島と、拠点と法域が分かれている点も押さえておきましょう。

出典:IZAKA-YA『利用規約』

保証しないという条項

規約には「当ウェブサイトは『現状有姿』で提供されており、Izakayaは当ウェブサイトまたは当ウェブサイトに含まれる資料に関して、いかなる種類の明示または黙示の表明または保証も行いません」という条項があります。

現状有姿とは、そのままの状態で提供するという意味です。表示された内容の正確性についても保証しないという立て付けになります。

出典:IZAKA-YA『利用規約』

免責条項の範囲

免責条項は、契約か不法行為かを問わず、Izakayaおよびその役員・取締役・従業員が、利用者によるウェブサイトの使用に起因する責任を負わないと定めています。

また、レンディングの途中解約や返還について定めた条項、サービスの停止・終了について定めた条項は、公開されている規約の中に見当たりません。

元本の保証に関する記載もないため、預けた資産の返還は契約上の明文で担保されていないと読むのが自然でしょう。

出典:IZAKA-YA『利用規約』

資産を預けている場合の対応

金融庁が示している注意点

金融庁は暗号資産交換業者登録一覧の中で、利用者向けの注意点を挙げています。そのまま引くと、次のような内容です。

  1. 暗号資産は法定通貨ではなく、インターネット上でやりとりされる電子データである
  2. 価格が急落し、損をする可能性がある
  3. 暗号資産交換業者は金融庁・財務局への登録が必要で、利用する際は登録を受けた事業者か確認する
  4. 事業者が行政処分を受けているかを含め、取引内容やリスクについて説明を受け、十分に理解する
  5. 暗号資産の話題性を利用した詐欺や悪質商法に注意する

行政処分や警告の有無を自分で確認するという部分が、今回の件では実際に機能する手順にあたります。

出典:金融庁『暗号資産交換業者登録一覧』

記録として残しておく情報

出金の対応が個別に分かれている状況では、自分の取引を後から示せる状態にしておくことが大切です。具体的には次の情報が該当します。

  1. 入金日時、数量、送金元と送金先のアドレス、トランザクションID
  2. レンディングの申込内容(銘柄・数量・期間・提示されていた年率)
  3. 出金申請の日時と、画面に表示されたステータス
  4. サポートとのやり取りの全文
  5. キャンペーン告知ページの内容(更新される場合があるため、表示された時点の記録)

公式のお知らせは更新されることがあります。実際に8月27日のお知らせと8月15日の紹介プログラムの告知は、どちらも9月2日に最終更新されました。記録を残す意味はここにあります。

出典:IZAKA-YA『出金・送金に関する現在の対応状況およびSNS上の情報について』『アフィリエイト報酬増額、紹介された側ももらえる!!』

相談先

金融庁の警告書には、問い合わせ先として金融庁 資産運用・保険監督局 暗号資産・ステーブルコイン課 暗号資産モニタリング室が示されました。

金融庁には金融サービス利用者相談室も置かれており、金融行政や金融サービスに関する相談を受け付けています。

暗号資産をかたる詐欺の手口については仮想通貨のスキャム事例の解説でも扱っています。

出典:金融庁『無登録で暗号資産交換業を行う者について(Izakaya Limited)』『利用者の方々からの相談・情報提供』

レンディング提供者の3つの層

レンディングを提供している事業者は、外から確認できる情報の量で3つの層に分かれます。どの層にいるかで、申し込む前に裏を取れる範囲が変わります。

IZAKA-YAが属していたのは、このうち情報がいちばん少ない層でした。まず3層の定義を並べます。

代表例金融庁の登録一覧運営法人の確認方法貸した資産の分別管理
第1層 登録済みの暗号資産交換業者SBI VCトレード、GMOコイン、コインチェック暗号資産交換業者登録一覧に掲載登録一覧に商号・法人番号・本店所在地が載る対象外
第2層 国内で運営されている専業サービスPBR LENDING、ビットレンディング、SCL、Lendee交換業の登録対象ではないため掲載なし国税庁の法人番号公表サイトで登記を照合できる対象外
第3層 海外所在の無登録事業者IZAKA-YA無登録の海外所在業者一覧に掲載代表者名の公表がなく、国内の登記もない対象外

分別管理の欄が3層とも「対象外」で並んでいる点に注意してください。貸し出した暗号資産が分別管理の外に出るのは、どの層でも同じです。

この点は後段で、各社の約款の条文を引きながら確認します。

IZAKA-YAは登録一覧に社名がなく、無登録業者一覧には掲載され、香港法人のため国内の登記もありません。3層のうち、確認できる材料がいちばん少ない位置にあります。

出典:金融庁『暗号資産交換業者登録一覧』国税庁『法人番号公表サイト』

準拠法と管轄の違い

層の差がいちばんはっきり出るのが、利用規約の準拠法です。コインチェックの「暗号資産」消費貸借契約約款は第22条で準拠法を日本法と定めています。

紛争についても、訴額に応じて東京簡易裁判所または東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする条項が置かれました。

一方でIZAKA-YAの利用規約は、ケイマン諸島の実体法に準拠し、紛争はケイマン諸島の管轄裁判所に付託されると定めています。

同じ「暗号資産を貸す」契約でも、争いになったときに立つ裁判所が日本国内か国外かで取れる手段は変わります。年率より先に見るべきはここでしょう。

出典:コインチェック『「暗号資産」消費貸借契約約款』IZAKA-YA『利用規約』

「国内なら安全」と書けない理由

層を分けたからといって、第1層や第2層が安全だという話にはなりません。レンディングは預けた暗号資産を事業者に貸す消費貸借契約です。

元本の返還を保証する仕組みは、どの層にもありません。事業者が破綻すれば、貸し付けた暗号資産が返還されない可能性が残ります。

コインチェックは、貸暗号資産サービスの契約が無担保の消費貸借契約であり、同社が破綻した際には貸付けた暗号資産が返還されないリスクを負うと明示しています。

この記事で比べているのは、安全かどうかではありません。確認できるかどうかです。

比べられるのは、運営法人の所在地と登記、利用規約の準拠法と管轄、途中解約と返還を定めた条項の有無、金融庁の一覧への掲載という4点に限られます。

出典:コインチェック『貸暗号資産サービス』

登録済み交換業者のレンディング

第1層は、金融庁の暗号資産交換業者登録一覧に載っている事業者が、自社の口座内でレンディングを提供している形です。登録番号で運営主体を照合できる点が、他の2層との違いになります。

登録一覧に載っている事業者のうち、レンディングの条件を公開している3社を並べました。年率・貸出期間・途中解約の扱いは、3社でかなり違います。

サービス(運営会社)登録番号年率の上限対象銘柄貸出期間募集方式途中解約公式サイト
貸コイン(SBI VCトレード株式会社)関東財務局長 第00011号税込年率10%(2026年4月30日募集分のUSDC・84日間)32銘柄回号ごと(7日間・28日間・84日間・168日間の実例あり)回号ごとの申込制不可(約款第20条)https://www.sbivc.co.jp/services/lending
貸暗号資産ベーシック(GMOコイン株式会社)関東財務局長 第00006号年率0.05%〜年率10%22銘柄1か月から(貸出開始日は毎月15日)コースごとの募集制可能(受取予定の貸借料の10%が手数料)https://coin.z.com/jp/corp/product/info/lending/
貸暗号資産サービス(コインチェック株式会社)関東財務局長 第00014号年率5.0%公式に記載なし(取引所・販売所の取扱いと同じ)14日間・30日間・90日間・180日間・365日間24時間365日の受付と同社の承認原則不可(約款第9条)https://coincheck.com/ja/lending

年率の上限だけを見ればSBI VCトレードとGMOコインが並びます。ただしその数字は特定の募集回や特定の銘柄に付いた値で、いつでもその年率で貸せるわけではありません。

出典:金融庁『暗号資産交換業者登録一覧』

SBI VCトレードの貸コイン

SBI VCトレードは「貸コイン」という名称でレンディングを提供しています。取扱いは32銘柄で、BTC・ETH・XRPのほかUSDCやJPYSCといった電子決済手段も対象です。

年率は回号ごとに決まります。公式が例に挙げているのは、貸出期間84日間・100USDCから5,000USDCまでという条件で税込年率10%のコースが設定された2026年4月30日募集分でした。

募集は回号制です。約款第5条は、回号ごとに銘柄・申込数量の上限・契約期間・利用料率・受付時間を定めると規定しています。

2026年9月10日に募集が始まった回では、7日間・28日間・84日間・168日間のコースが並びました。回号ごとに期間の組み合わせが変わるため、申し込む前に募集中のコースを確認してください。

途中解約はできません。約款第20条は成立した契約を利用者の側から解約できないと定めており、口座を閉鎖した場合にのみ解約されると規定しています。

出典:SBI VCトレード『貸コイン(レンディング)』『暗号資産等貸借取引約款(VCTRADEサービス)』

GMOコインの貸暗号資産ベーシック

GMOコインの「貸暗号資産ベーシック」は、年率0.05%から年率10%の範囲で貸借料を受け取る設計です。対象はBTCからZPGPTまでの22銘柄になります。

貸出開始日は毎月15日で、土日祝にあたる場合は翌平日にずれます。受付自体は24時間365日で、コースごとに募集の有無が変わる仕組みです。

3社のなかで途中解約ができるのはGMOコインだけです。中途解約手数料は償還時に受取予定の貸借料の10%で、解約した場合は貸借料そのものが支払われません。

貸出の下限はBTCで0.1 BTC、ETHで0.05 ETHです。公式が「日本円で10万円程度から」と説明しているのは人気のアルトコインについてで、BTCとETHの下限額はこれにあてはまりません。

別サービスの「貸暗号資産プレミアム」は、円転特約という店頭デリバティブ取引が付いた商品です。特約権料率は年率15%から、貸出期間は1週間から2か月です。

ただし中途解約は原則できず、日本円の必要証拠金も預け入れます。判定日のレートによっては、貸した暗号資産が返らず日本円で戻る点も押さえておきましょう。

出典:GMOコイン『貸暗号資産ベーシック』『貸暗号資産プレミアム』

コインチェックの貸暗号資産サービス

コインチェックの貸暗号資産サービスは、年率の上限が5.0%で、3社のなかでは低めの設定です。

そのかわり期間の選択肢は広く、公式のシミュレーターは14日間・30日間・90日間・180日間・365日間の5種類を用意しています。

申込は365日24時間受け付けますが、成立には同社の承認が必要です。承認された時点で個別契約が成立し、貸し出しが始まります。

銘柄ごとの借入総額の上限を、同社は公開していません。上限に満たない銘柄だけを随時案内する運用です。

途中解約は原則できません。約款第9条は、利用者の死亡や破産手続開始の決定といったやむを得ない事由が発生し、かつ同社が認めた場合を除いて解約できないと定めています。

貸し出せる数量の下限について、取引説明書は「当社が別途指定する」とするだけで、具体的な数字を公開していません。

サービスの全体像はコインチェックの貸暗号資産サービスの解説記事で扱っています。

出典:コインチェック『貸暗号資産サービス』『「暗号資産」消費貸借契約約款』

第1層でも貸した資産は分別管理の対象外

ここが第1層の限界です。登録を受けた交換業者であっても、利用者が貸し出した暗号資産は分別管理義務の対象から外れます。3社とも自ら明示しています。

コインチェックは、貸暗号資産サービスが資金決済法に基づく暗号資産交換業ではないため、借り入れた暗号資産は分別管理の対象にならないと説明しました。

同社の約款第18条は、貸借物を分別管理義務の対象から外し、優先弁済の対象たる財産からも除外すると定めています。

GMOコインも同じ趣旨の注記を貸出ルールに置いており、SBI VCトレードの約款第16条は、貸し出した暗号資産等が分別管理義務の対象ではないことへの同意を利用者に求めています。

つまり第1層を選んでも、貸している間の資産は交換業の保護の枠外にあります。第1層の利点は資産の保護ではなく、運営主体を登録番号で特定できることに尽きるでしょう。

出典:コインチェック『「暗号資産」消費貸借契約約款』GMOコイン『貸暗号資産ベーシック』SBI VCトレード『暗号資産等貸借取引約款(VCTRADEサービス)』

国内の専業レンディングサービス

第2層は、暗号資産交換業の登録を受けずにレンディングだけを提供している国内の事業者です。

レンディングは交換業の登録対象ではないため、登録一覧に載らないこと自体は違反ではありません。そのかわり運営法人の登記が、確認できる手がかりになります。

国税庁の法人番号公表サイトでは、商号・本店所在地・法人番号の指定年月日を誰でも照合できます。主なサービスを、公式サイトの記載と法人番号から並べました。

年率の上限は到達条件とセットで見てください。同じ12%でも、初日から適用されるものと、1年近く預けてようやく届くものがあります。

サービス運営会社法人番号年率の上限(到達条件)対象銘柄数ロック期間途中解約公式サイト
PBR LENDINGPortobello Road株式会社4011001157023年利12%(プレミアム。レギュラーは年利10%)6銘柄レギュラー1か月/プレミアム1年原則不可https://portobelloroad.co.jp/
ビットレンディング株式会社J-CAM9010601057405年利10%(USDTとUSDC。BTC・ETHは年利8%)6銘柄30日間30日経過後に返還請求(途中解約手数料なし)https://bitlending.jp/
SCL(スマートクリプトレンディング)ミライジング株式会社9010001246871年利20%(12か月固定かつ大口運用の場合)6銘柄1か月〜12か月の4プラン原則不可https://scllending.com/
LendeeLendee株式会社8010401194812年利12%(361日以降に到達する段階値。30日までは年利5%)5銘柄なし解約手数料は無料(ネットワーク料は自己負担)https://www.lendee.co.jp/

4社とも国税庁の法人番号公表サイトで登記を確認できます。以下、各社の条件を公式サイトの記載から個別に見ていきます。

出典:国税庁『法人番号公表サイト』金融庁『暗号資産交換業者登録一覧』

PBR LENDING

Portobello Road株式会社が運営するサービスで、レギュラーが年利10%、プレミアムが年利12%という2区分です。対応銘柄はBTC・ETH・XRP・ADA・USDT・USDCの6種類になります。

プレミアムは1年のロックがかかる代わりに、初日から年利12%が固定で適用されます。レギュラーは1か月で、どちらも途中解約は原則できません。

運営会社の資本金は500万円、法人番号の指定は2023年9月19日です。詳細はPBR LENDINGの解説記事にまとめました。

出典:PBR LENDING『公式サイト』Portobello Road『会社概要』国税庁『法人番号公表サイト』

ビットレンディング

株式会社J-CAMが運営するサービスです。同社の設立は2020年5月、資本金は5,000万円で、4社のなかでは登記がいちばん古く、法人番号の指定は2020年6月1日になります。

貸借料率は月次で更新されます。公式サイトが掲示している現在の料率は、BTCとETHが年利8%、XRPとSOLが年利7%、USDTとUSDCが年利10%です。

貸出期間は30日間からです。30日を過ぎると返還請求が有効になり、月末返還と即時返還のどちらかを選べます。どちらも申請から7営業日以内に返還されます。

途中解約手数料はかかりません。返還時のネットワーク手数料も年4回までは無料で、5回目以降は返還する数量から差し引く扱いです。

貸出の下限はBTCが0.0022 BTC、ETHが0.07 ETH、USDTとUSDCが200です。XRPは75、SOLは1.3が新規と追加1件あたりの下限になっています。

料率の推移や申込の流れはビットレンディングの解説記事にまとめました。

出典:ビットレンディング『公式サイト』『運営会社』国税庁『法人番号公表サイト』

SCL(スマートクリプトレンディング)

ミライジング株式会社が運営するサービスです。同社の設立は2024年7月26日、資本金は5,000,000円で、国税庁の法人番号指定日も同じ2024年7月26日になります。

プランはスタンダード・アドバンス・エグゼクティブの3種類で、貸出期間は1か月から12か月まで4つから選びます。年利20%は公式が「12ヶ月固定」と「大口運用」の組み合わせで実現した水準として案内しているものです。

取扱銘柄はBTC・ETH・ADA・TRON・USDC・USDTの6種類で、銘柄別の年率はBTC・ETH・ADA・TRONが7〜12%、USDC・USDTが10〜15%です。レンディング中の途中解約は原則できません。

プラン構成はSCLレンディングの解説記事で扱っています。

出典:SCL『スマートクリプトレンディング』『会社情報』国税庁『法人番号公表サイト』

Lendee

Lendee株式会社が運営するサービスで、代表取締役社長は兼元謙任氏です。法人番号の指定は2025年12月1日と、4社のなかでは登記がいちばん新しくなります。

資産のロック期間がなく、解約手数料もかからない点が他の3社と違います。ただし返還時は、ブロックチェーンのネットワーク料を自己負担してください。

年率は期間に応じた段階式です。30日までが年利5%、31〜90日が年利7%、91〜180日が年利8%、181〜360日が年利10%、361日以降で年利12%に届きます。

初日から12%が付くわけではない点に注意してください。条件はLENDEEの解説記事で確認できます。

出典:Lendee『公式サイト』『Company』国税庁『法人番号公表サイト』

レンディング共通のリスク

国内で運営されているかどうかは元本を保証するものではありません。レンディングは預けた暗号資産を貸し出す取引で、価格変動と事業者の信用リスクを負います。

4社とも登録を受けた暗号資産交換業者ではないため、前述の分別管理や履行保証暗号資産の義務は及びません。第1層の3社でも、貸し出した分は同じ扱いになります。

つまりこの点は層の違いで変わりません。差が出るのは、運営法人を国内で特定できるかどうかと、返還を請求する相手が国内にいるかどうかです。

出典:e-Gov法令検索『資金決済に関する法律』

事業者を確認する手順

新しいサービスを検討するとき、申し込む前に済ませられる確認があります。

  1. 金融庁の「無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について」に運営会社名が載っていないか照合する
  2. 金融庁の暗号資産交換業者登録一覧に運営会社名が載っているか確認する(第1層かどうかの判定)
  3. 国税庁の法人番号公表サイトで運営会社名を検索し、日本国内での登記と法人番号を確認する
  4. 利用規約を開き、準拠法と管轄裁判所がどこになっているか確認する
  5. 途中解約と返還について定めた条項があるか確認する
  6. 提示されている年率について、上限額や適用条件の注記があるか確認する

今回のIZAKA-YAは、1から4のすべてで確認が取れないか、日本国外が指定されている状態でした。公式サイトと金融庁のページを開いて5分で分かる範囲でも、判断材料はそろいます。

各サービスの年率やロック期間を横並びで見たい場合は仮想通貨レンディングの金利一覧と比較にまとめています。

出典:国税庁『法人番号公表サイト』金融庁『無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について(警告書の発出を行った無登録の海外所在業者)』

IZAKA-YAに関するよくある質問

IZAKA-YAは詐欺?

詐欺と認定した公的な文書は確認できません。金融庁が2026年9月1日に発出した警告書は、無登録で暗号資産交換業を行っていたという資金決済法上の違反を指摘したものです。

刑事事件としての立件や被害の認定について述べた文書ではありません。ただし、無登録営業を行っていた事実が公的に確認された点は変わらないでしょう。

出典:金融庁『無登録で暗号資産交換業を行う者について(Izakaya Limited)』

金融庁に登録していないと違法?

資金決済に関する法律第六十三条の二は「暗号資産交換業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行ってはならない」と定めています。登録なく暗号資産交換業を行えば同条の違反にあたります。

一方で、暗号資産の貸借そのものは交換業の登録対象として整理されていません。国内のレンディング事業者が登録一覧に載っていないのは、この整理によるものです。

出典:e-Gov法令検索『資金決済に関する法律』

警告書が出るとサービスは使えなくなる?

警告書は行政指導にあたるもので、サービスの停止を命じる処分ではありません。警告書が出た時点で自動的に利用できなくなるわけではないという理解になります。

金融庁の一覧にも、掲載されている無登録業者について現在の無登録営業の状況を示すものではないという注記があります。

出典:金融庁『無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について(警告書の発出を行った無登録の海外所在業者)』

預けた資産は返ってくる?

返還を保証する仕組みは確認できません。IZAKA-YAの利用規約に元本や返還を保証する条項はなく、免責条項では使用に起因する責任を負わないと定めています。

登録を受けた暗号資産交換業者に課される分別管理や履行保証暗号資産の義務も、無登録の事業者には及びません。取引の記録を残したうえで、公式の案内を確認していくことになります。

出典:IZAKA-YA『利用規約』e-Gov法令検索『資金決済に関する法律』

年利500%は通常の利回り?

ふだんの利回りではありません。年利500%は2026年8月22日に告知された新規利用者向けのキャンペーンで、「申込金額 × 500% ÷ 365 × レンディング日数」という日割り計算です。

追加報酬の上限は10,000円相当のUSDTと定められており、表示された数字がそのまま年間の受取額になるわけではありません。

出典:IZAKA-YA『乗り換えキャッシュバック× 初回限定・年利500%キャンペーン』

本人確認は必要?

2026年8月24日の公表により、すべての利用者を対象に本人確認が必須となりました。それ以前は本人確認なしで登録できる仕様として紹介されていた時期があります。

キャンペーンの特典を受け取る条件にも、本人確認の完了が含まれています。

出典:IZAKA-YA『送金・出金およびKYC認証に関するお知らせ』

紹介報酬はどうなる?

紹介プログラムの告知ページは2026年9月2日に最終更新され、期間は9月21日までとされています。金融庁の警告書が出た後も、告知そのものは残っている状態です。

ただし報酬の受け取りには、紹介された側の本人確認の完了と200 USDT以上のレンディング参加が条件になります。出金の対応が個別に分かれている現状では、条件の充足そのものが確認しづらい状況でしょう。

出典:IZAKA-YA『アフィリエイト報酬増額、紹介された側ももらえる!!』

独自トークンのIZKYはどうなる?

IZKYはイーサリアム上のERC-20トークンで、上場先だったBitMartが2026年7月26日に運営の段階的終了を発表しました。IZAKA-YAは8月7日に出金手順を案内しています。

案内された期限は、2026年8月26日10時に全取引サービスが終了し、同日14時が出金申請の推奨期限というものでした。プラットフォームの運営終了は2027年1月31日とされています。

出典:IZAKA-YA『【重要】BitMartサービス終了に伴うお知らせ』

登録済みの取引所でもレンディングはできる?

できます。SBI VCトレードの貸コイン、GMOコインの貸暗号資産ベーシック、コインチェックの貸暗号資産サービスが該当します。

3社はいずれも金融庁の暗号資産交換業者登録一覧に載っており、登録番号は関東財務局長の第00011号・第00006号・第00014号です。

ただし貸し出した暗号資産は、登録業者であっても分別管理の対象から外れます。登録の有無で変わるのは運営主体の特定しやすさで、貸した資産の保護ではありません。

出典:金融庁『暗号資産交換業者登録一覧』

国内のレンディングなら元本は守られる?

守られる仕組みはありません。レンディングは無担保の消費貸借契約で、事業者が破綻した場合に貸し付けた暗号資産が返還されない可能性は、国内外を問わず残ります。

確認できるのは、運営法人の登記、利用規約の準拠法と管轄、途中解約と返還を定めた条項の有無、金融庁の一覧への掲載という4点です。年率の高さは判断材料になりません。

出典:コインチェック『貸暗号資産サービス』

まとめ

IZAKA-YAについて公的資料から確認できるのは、2026年9月1日に金融庁が運営会社のIzakaya Limitedへ警告書を発出し、無登録の海外所在業者一覧へ掲載したという事実です。

認定された内容は、日本居住者を相手方として登録なく暗号資産交換業を行っていたという点にあります。詐欺の認定ではないため、事実と評価は分けて扱う必要があるでしょう。

公式サイトの側からも、代表者名が公表されていないこと、利用規約の準拠法と管轄がケイマン諸島であること、元本や返還を保証する条項がないことが読み取れます。8月24日には一部アカウントの送金・出金の一時停止も公表されました。

ここから先、どこに預けるかを考えるなら、判断の順番は年率ではありません。提供している事業者がどの層にいるかを先に決めてください。

運営主体を登録番号で特定できるのは第1層です。SBI VCトレードの貸コイン、GMOコインの貸暗号資産ベーシック、コインチェックの貸暗号資産サービスの3つが該当します。

年率を優先するなら第2層の専業サービスが候補になります。PBR LENDING・ビットレンディング・SCL・Lendeeの4社は、運営法人を国税庁の法人番号公表サイトで照合でき、返還を請求する相手も国内にいます。

どちらを選ぶ場合も、確認する順番は同じです。金融庁の無登録業者一覧との照合、運営法人の登記、利用規約の準拠法と管轄、途中解約と返還の条項という4点を先に見てから、年率を比べてください。

第3層のIZAKA-YAは、その4点すべてで確認が取れないか、日本国外が指定されている状態でした。年率の数字は、この4点を通過してから見るものです。

各サービスの年率やロック期間を数字で比べたい場合は、仮想通貨レンディングの金利一覧と比較に一覧でまとめています。

出典:金融庁『無登録で暗号資産交換業を行う者について(Izakaya Limited)』国税庁『法人番号公表サイト』IZAKA-YA『利用規約』

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