暗号資産の相続はどうする?|相続税の評価と取引所別の手続き

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家族が暗号資産を持っていたと分かったとき、まず問題になるのは相続税がかかるのか、どこに連絡すれば手続きできるのかという2点です。

暗号資産は相続税の課税対象で、評価は相続開始日の取引価格で決まります。取引所の口座は、ログイン情報が分からなくても相続人からの連絡で手続きを始められます。

国税庁FAQに沿った評価方法、相続後に売るときの所得税、取引所5社の相続窓口と必要書類、パスワードや秘密鍵が分からないときの探し方までまとめました。

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3行要約

①暗号資産は相続税の課税対象、評価は相続開始日の取引価格
②相続後に売るときの取得価額は被相続人が死亡時に評価した金額
③取引所の相続手続きは相続人の問い合わせフォーム連絡から開始

暗号資産の相続で相続税がかかる仕組み

暗号資産は、ビットコインを含めて相続税の課税対象です。活発な市場がある暗号資産は、相続開始日に交換業者が公表する取引価格で評価し、その金額を他の遺産と合算して相続税を計算します。

根拠は国税庁のFAQ「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて」の4-1と4-2です。法令上の呼称は、令和2年5月1日施行の資金決済法の改正で「仮想通貨」から「暗号資産」に変わりました。

出典:金融庁『暗号資産・電子決済手段関係』

暗号資産が相続財産になる根拠

相続税法は、金銭に見積もることができる経済的価値のある財産を相続や遺贈で取得した場合を課税対象にしています。国税庁はFAQ 4-1で、暗号資産もこれに当たると示しました。

理由は、資金決済法が暗号資産を「代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値」と定めているためです。被相続人から暗号資産を相続すると、相続税が課税されます。

出典:国税庁『暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)』

ビットコインの相続税評価は相続開始日の取引価格

FAQ 4-2は、活発な市場がある暗号資産を相続人が取引している暗号資産交換業者が公表する、課税時期の取引価格で評価するとしています。課税時期は相続で財産を取得した日を指し、相続では被相続人が亡くなった日の価格を使います。

場面ごとに使う価格は、本文と注1〜注5で次のように決まっています。

場面評価に使う価格FAQ 4-2の該当箇所
活発な市場がある相続人が取引している交換業者が公表する課税時期の取引価格本文・注1(取引所や販売所で十分な数量と頻度の取引があり、価格情報が継続的に提供されている場合)
交換業者の残高証明書がある残高証明書に記載された取引価格も使える注2
販売所で購入価格と売却価格が別々に公表されている売却価格で評価して差し支えない注3
複数の交換業者で取引している相続人が選んだ交換業者の取引価格で評価して差し支えない注4
活発な市場がない内容や性質、取引実態を勘案して個別に評価(売買実例価額、精通者意見価格などを参酌)本文・注5

販売所の価格を使う場合は注3がかかわります。購入価格と売却価格が別々に公表されていれば、売却価格で評価して差し支えありません。

出典:国税庁『暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)』、『財産評価基本通達 第1章 総則』

相続税の申告要否を決める基礎控除

相続税の申告が必要になるのは、取得した財産の課税価格の合計額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合です。法定相続人が3人なら、基礎控除額は4,800万円です。

判定は暗号資産だけでなく、預貯金や不動産、株式などを合わせた遺産全体で行います。小規模宅地等の特例などを適用しない金額で比べ、範囲内であれば申告も納税も必要ありません。

出典:国税庁『No.4152 相続税の計算』、『No.4205 相続税の申告と納税』

レンディング・ステーキング中の暗号資産

貸し出し中やロック中の暗号資産も、被相続人が持っていた財産として洗い出しの対象に入れます。FAQの相続税・贈与税関係は4-1と4-2の2問だけで、貸し出し中の暗号資産を個別に扱った問はありません。

貸出先やステーキング先の事業者にも相続の連絡を入れ、相続開始日時点の残高を確認します。返還やロック解除までに日数がかかる場合もあるため、連絡は早めに入れてください。

PBR LENDINGは、1,000万円以上の貸出を検討する利用者向けに専任スタッフのサポートを用意しており、対象に相続と税務を含めています。公式サイトの表現は次のとおりです。

「1,000万円以上の貸出をご検討の方は、専任スタッフがサポート。ご利用方法・相続・税務まで、ご要件にあわせてスムーズにお応えします。」

PBR LENDINGは保有する暗号資産を貸し出して利息を受け取る暗号資産レンディングサービスで、銀行預金・元本保証型商品ではありません。

暗号資産には価格変動リスクがあり、利息分だけ保有数量が増えても日本円換算の価値が下がる可能性があります。元本保証はありません。

利率・対象通貨・特典内容は変更される場合があるため、参加前に公式サイトで最新情報をご確認ください。

出典:国税庁『暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)』、Portobello Road『PBR LENDING』

暗号資産の相続税の申告と納付

申告と納付の期限は10か月以内

相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行います。通常は死亡日の翌日が起点で、1月6日に亡くなった場合はその年の11月6日が期限です。

納税も同じ期限までに済ませます。期限が土日祝日に当たるときは翌日が期限とみなされ、提出先は被相続人の住所地を所轄する税務署です。

期限までに申告しなかったり、実際より少ない額で申告したりすると、本来の税金に加えて加算税や延滞税がかかる場合があります。

出典:国税庁『No.4205 相続税の申告と納税』

被相続人の暗号資産の利益は準確定申告

被相続人が亡くなった年に暗号資産を売って利益を出していた場合、その所得税は相続人が申告します。1月1日から死亡日までの所得を、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内に申告・納税する手続きで、準確定申告と呼びます。

相続人が2人以上いるときは連署で出すのが原則です。各人が別々に提出することもでき、その場合は他の相続人へ申告内容の通知が必要です。

暗号資産の所得区分や計算方法は暗号資産にかかる税金の仕組みで扱っています。

出典:国税庁『No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)』

暗号資産での物納は不可

相続税は金銭で一度に納めるのが原則で、例外として延納と物納の制度があります。ただし暗号資産は物納に充てられる財産に該当しません。

暗号資産による納税を問われた令和元年11月26日の答弁書で、政府は資金決済法上の「仮想通貨」である場合は「相続税法第四十一条第二項に規定する物納に充てることができる財産に該当しないため、物納することはできない」と答えています。

延納も、何年かに分けて金銭で納める制度です。納税資金が足りなければ暗号資産を売って日本円を用意することになり、その売却には次の章で扱う所得税がかかります。

出典:参議院『暗号資産による納税に関する質問に対する答弁書』、国税庁『No.4205 相続税の申告と納税』

相続した暗号資産を売るときの所得税

相続した暗号資産を売ると、相続税とは別に所得税の計算が必要です。計算の起点になるのは取得価額で、相続税の評価額とは別の金額を使います。

取得価額は被相続人の金額を引き継ぎ

FAQ 1-5は、相続で取得した暗号資産の取得価額を「被相続人の死亡の時に、その被相続人が暗号資産について選択していた方法により評価した金額」としています。相続開始日の時価に置き換わるわけではありません。

一方、贈与(相続人に対する死因贈与を除く)や相続人以外への特定遺贈で取得した場合は、その時の時価が取得価額です。同じ受け取った暗号資産でも、相続かどうかで売却時の計算が変わります。

項目相続税の評価額所得税の取得価額
使い道相続税の課税価格に入れる売却したときの所得を計算する
金額の決め方相続開始日に交換業者が公表する取引価格被相続人が選択していた方法(総平均法か移動平均法)で評価した金額
根拠FAQ 4-2FAQ 1-5④
例:被相続人が1BTCを100万円で購入し、相続開始日の価格が1,000万円1,000万円100万円

被相続人が評価方法を選んでいなかった場合、個人は総平均法で計算した金額になります。

出典:国税庁『暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)』

相続税と所得税が両方かかる仕組み

上の例で相続人が1,000万円で売ると、相続税では1,000万円が遺産に入ります。所得税では、1,000万円から取得価額の100万円を引いた900万円が所得です。

被相続人の生前の値上がり分に、相続税と所得税の両方がかかる計算です。

相続税の税率は、課税遺産総額を法定相続分で分けた金額に応じて10%から55%までの段階があります。税負担の合計は遺産の規模や相続人の他の所得で変わるため、売る時期と数量を決める前に両方を試算しておきましょう。

出典:国税庁『暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)』、『No.4155 相続税の税率』

相続財産の取得費加算の特例の対象外

相続した土地や株式などを一定期間内に売ると、相続税の一部を取得費に加算できる特例があります。ただし国税庁は「この特例は譲渡所得のみに適用がある特例」としています。

暗号資産の売却益は原則として雑所得(その他雑所得)に区分されるため、この特例は使えません。払った相続税を売却益の計算で差し引けない点は、土地や株式の譲渡と違います。

出典:国税庁『No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例』

相続後の値下がりと相続放棄

相続税の評価額は、相続開始日の取引価格で決まります。その後に価格が下がっても、相続税の評価額は下がりません。

相続開始日に1,000万円だった暗号資産が、申告までに300万円に下がったとしても、相続税は1,000万円を前提に計算します。納税資金を作るために売っても、手元に入るのは300万円です。

相続後の売却で損失が出ても、雑所得の損失は給与所得など他の所得と通算できません。

被相続人が暗号資産の信用取引などで借入を残していた場合は、相続放棄や限定承認も検討の対象です。期限は民法が定める、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内です。

この期間は、利害関係人などの請求があれば家庭裁判所で伸ばせます。相続人は、承認や放棄をする前に相続財産を調査することも認められています。

出典:国税庁『暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)』、e-Gov法令検索『民法』

取引所別の相続手続き早見表

国内の取引所5社について、相続の公式ページの内容を並べました。どの社も、相続人が問い合わせフォームから連絡するところから手続きが始まります。

取引所連絡の窓口指定の書式公式が挙げる書類書類の提出方法受け取り方・期間
bitFlyer法定相続人が問い合わせフォームで「相続手続きについて」を選ぶ公式ページに記載なし公式ページに記載なし公式ページに記載なし公式ページに記載なし
Coincheck法定相続人が問い合わせフォームで「登録情報を確認・変更したい」>「相続手続き」を選ぶ相続届(当社指定)が郵送で届く戸籍謄本か法定相続情報一覧図、相続人全員の印鑑証明書など(遺言書・遺産分割協議書の有無で変わる)郵送暗号資産は原則Coincheck口座へ移管
bitbank代表相続人が問い合わせフォームで「相続等に関するご質問」を選ぶ担当部署が案内問い合わせ後にメールで案内郵送のみ(持ち込み不可・書類は返却なし)1〜2か月ほど
GMOコイン相続人が問い合わせフォームから連絡担当部署が案内連絡後に案内連絡後に案内公式ページに記載なし
BITPOINT代表相続人が問い合わせフォームで「相続手続きについて」を選ぶ相続手続き依頼書(当社指定書式)法定相続情報一覧図、相続人全員の印鑑証明書(市町村発行後6か月以内)など返送(書類は確認後に返却)暗号資産は換金か口座への移管

BITPOINTはSBI VCトレード株式会社が運営するサービスで、同社のVCTRADEサービスとは相続のページが分かれています。VCTRADEサービスとOKJは、相続手続きを説明した公式ページを確認できなかったため表から外しました。

表の書類は各社が挙げる一般的な例です。bitFlyerとGMOコインは相続のページに書類の一覧を載せておらず、連絡のあとに必要書類を確認する流れです。

出典:bitFlyer『相続手続きに関して教えてください。』、bitbank『相続手続きについて』、GMOコイン『相続手続きについて教えてください』

各社に共通する手続きの流れ

公式ページで流れを示しているCoincheckとBITPOINTの案内をもとに、手続きの順番を並べると次のとおりです。

  1. 相続人が取引所の問い合わせフォームから、被相続人が亡くなったことを連絡します。
  2. 取引所の担当部署が、必要書類と指定の書式を案内します。
  3. 相続人が戸籍謄本や印鑑証明書などをそろえて郵送します。
  4. 取引所が書類を確認し、代表相続人の口座へ資産を移すか、日本円で払い戻します。
  5. 移管が済んだあとに、被相続人の口座が解約・閉鎖されます。

BITPOINTは、被相続人のアカウント状況などで提出書類が変わるとしています。書類を出す前に、取引所から届いた案内を確認してください。

2社とも、暗号資産のまま受け取るには代表相続人がその取引所の口座を持っている必要があります。BITPOINTでは、代表相続人のアカウント作成と本人確認(取引時確認)の完了が条件です。

代表相続人がCoincheckでは75歳以上か18歳未満、BITPOINTでは80歳以上か18歳未満のとき、口座を開設できないため日本円で払い戻されます。

Coincheckは、保有資産が日本円だけなら指定の銀行口座への払い戻しにも対応しています。購入・売却を停止している暗号資産などは、暗号資産での払い戻しに限られます。

出典:Coincheck『相続手続きについて教えてください』、BITPOINT『相続手続きの流れについて教えてください』

相続税申告に使う残高証明書

FAQ 4-2の注2は、評価に使う取引価格に交換業者が納税義務者の求めに応じて提供する残高証明書に記載された取引価格を含めています。相続開始日時点の残高証明書があれば、その価格で評価額を示せます。

Coincheckは手続きの完了時に、被相続人が亡くなった日時点の時価で換算した残高証明書を、完了のお知らせとあわせて郵送します。相続手続きの前に、残高証明書だけを先に発行してもらうことも可能です。

先に依頼できるのは、相続人・遺言執行者・相続財産管理人などのうち1名です。死亡が確認できる戸籍謄本、依頼者の立場が分かる書類、依頼者の本人確認書類を郵送してください。

bitbankのように手続き全体で1〜2か月ほどかかる社もあります。Coincheckのように手続き前の発行に対応している社なら、移管の完了を待たずに依頼すると評価額を早く固められます。

出典:国税庁『暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)』、Coincheck『相続手続きについて教えてください』

ID・パスワード・秘密鍵が不明なときの手順

ログイン情報が分からなくても、取引所に口座があれば相続の手続きは進められます。手続きが止まりやすいのは、口座の存在が分からない場合と、個人のウォレットで保管していた場合です。

取引所の口座を探す手順

口座の手がかりは、被相続人が使っていた端末と書類に残っていることがあります。次の順に確認します。

  1. メールの受信箱で、取引所名や「取引報告」「ログイン」を含むメールを検索します。
  2. スマートフォンのホーム画面とアプリ一覧で、取引所のアプリが入っていないか確認します。
  3. 銀行口座の取引履歴で、取引所名義の取引がないか確認します。
  4. 確定申告書の控えや、取引所が発行する年間取引報告書が保管されていないか探します。

手続きが終わるまで、被相続人のスマートフォンやメールアカウントは解約しないでおきましょう。取引所からのメールや認証の通知を受け取れなくなります。

口座があるか分からない段階でも照会の窓口はあります。BITPOINTは口座の有無や残高の照会を電話やメールでは受け付けておらず、法定相続人がフォームから連絡して書類を出す方法に限っています。

出典:BITPOINT『被相続人の口座の有無や残高などを教えてもらえますか?』、国税庁『暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)』

取引所の口座はログイン情報が無くても手続き可能

相続の窓口は、被相続人のログインを前提にしていません。連絡項目を公開しているbitFlyer・Coincheck・BITPOINTは、いずれもパスワードを項目に入れていません。

求められるのは被相続人の氏名・生年月日・住所などです。bitFlyerとBITPOINTは、登録メールアドレスを「わかる場合」に書く項目としています。

Coincheckは、登録住所や電話番号が特定できないときに、可能性のある住所と電話番号をすべて書くよう求めています。相続人が分かる範囲の情報で連絡を始められる設計です。

相続人が被相続人のIDでログインして売却や送信をすると、遺産の分け方が決まる前に財産を動かすことになります。窓口に連絡し、取引所の手続きの中で移管を受けるのが順序です。

出典:bitFlyer『相続手続きに関して教えてください。』、Coincheck『相続手続きについて教えてください』、BITPOINT『相続手続きに関して教えてください。』

個人ウォレットで秘密鍵が分からない場合

取引所を通さず、ハードウェアウォレットやスマートフォンのウォレットアプリで保管していた暗号資産には、相続を受け付ける事業者がいません。秘密鍵やリカバリーフレーズが無ければ、相続人はその暗号資産を移せない仕組みです。

手がかりは、被相続人が紙に控えたリカバリーフレーズや、ウォレットの端末そのものです。ウォレットの種類と仕組みは暗号資産のウォレットの解説とコールドウォレットの解説で扱っています。

秘密鍵が分からず移せない暗号資産の相続税評価について、国税庁のFAQ(相続税・贈与税関係の4-1と4-2)は触れていません。

申告後に暗号資産が見つかったとき

申告後に暗号資産の口座が見つかると、実際に取得した財産より少ない額で申告した状態になり、加算税や延滞税がかかる場合があります。

先に申告した税額に不足があるときは、修正申告書を出して申告し直します。相続税の修正申告書は、平成31年1月1日以後の相続で財産を取得した人ならe-Taxでも提出できます。

出典:国税庁『No.4205 相続税の申告と納税』、『相続税の修正申告書をe-Taxにより提出(送信)することはできますか。』、e-Gov法令検索『国税通則法』

生前にできる暗号資産の相続対策

保有先の一覧を家族に残す

家族が口座を探す手間を減らせるのは、どこに何を持っているかの一覧です。取引所名、ウォレットの種類、保有している銘柄を書き出しておけば、相続人は該当する窓口へ直接連絡できます。

パスワードや秘密鍵そのものを一覧に書くと、紛失や盗難のときに資産を動かされるおそれがあります。一覧は保管場所の手がかりにとどめ、鍵の扱いは家族と別に決めておきましょう。

遺言書で暗号資産の承継先を決める

暗号資産をだれに引き継ぐかは、遺言書で指定できます。法務局の自筆証書遺言書保管制度を使うと、遺言書の原本は遺言者の死亡後50年間、画像データは150年間保管されます。

保管制度を使った遺言書は、相続開始後の家庭裁判所での検認が不要です。Coincheckも相続の必要書類の説明で、法務局で保管されている自筆証書遺言は検認不要としています。

ただし法務局は遺言の内容の相談には応じません。保管した遺言書の有効性を保証する制度でもない点に注意してください。

出典:法務省『遺言書保管制度とは?』、Coincheck『相続手続きについて教えてください』

生前贈与は贈与税の対象

生きているうちに暗号資産を家族へ贈与した場合も、受け取った側には贈与税が課税されます。FAQ 4-1は、相続と贈与を同じ問で扱っています。

贈与した側にも課税関係が生じます。個人が贈与で暗号資産を移すと、所得税の計算では、その時の時価を収入として計上する必要があります。

出典:国税庁『暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)』

暗号資産の相続のよくある質問

海外取引所の暗号資産も相続税の対象?

FAQ 4-1は、相続で取得した暗号資産に相続税が課税されるとしており、保管していた取引所が国内か海外かで扱いを分けていません。海外取引所の税務は海外取引所を使ったときの税金の解説で扱っています。

相続した暗号資産を売らずに持ち続けたら?

所得税は、売却や商品の購入、別の暗号資産との交換などをしたときにかかり、持ち続けるだけなら発生しません。相続税のほうは、保有を続けても相続開始日の評価額で計算されます。

レンディングの利息の税金は?

レンディングで受け取った暗号資産は、取得した時点の時価が所得税の課税対象になります(FAQ 1-7)。計算の詳細はレンディングにかかる税金の解説で扱っています。

NISA口座の投資信託を相続したら?

NISA口座の投資信託や株式は、暗号資産とは窓口が異なり、口座のある証券会社などの金融機関で手続きします。詳しくはNISAの相続手続きの解説をご覧ください。

出典:国税庁『暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)』

まとめ

暗号資産は相続税の課税対象で、活発な市場がある暗号資産の評価額は相続開始日に交換業者が公表する取引価格で決まります。申告と納付の期限は、死亡を知った日の翌日から10か月以内です。

取引所の口座は、ログイン情報が分からなくても相続人が問い合わせフォームから連絡すれば手続きを始められます。売るときは、取得価額が被相続人の金額を引き継ぐ点と、物納ができない点を前提に納税資金を用意してください。

相続した暗号資産を売った翌年は、相続人自身の確定申告が必要になる場合があります。手順は暗号資産の確定申告のやり方にまとめています。

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