公金受取口座はどこがいい?年金受取口座との違いと選び方
公金受取口座にはどの銀行口座を登録すればいいのか。特典がある銀行を選ぶべきかどうかは、制度の仕組みを知ると判断できます。
登録できるのは1人1口座で、本人名義の普通預金口座などに限られます。有力なのは、普段から出し入れしていて入金に気付ける口座です。
2026年8月から始まった年金受給者向けの特例制度と、主な9行の年金受取特典の比較もあわせて整理しました。
- 3行要約
①公金受取口座は普段使いしている本人名義の普通預金口座が有力
②登録できるのは1人1口座で定期預金や家族名義の口座は対象外
③65歳以上の年金受給者は45日以内に不同意を返送しなければ年金口座を登録
公金受取口座はどこがいい?
公金受取口座に登録する口座は、普段から出し入れしている本人名義の普通預金口座が有力な候補です。特定の銀行を選ぶと得をする制度ではなく、給付金を受け取ってすぐ使える口座かどうかで決まります。
結論は普段使いしている本人名義の普通預金口座
公金受取口座は、給付金や還付金を受け取るために国(デジタル庁)へ登録する口座です。登録できるのは1人につき1口座で、本人名義の預貯金口座に限られます。
1口座しか登録できないため、入金に気付けて、そのまま生活費として動かせる口座を選ぶのが自然な判断です。登録に使った口座はあとから変更できるため、いま使っている口座で登録し、必要になったら変える進め方もできます。
公金受取口座に向く口座の5つの条件
迷ったときは、次の5つの条件に当てはまる口座を選んでください。銀行名より先に、口座の使い方で決めるのがポイントです。
| 条件 | 確認するポイント | 理由 |
| ①入金に気付ける | アプリやメールで入金通知を受け取れる | 給付金は振込のお知らせが届かない場合がある |
| ②休眠化しない | 毎月の出し入れがある | 使っていない口座は解約や手続き忘れにつながる |
| ③引き出しや振込のコストが低い | ATM手数料・振込手数料の無料回数 | 受け取ったお金を動かすたびに手数料がかかる |
| ④解約や名義変更の予定がない | 長く維持する口座か | 口座情報が変わると登録情報の変更が必要 |
| ⑤年金受取特典の有無 | 年金も同じ口座で受け取るか | 年金の入金を条件にした特典がある銀行がある |
給付金が振り込まれても、デジタル庁から入金のお知らせが届くことはありません。支給する行政機関から連絡が来る場合もありますが、有無は給付金ごとに違うため、自分で入金に気付ける口座かどうかが条件①の意味です。
条件②は、使っていない口座を選ばないという意味です。口座を持ちすぎたときの管理の手間や休眠口座の扱いは銀行口座を持ちすぎるデメリットの記事で扱っています。
出典:デジタル庁『よくある質問:公金受取口座の利用・給付金等の受取』
公金受取口座の登録と銀行の年金受取特典の関係
公金受取口座に登録しただけで、銀行の年金受取特典が付くわけではありません。銀行の特典は、その口座に年金が実際に振り込まれた実績で判定されるからです。
デジタル庁は、公金受取口座の登録によって年金の受取口座が自動で切り替わることはないと示しています。年金の振込先を変えるには、別に「年金受給権者 受取機関変更届」の提出などが必要です。
銀行側の判定も入金の中身で行われます。三菱UFJ銀行は通帳の摘要欄に「年金」と表示される明細を対象にしていて、東京スター銀行も摘要に「年金」と記載される振込を優遇金利の対象にしています。
出典:デジタル庁『よくある質問:公金受取口座の利用・給付金等の受取』、三菱UFJ銀行『「スーパー普通預金(メインバンク プラス)」各種手数料優遇』、東京スター銀行『年金受取』
公金受取口座の仕組み
公金受取口座は、給付金の申請のたびに口座を書く手間をなくすための制度です。登録は任意で、登録しなくても給付金は従来どおり受け取れます。
公金受取口座登録制度の概要
公金受取口座登録制度は、迅速で確実な給付を目的に、金融機関の預貯金口座を国(デジタル庁)へ任意で登録する制度です。正式名称は「公的給付支給等口座」といいます。
登録しておくと、給付金の申請書に口座情報を書いたり、通帳の写しを添付したりする手続きが不要になります。デジタル庁によると、登録口座数は約6,400万口座で、人口の約半分にあたります。
出典:デジタル庁『公金受取口座登録制度』、デジタル庁ニュース『給付金等を受給できる「公金受取口座」とは?』
公金受取口座で受け取れる給付金・還付金
公金受取口座は、緊急時の給付金のほか、年金・所得税の還付金・児童手当など160種類以上の給付金等の受け取りに使えます。対象は社会保障・税・災害対策の分野にまたがります。
| 分野 | 給付金等の例 |
| 年金・税 | 年金関係、税関係(所得税の還付金など) |
| 子育て・就学 | 子育て給付関係(児童手当など)、就学支援関係 |
| 医療・介護 | 健康保険関係、介護保険関係 |
| 雇用・労災 | 雇用保険関係、労災保険・公務災害補償関係、職業訓練給付関係 |
| 福祉・災害 | 障害福祉関係、生活保護関係、災害被災者支援関係 |
ただし、利用できるかどうかや利用の開始日は、支給する自治体などによって違う給付金もあります。申請先の行政機関で公金受取口座を使えるかを確かめてから申請してください。
出典:デジタル庁『公金受取口座を利用して受け取ることができる給付金等』、デジタル庁ニュース『公金受取口座の特例制度が2026年8月スタート』
行政機関に提供される情報と残高の扱い
給付を行う行政機関に提供されるのは、振込に必要な口座情報だけです。具体的には金融機関、店舗、口座種別、口座番号、口座名義(カナ)で、ゆうちょ銀行の場合は記号番号が加わります。
デジタル庁は、登録によって口座残高や取引履歴を把握することはないと示しています。登録した口座から税金などが引き落とされることもありません。
マイナンバーカードに口座情報が記録されるわけでもありません。マイナンバーやマイナンバーカードだけで、登録口座から預貯金を引き出すことはできない仕組みです。
出典:デジタル庁『よくある質問:公金受取口座登録制度の概要』
預貯金口座付番制度との違い
「預貯金口座付番制度」は、公金受取口座登録制度とは別の制度です。名前が似ているため、財産を知られるという誤解の元になりやすい部分でしょう。
付番制度は、金融機関の口座にマイナンバーを付け、相続時に故人名義の口座を特定したり、災害時に自分の口座を照会したりできるようにする制度です。公金受取口座は、給付金を受け取る1口座を事前に登録する制度で、目的が違います。
公金受取口座を登録しても、持っているすべての口座がマイナンバーと一緒に登録されるわけではありません。マイナンバーとともに登録されるのは、公金受取口座に登録した1口座だけです。
出典:デジタル庁『よくある質問:公金受取口座登録制度の概要』
公金受取口座に登録できる口座
登録できる口座は、預貯金の種類と名義で決まっています。種類が合っていても、本人以外の名義では登録できません。
登録できる口座の種類
デジタル庁が登録できるとしている預貯金の種類は、次の表のとおりです。表にない種類の口座は登録できません。
| 口座の種類 | 登録の可否 |
| 普通預金口座 | 登録できる |
| 普通貯金口座(JAバンク、JFマリンバンク等) | 登録できる |
| 通常貯金口座(ゆうちょ銀行) | 登録できる |
| 当座預金口座・当座貯金口座(ゆうちょ銀行は振替口座) | 登録できる |
| 総合口座(普通預金・普通貯金を取り扱うもの) | 登録できる |
| 上記以外の種類 | 登録できない |
普通預金と当座預金の違いなど、口座の種類そのものの意味は銀行口座の種類の記事で解説しています。
出典:デジタル庁『よくある質問:公金受取口座として登録可能な口座』
登録できない口座
定期預金や外貨預金は、上の表に含まれない種類なので登録できません。本人以外の名義の口座も登録できず、家族名義の口座はこれに当たります。
名義に屋号や店名、事務所名が含まれる口座も対象外です。デジタル庁は、登録できる口座を本人名義の個人用口座に限っています。
一方で、旧姓のままの口座は、マイナンバーカードの券面に旧姓が併記されていればマイナポータルで登録できます。名義に成年後見人の氏名が含まれていても、被後見人本人名義の口座なら登録可能です。
出典:デジタル庁『よくある質問:公金受取口座として登録可能な口座』
1人1口座のルールと子どもの口座
公金受取口座は1人につき1口座で、複数の口座を登録することはできません。本人名義の口座に限られるため、家族の給付金を1つの口座にまとめる目的で登録することもできません。
子どもが口座を持っていない場合でも、親名義の口座を子どもの公金受取口座として登録することはできません。子どもの分を登録するなら、子ども本人名義の口座が必要です。親と子の立場が逆でも同じ扱いになります。
出典:デジタル庁『よくある質問:公金受取口座として登録可能な口座』
ネット銀行とゆうちょ銀行の登録可否
登録可能な金融機関の一覧に入っている金融機関の口座なら、通帳を発行しない口座やネット銀行の口座でも登録できます。
ゆうちょ銀行は、通常貯金口座と振替口座が登録の対象です。ゆうちょ銀行の口座を登録した場合、行政機関には支店名や口座番号の代わりに記号番号が提供されます。
出典:デジタル庁『よくある質問:公金受取口座として登録可能な口座』
年金受取口座と公金受取口座の関係
年金を受け取っている人は、年金の振込口座と公金受取口座の関係を押さえておく必要があります。2026年8月から、年金振込口座を公金受取口座として登録する特例制度が始まったためです。
年金振込口座と公金受取口座は別々の登録
年金の振込口座は日本年金機構に届け出る口座で、公金受取口座はデジタル庁に登録する口座です。同じ口座を指定していても、登録そのものは別々に管理されています。
公金受取口座を登録しても、年金の受取口座が自動で公金受取口座に切り替わることはありません。年金請求のときに公金受取口座の利用を申請した場合も同じです。
年金の振込先を変えたいときは、「年金受給権者 受取機関変更届」の提出などの手続きが別に必要になります。
出典:デジタル庁『よくある質問:公金受取口座の利用・給付金等の受取』
2026年8月開始の特例制度と意向確認書
特例制度は、公金受取口座をまだ登録していない年金受給者を対象に、年金振込口座を公金受取口座として登録できるようにする仕組みです。日本年金機構が簡易書留で「意向確認書」を送り、本人の意向を確認します。
| 項目 | 内容 |
| 対象者 | 2026年4月15日時点で65歳以上(1961年4月16日以前生まれ)の年金受給者 |
| 対象外の例 | 公金受取口座を登録済みの人、2026年4月に年金が支払われなかった人、国外に住んでいる人、共済組合等の年金のみを受給している人、2025年6月以降の年金請求で登録の意思表示をした人 |
| 送付時期 | 2026年8月頃から2027年2月頃まで、生年月日の順に送付 |
| 送付方法 | 日本年金機構からの簡易書留(茶色の封筒) |
送付時期は生年月日で分かれます。日本年金機構の予定は次の表のとおりで、若い生年月日の人から順に届きます。実際の送付時期は予定と異なる場合があります。
| 生年月日 | 送付時期(予定) |
| 1961年4月から1955年10月まで | 2026年8月頃 |
| 1955年9月から1950年3月まで | 2026年9月頃 |
| 1950年2月から1946年7月まで | 2026年10月頃 |
| 1946年6月から1941年3月まで | 2026年11月頃 |
| 1941年2月から1938年2月まで | 2026年12月頃 |
| 1938年1月から1931年4月まで | 2027年1月頃 |
| 1931年3月以前 | 2027年2月頃 |
送付予定の期間を過ぎても届かない場合は、対象者ではないため年金振込口座は登録されません。登録したいときは、マイナポータルか金融機関で自分で手続きします。
出典:日本年金機構『年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書の送付』、デジタル庁『よくある質問:年金受給者への意向確認に基づく公金受取口座の登録』
同意・不同意の手続きと45日の扱い
年金振込口座の登録を希望する場合、手続きは不要です。希望しない場合だけ、意向確認書の下部にある「公金受取口座登録不同意申出書」を返送します。
- 簡易書留で届いた意向確認書を受け取り、記載された年金振込口座を確認します
- その口座で登録してよければ、何もせずに待ちます
- 登録しない場合は、不同意申出書を切り離し、目隠しシールを貼って差出人欄を書き、郵便ポストへ投函します
- 同意の場合は、後日デジタル庁から登録結果の通知がはがきかマイナポータルで届きます
注意したいのが期限です。意向確認書を受け取ってから45日以内に不同意申出書の返送がない場合、同意として扱われます。期限を過ぎてから送った不同意申出書は受理されません。
同意として登録されたあとでも、マイナポータルや金融機関で登録の抹消や口座の変更はできます。
不在のときは、差出人欄に「日本年金機構」と書かれた不在票が投函されるので、再配達を申し込みます。受け取れないままだと意向が確認できなかったものとして扱われ、登録はされません。
登録の完了までは、意向確認書の到着から約3〜4か月かかります。急ぐ場合は、マイナポータルか金融機関で別に登録手続きをしてください。
出典:日本年金機構『年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書の送付』、デジタル庁『よくある質問:年金受給者への意向確認に基づく公金受取口座の登録』
意向確認書を装う連絡への注意
日本年金機構、厚生労働省、デジタル庁が、電話・SMS・メールで口座番号などを求めることはありません。手数料などの金銭を求めることもないため、こうした連絡には応じないでください。
意向確認書についての問い合わせは、市区町村や年金事務所の窓口では受け付けていません。問い合わせ先は内容で分かれます。
| 問い合わせの内容 | 窓口 | 電話番号 |
| 意向確認書・不同意申出書について | 意向確認書照会専用フリーダイヤル | 0120-74-0011 (つながらない場合は050-3524-7372) |
| 公金受取口座登録制度について | マイナンバー総合フリーダイヤル(音声ガイダンス6番) | 0120-95-0178 (つながらない場合は050-3816-9405) |
意向確認書照会専用フリーダイヤルに電話するときは、意向確認書に書かれた「照会番号」が必要です。意向確認書を手元に用意してからかけてください。
出典:日本年金機構『年金振込口座の公金受取口座登録に関する意向確認書をお送りします』、デジタル庁『年金振込口座を公金受取口座として登録できる特例制度』
銀行別の年金受取特典の比較
年金も同じ口座で受け取るなら、年金の入金を条件にした特典の有無が判断材料になります。主な銀行の特典を横並びにしました。どの特典も年金などの入金実績で判定され、公金受取口座の登録だけでは付きません。
| 銀行名 | 年金受取の主な特典 | 主な条件 |
| 東京スター銀行 | スターワン円普通預金が年0.900%の優遇金利 Webで口座開設した人は1,500円のキャッシュプレゼント | 摘要に「年金」と記載される公的年金の受取 プレゼントは口座開設月の3ヵ月後の末日までに1回1万円以上の年金受取 |
| イオン銀行 | 初回受取から6カ月間、月200WAON POINT | 新たに公的年金の受取口座に設定し、年金の受取があった月 |
| 三井住友銀行 | Oliveアカウントの選べる特典で毎月200ポイント(Vポイント) | 「給与・年金受取特典」を選び、当月または前月に年金の受取がある |
| 楽天銀行 | 他行あて振込手数料が翌月3回無料、ATM手数料の無料回数、受取1件ごとに1〜3ポイント | ハッピープログラムへのエントリーと公的年金の受取 |
| ゆうちょ銀行 | 500円と、1年継続で1,000円の現金 | 1万円以上の公的年金を新たに受給開始し、ゆうちょ通帳アプリを設定 |
| SBJ銀行 | 年金受取普通預金の特別金利、円定期預金残高の0.1%をキャッシュバック(上限1万円・1回限り) | 「年金プラスα」を年金受取口座に指定 キャッシュバックは口座開設月を含む6ヶ月目の月末までの初回受取が対象 |
| UI銀行 | 普通預金金利の上乗せ、利息が年12回、クーポン | 「まもりのサイフ(普通預金)」で公的年金を受取 |
| 三菱UFJ銀行 | 各種手数料の優遇(年金の受取が優遇条件の1つ) | メインバンク プラスで1回10万円以上の年金受取 三菱UFJダイレクトの利用も必要(70歳以上は不要) |
| PayPay銀行 | なし(給与受取の振込手数料無料特典は国民年金・厚生年金などの受取を対象外としている) | — |
東京スター銀行の優遇金利の条件や計算は東京スター銀行の金利の記事、イオン銀行の預金金利はイオン銀行の定期預金キャンペーンの記事で扱っています。
三井住友銀行の特典は、Oliveアカウントの「選べる特典」から1つを選ぶ仕組みです。ほかの特典との選び方はOliveとはの記事で解説しています。
出典:東京スター銀行『金利』、イオン銀行『年金受取プラン』、三井住友銀行『Oliveの選べる特典』
特典の種類別の違い
年金受取の特典は、金利優遇型、ポイント型、手数料優遇型、現金プレゼント型に分かれます。預けておく金額が大きい人ほど金利優遇型の差が大きくなり、出し入れが多い人には手数料優遇型が向いています。
金利優遇型は東京スター銀行・SBJ銀行・UI銀行、ポイント型はイオン銀行・三井住友銀行・楽天銀行が当てはまります。三菱UFJ銀行は手数料優遇型、ゆうちょ銀行は現金プレゼント型です。
楽天銀行は1件の年金受取で振込手数料とATM手数料の無料回数、ポイントが同時に付くため、複数の型にまたがります。
出典:楽天銀行『年金受取口座は楽天銀行がおトク』、SBJ銀行『年金プラスα(アルファ)』、UI銀行『まもりのサイフ(普通預金)商品概要説明書』
ネット銀行を年金受取口座にするときの注意点
ネット銀行の口座も、年金受取口座と公金受取口座の両方に使えます。店舗を持たない銀行では、現金を引き出す手段が提携ATMに限られる点を先に確認しておきましょう。
提携ATMの手数料が無料になる回数は、銀行ごとに条件が違います。PayPay銀行の場合はPayPay銀行の手数料の記事に、ATMと振込の手数料をまとめています。
年金の請求や受取口座の変更では、通帳の写しなど口座を確認できる書類を添付します。通帳を発行しないPayPay銀行は、ログイン後の画面の印刷で代用すると案内しています。
東京スター銀行の場合、スターワン口座のキャッシュカードの写しを添付すれば店舗での証明印はいりません。
出典:PayPay銀行『年金受取』、東京スター銀行『年金受取』
年金受取キャンペーンの確認ポイント
年金受取のキャンペーンは、対象になる人の条件と、初回の受取時期を見てから申し込みましょう。口座を移しただけでは対象にならない例があります。
イオン銀行の年金受取プランは、2025年9月と10月にイオン銀行口座で公的年金の受取がなかった人が対象です。一度でもポイントを受け取った人は、口座を移し直しても対象外になります。
東京スター銀行のキャッシュプレゼントは、2026年9月1日以降にインターネットで口座を開設した人が対象です。郵送や店頭で開設した口座は、このプレゼントの対象に含まれません。
ゆうちょ銀行のキャンペーンは、2025年4月1日から5月31日にゆうちょ口座で公的年金を受給しておらず、2025年6月1日以降に新たに受給を始めた人が対象です。企業年金などの私的年金は対象外です。
出典:イオン銀行『年金受取プラン』、東京スター銀行『年金受取』、ゆうちょ銀行『ゆうちょ年金&通帳アプリキャンペーン』
公金受取口座の登録方法
公金受取口座は、マイナポータル、金融機関、所得税の確定申告、年金請求の4つの方法で登録できます。急ぐならマイナポータルが早く、即日から2開庁日程度で登録されます。
マイナポータルで登録する手順
マイナポータルでの登録には、対応するスマートフォン、マイナアプリ、マイナンバーカード、券面事項入力補助用暗証番号(数字4桁)、登録する口座の情報がわかるものを用意します。
- マイナポータルの公金受取口座画面を開きます(トップページからは「おかね」カテゴリの「公金受取口座」を選びます)
- 画面下部の「ログイン」ボタンを押し、マイナアプリでマイナンバーカードを読み取ってログインします
- 「登録を始める」ボタンを押します
- 画面の指示に従って本人情報、口座情報、連絡先を入力し、確認コードを入力します
- 登録内容を確認し、本人確認と口座情報登録への同意を済ませて完了します
スマートフォンのマイナンバーカードで手続きできるのは、iPhoneのマイナンバーカードに限られます。Androidのマイナンバーカードは、2026年秋以降の対応予定とされています。
出典:デジタル庁『公金受取口座を登録・変更する方法』、『よくある質問:公金受取口座に関する手続き』
確定申告・年金請求・金融機関窓口での登録
マイナンバーカードを持っていない人やスマートフォンを使わない人は、金融機関の窓口でも登録できます。手続きの経路ごとに、必要なものと登録までの目安が違います。
| 経路 | 必要なもの・条件 | 登録までの目安 |
| マイナポータル | マイナンバーカードが必須 | 即日から2開庁日程度 |
| 金融機関の窓口 | マイナンバーと本人特定事項(氏名・住所・生年月日)を確認できる書類。マイナンバーカードは必須ではない | 数開庁日から1週間程度 |
| 所得税の確定申告(還付申告) | 還付申告または更正の請求をするときだけ手続きできる | e-Taxは3開庁日程度、書面は6週間から3か月程度 |
| 年金請求 | 年金請求書の「公金受取口座の登録意思」で「登録する」に丸を付ける | 3か月から4か月程度 |
金融機関の窓口では、登録したい口座がある金融機関で手続きします。登録可能な金融機関でも、窓口での手続きを受け付けていない場合がある点に注意してください。
年金請求で登録する場合、本人名義でない口座や旧姓表記の口座を指定すると登録されません。旧姓の口座は、券面に旧姓が併記されたマイナンバーカードがあればマイナポータルで登録できます。
出典:デジタル庁『よくある質問:公金受取口座に関する手続き』、『年金請求で公金受取口座の登録申請を行う方法』
公金受取口座の変更・削除方法
登録した口座は、あとから別の口座に変えたり登録を抹消したりできます。変更と抹消ができるのはマイナポータルと金融機関の2つです。
マイナポータルでの変更・削除の手順
マイナポータルの公金受取口座画面にログインし、操作マニュアルの「口座情報を変更する方法」または「口座情報を抹消する方法」に沿って手続きします。登録中の口座情報と過去の履歴も、同じ画面から表示できます。
金融機関で変更する場合は、新しく登録する口座がある金融機関で手続きしてください。別の金融機関の口座に変えるときは、変更先の金融機関が窓口になります。
出典:デジタル庁『公金受取口座を登録・変更する方法』、『よくある質問:公金受取口座に関する手続き』
口座を解約・名義変更したときの手続き
登録した口座を解約したときは、マイナポータルか金融機関で速やかに変更か抹消の手続きをしてください。結婚などで口座名義や住所が変わったときも、登録情報の変更が必要です。
給付の申請を始めたあとに登録口座を変えても、給付先の口座は自動では変わりません。振込先を変えたいときは、給付を行っている行政機関に手続きを確認します。
出典:デジタル庁『よくある質問:公金受取口座に関する手続き』、『公金受取口座を利用して受け取ることができる給付金等』、デジタル庁ニュース『給付金等を受給できる「公金受取口座」とは?』
意向確認や年金請求で登録した口座の変更
意向確認、年金請求、確定申告のどれで登録した口座でも、変更や抹消の窓口は同じです。年金事務所や税務署、e-Taxでは変更も抹消もできません。
意向確認書に同意したあと、登録完了の通知が届く前に別の口座をマイナポータルなどで登録した場合は、本人が明示的に申請した口座が優先されます。
出典:デジタル庁『よくある質問:公金受取口座に関する手続き』、『よくある質問:年金受給者への意向確認に基づく公金受取口座の登録』
公金受取口座のメリット・デメリット
登録の利点は、給付金の申請と受け取りが早く簡単になることです。よく挙がる懸念の多くは、公式の仕様を見ると誤解だとわかります。
公金受取口座を登録するメリット
給付金の申請のたびに口座情報を書いたり、通帳やキャッシュカードの写しを出したりする手間がなくなります。行政機関側の口座確認も省けるため、受け取りまでの期間が短くなるのが利点です。
デジタル庁ニュースは、神奈川県小田原市で給付金の振込までの時間を短縮した事例を紹介しています。短縮できた期間は長いもので約4か月でした。
災害時などの緊急の給付金も、事前に登録しておけば早く受け取れます。
出典:デジタル庁ニュース『公金受取口座の特例制度が2026年8月スタート』
よく言われるデメリットと公式の仕様
登録をためらう理由になりやすい点を、デジタル庁の公式説明と並べました。仕様として制約になるのは、主に1人1口座という点です。
| よく言われる懸念 | 公式の仕様 |
| 1口座しか登録できない | 1人1口座で、複数の口座は登録できない |
| 財産を国に知られる | 口座残高や取引履歴は把握されない |
| 持っている全口座がひも付く | マイナンバーとともに登録されるのは登録した1口座だけ |
| 勝手に引き落とされる | 登録で税金などが引き落とされることはない |
| カードを盗まれたら引き出される | マイナンバーやカードだけでは預貯金を引き出せない |
| 登録すれば自動で振り込まれる | 給付金ごとに運用が違い、申請が必要なものもある |
登録しても申請が別に必要な給付金がある点は、デメリットというより仕組みの特徴です。手続きの有無は給付を行う行政機関ごとに違います。
出典:デジタル庁『よくある質問:公金受取口座登録制度の概要』
公金受取口座に関するよくある質問
公金受取口座の登録は義務?
義務ではありません。登録は任意で、登録しなくても給付金等は受け取れます。
ただし未登録の場合、給付の申請のたびに口座情報の記入や通帳・キャッシュカードの写しの提出が必要になります。
出典:デジタル庁『よくある質問:公金受取口座登録制度の概要』
高齢の親の代わりに登録できる?
意向確認書への回答は、本人による回答が難しい場合、本人の意思を確認したうえで家族や後見人が代筆・代理で回答できます。
登録する口座は親本人の名義である必要があり、子どもの口座を親の公金受取口座にすることはできません。名義に成年後見人の氏名が入った本人名義の口座は登録できます。
出典:デジタル庁『よくある質問:年金受給者への意向確認に基づく公金受取口座の登録』、『よくある質問:公金受取口座として登録可能な口座』
登録済みの口座はどこで確認できる?
最新の登録情報を確認できるのはマイナポータルだけです。確定申告や年金請求、意向確認で登録した場合も、確認先は変わりません。
行政機関がいつ口座情報を取得したかは、マイナポータルの「行政機関のあいだでの情報提供履歴(やりとり履歴)」で確認できます。
出典:デジタル庁『よくある質問:公金受取口座に関する手続き』、『よくある質問:公金受取口座の利用・給付金等の受取』
登録した口座を解約したらどうなる?
口座の解約や凍結などで振込に使えなくなったことをデジタル庁が把握すると、職権で登録の抹消などが行われ、通知が届きます。
抹消されると公金受取口座は使えない状態になります。引き続き使いたい場合は、マイナポータルか金融機関で新しい口座を登録してください。
出典:デジタル庁『よくある質問:デジタル庁による職権修正(更新・利用停止)・職権抹消』
登録すると給付金は自動で振り込まれる?
自動で振り込まれるかどうかは給付金ごとに運用が違います。デジタル庁は個々の給付事務の詳細を把握していないため、各給付主体に確認するよう案内しています。
確定申告で還付金を受け取る場合は、申告書に別の口座を書くとその口座に振り込まれます。公金受取口座で受け取りたいなら、申告書には口座情報を書かないでください。
出典:デジタル庁『よくある質問:公金受取口座登録制度の概要』、『よくある質問:公金受取口座の利用・給付金等の受取』
まとめ
公金受取口座は、普段から出し入れしている本人名義の普通預金口座を登録するのが基本です。登録できるのは1人1口座で、定期預金や外貨預金、家族名義の口座は使えません。
65歳以上の年金受給者には、2027年2月頃まで意向確認書が順に届きます。年金振込口座で登録してよければ手続きは不要で、望まない場合は受け取ってから45日以内に不同意申出書を返送してください。
銀行の年金受取特典は年金の入金で判定され、公金受取口座の登録とは別の話です。特典を重視するなら、年金の振込先を変える手続きまで含めて口座を選びましょう。




