ネットバンキングの不正アクセスは増えている?|2026年の不正送金被害と手口
ネットバンキングの不正アクセスや不正送金のニュースが続き、自分の口座は大丈夫か気になる人に向けて、2026年10月28日時点の公表をまとめました。
警察庁によると、2026年上半期の不正送金は253件・約20億7,000万円で、前年同期から51%減りました。被害額の約84%は法人で、個人は約3.2億円です。
主な手口、銀行名が公表されない理由、補償率、個人ができる設定と各ネット銀行の対策を確認できます。
- 3行要約
①2026年上半期のネットバンキング不正送金は253件・約20.7億円で前年同期比51%減
②被害額の約84%は法人で、個人は約3.2億円まで減少
③個人の対策は公式アプリ経由のログインと多要素認証・通知・限度額の設定
ネットバンキングの不正アクセスの現状
2026年10月28日時点の公表では、2026年上半期のネットバンキングの不正送金は前年同期比51%減で、被害額は前年同期の約半分になりました。個人の被害額が大きく減った一方、法人口座を狙う新しい手口が報告されています。
2026年10月28日時点の公表の範囲
この記事の統計は、2026年10月28日時点で公表されている次の3つの資料から引いています。集計の期間がそれぞれ違うため、数字には期間を添えました。
- 警察庁「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(2026年9月10日付け):2026年1月〜6月の集計
- 金融庁「預貯金の不正送金被害等の発生状況(令和8年3月末)について」(2026年6月30日):年度ごと(4月〜翌年3月)の集計
- 金融庁「預貯金の不正送金問題等に対する対応状況(令和8年3月末)について」(2026年10月16日):金融機関の認証方式の導入状況
2026年7月以降の不正送金の件数は、2026年10月28日時点で公表されていません。下半期を含む2026年の年間の数字は、警察庁の次の公表を待つことになります。
出典:警察庁『令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』、金融庁『預貯金の不正送金被害等の発生状況(令和8年3月末)について』、『預貯金の不正送金問題等に対する対応状況(令和8年3月末)について』
不正アクセスと不正送金の関係
不正アクセスは、他人のIDやパスワードを使い、本人になりすましてログインする行為です。ネットバンキングでは、ログインした第三者が預金を別の口座へ振り込む不正送金につながります。
IDやパスワードを盗む代表的な手口がフィッシングです。警察庁は、実在する組織を装ったメールやSMSから偽サイトへ誘導してアカウント情報を入手する手口と説明し、得られた情報が不正送金に使われているとしています。
出典:警察庁『令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』
2026年上半期の不正送金の被害統計
警察庁の集計では、2026年上半期の不正送金は前年同期から件数・被害額とも減りました。内訳を見ると、減ったのは主に個人の被害です。
被害件数253件・被害額約20億7,000万円
2026年上半期(1月〜6月)のインターネットバンキングに係る不正送金は、発生件数253件、被害総額約20億7,000万円でした。前年同期の被害額は約42.2億円で、約21.5億円少なくなっています。
減った理由について、警察庁の資料に記述はありません。被害が減った時期に国や金融機関が進めていた対策は、後の見出しで並べて紹介します。
個人3.2億円・法人17.4億円の内訳
被害額を個人と法人に分けると、2026年上半期は個人が約3.2億円、法人が約17.4億円です。法人が被害額全体の約84%を占めました。
前年同期は個人が約19.5億円、法人が約22.8億円でした。個人の被害額は前年同期の約6分の1になった一方、法人の減少は約24%にとどまります。
出典:警察庁『令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』
2021年から2025年までの被害額の推移
年ごとの被害額は2023年に約87.3億円へ急増し、2025年は約104.0億円でした。警察庁の図表の値を、個人・法人の内訳とあわせて並べると次のとおりです。
| 期間 | 合計 | 個人 | 法人 |
| 2021年 | 約8.2億円 | 約7.3億円 | 約0.9億円 |
| 2022年 | 約15.2億円 | 約14.9億円 | 約0.3億円 |
| 2023年 | 約87.3億円 | 約84.1億円 | 約2.6億円 |
| 2024年 | 約86.9億円 | 約75.6億円 | 約11.3億円 |
| 2025年 | 約104.0億円 | 約56.9億円 | 約47.1億円 |
| 2025年上半期 | 約42.2億円 | 約19.5億円 | 約22.8億円 |
| 2026年上半期 | 約20.7億円 | 約3.2億円 | 約17.4億円 |
※2023年は、図表の個人と法人の値の和(約86.7億円)が合計の値と一致しませんが、警察庁の図表の値をそのまま載せています。
2025年の通年は、発生件数4,747件、被害総額約103億9,700万円です。図表の約104.0億円は、この金額を億円単位で丸めた値になります。
出典:警察庁『令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』、『令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』
金融庁の年度集計で見る個人の被害
金融庁は、金融機関からの報告をもとに年度(4月〜翌年3月)単位で被害を集計しています。警察庁の暦年の数字とは期間も集計方法も違うため、両者を足し引きはできません。
個人のインターネットバンキングによる不正払戻しは、2024年度が11,599件・約132億円、2025年度が3,500件・約79億円でした。件数は約3分の1に減っています。
なお、金融庁の個人の集計には、遺失・詐欺による被害も含まれます。
出典:金融庁『預貯金の不正送金被害等の発生状況(令和8年3月末)について』、『別紙4-2 インターネットバンキングによる預金等不正払戻し(個人)』
ネットバンキングの不正アクセスの主な手口
警察庁の資料では、不正送金の手口の中心はフィッシングです。2024年以降は、電話をきっかけにする手口も報告されています。
メール・SMSのフィッシング
2025年の不正送金は、手口の約9割がフィッシングでした。偽サイトへ誘導した経路ごとの不正送金の発生件数は次のとおりです。
| 期間 | 電子メール | SMS | 不明・調査中 | 合計 |
| 2025年 | 2,211件 | 1,695件 | 402件 | 4,308件 |
| 2026年上半期 | 77件 | 7件 | 88件 | 172件 |
2025年はSMSが1,695件に上りました。警察庁は、モバイルマルウェアに感染した端末から偽サイトへ誘導するSMSが大量に配信されたことを、増加の要因として考えられるとしています。
フィッシング対策協議会によるフィッシングの報告件数は、2026年上半期で約73万件です。2025年の1年間では245万4,297件でした。
出典:警察庁『令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』、『令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』
ワンタイムパスワードを突破するリアルタイム型フィッシング
警察庁によると、2019年頃からリアルタイム型フィッシングで二段階認証を突破する手口が横行しています。偽サイトに入力した情報が、その場で正規サイトに使われる仕組みです。
- 利用者が偽サイトにIDとパスワードを入力し、犯人が同じ情報で正規サイトにログインする
- 偽サイトにワンタイムパスワードの入力画面が表示され、利用者が入力した番号を犯人が入手する
- 犯人が正規サイトにワンタイムパスワードを入力し、利用者の口座から犯人の口座へ送金する
ワンタイムパスワードは1回限りの番号ですが、入力した直後に犯人が使えば正規の操作として通ってしまいます。
出典:警察庁『令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』
銀行を名乗る電話と遠隔操作ソフト
2024年秋から、犯罪グループが企業に電話をかけ、ネットバンキングの更新手続などを装ってメールアドレスを聞き出し、フィッシングメールを送るボイスフィッシングの被害が急増しました。
2026年5月には、電話をきっかけに遠隔操作ソフトをインストールさせ、偽サイトでIDとパスワードを盗んで送金する新しい手口の被害も急増しています。いずれも警察庁が法人口座の被害として報告した手口です。
警察庁は企業向けの対策として、銀行から電話があった場合に営業店や代表電話に折り返して本物かを確かめる対応を挙げています。個人の口座でも、銀行を名乗る電話でメールアドレスや暗証番号を聞かれたときに同じ確かめ方ができます。
出典:警察庁『令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』、『令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』
マルウェア感染とSIMスワップ
警察庁は2025年の資料で、フィッシング以外の手口として、マルウェア感染をきっかけにした事例と、SIMスワップで本人確認を突破する手口も引き続き見られたとしています。
SIMスワップは、偽造した本人確認書類で他人になりすまし、携帯電話番号の乗り換えやSIMカードの再発行を行って、電話番号を乗っ取る手口を指します。
出典:警察庁『令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』
2026年に公表された銀行関連の事案
2026年10月28日時点で、銀行に関係する不正アクセスとして公表された事案と、銀行が出している注意喚起を整理します。どれも不正送金の被害件数を示すものではありません。
委託先経由のメールアドレス漏えい
2026年10月27日、りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行は、メール配信サービスの提供元であるユミルリンク株式会社への不正アクセスを公表しました。メールアドレスとメール配信用の管理番号が外部へ持ち出された可能性があるという内容です。
口座番号・暗証番号・パスワード・クレジットカード情報は対象に含まれていません。件数はユミルリンクが調査中です。りそな銀行は店舗のある銀行で、ネット銀行ではありません。
経緯と問い合わせ先は、りそな銀行の委託先への不正アクセスの記事にまとめています。
出典:りそなホールディングス『外部委託先への不正アクセスによるお客さま情報の漏えいの可能性について』
ネット銀行が出している注意喚起
PayPay銀行は2026年4月7日、「PayPay銀行または警察官を騙る不審な電話にご注意ください」という注意喚起を出しました。銀行や警察を名乗る電話は、前の見出しのボイスフィッシングと同じく電話が入口になります。
個別のネット銀行で起きた不正送金の件数は、統計からは分かりません。理由は次の見出しで説明します。
証券口座への不正アクセスの注意喚起
金融庁は2025年4月3日から、証券会社のインターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引について注意喚起を続けています(2026年10月9日更新)。銀行の口座ではなく、証券口座を対象にした注意喚起です。
出典:金融庁『インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引にご注意ください』
不正ログインが起きた銀行名の公表状況
どの銀行で不正ログインや不正送金が起きたかについて、警察庁と金融庁の統計は銀行名を公表していません。
警察庁と金融庁の統計に銀行名は無い
警察庁の資料は、不正送金の件数と被害額を全国の合計と、個人・法人の別で示しています。金融庁の集計も、主要行等・地方銀行・第二地方銀行・信金等という業態ごとの数字までです。
銀行が自ら公表した事案を除くと、統計から特定の銀行の被害件数を知る方法はありません。
業態別に見た個人の被害
金融庁の2025年度の集計を業態別に見ると、個人の被害は主要行等が2,219件・約49.8億円で、件数の約6割を占めます。
| 業態 | 件数 | 被害額 |
| 主要行等 | 2,219件 | 約49.8億円 |
| 地方銀行 | 725件 | 約12.8億円 |
| 第二地方銀行 | 164件 | 約7.1億円 |
| 信金等 | 392件 | 約9.5億円 |
| 計 | 3,500件 | 約79.1億円 |
金融庁の注記では、主要行等は地方銀行(埼玉りそな銀行を含む)と第二地方銀行以外の銀行を指し、ゆうちょ銀行も含みます。ネット銀行はこの主要行等に入りますが、ネット銀行だけを取り出した数字は公表されていません。
出典:金融庁『別紙4-2 インターネットバンキングによる預金等不正払戻し(個人)』
被害を減らすための国と金融機関の対策
不正送金の被害が減った期間に、国と金融機関は次の対策を進めていました。どの対策が被害の減少にどれだけ効いたかは、公表資料では示されていません。
フィッシング耐性のある多要素認証の周知
金融庁は、フィッシング耐性のある多要素認証の導入などを盛り込んだ監督指針・事務ガイドラインの改正を実施しています。2026年4月16日には、銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫・証券会社と金融庁・警察庁による官民一体の広報を公表しました。
広報チラシでは、フィッシングサイトに誘導されても認証を守る方式として、パスキー認証とPKI認証を挙げています。
出典:金融庁『フィッシング耐性のある多要素認証等に係る官民一体・業界横断的な広報について』、『フィッシング耐性のある多要素認証編(概要版)』
可変パスワードの導入率99.5%
金融庁の2026年3月末時点の調査では、個人向けネットバンキングを提供する1,080の金融機関のうち1,075機関(99.5%)が、取引時の本人認証に可変パスワードを導入していました。
方式(複数回答)はパスワード生成機が1,021機関で、乱数表が228機関、電子メールが138機関、SMSが20機関です。
出典:金融庁『預貯金の不正送金問題等に対する対応状況(令和8年3月末)』
金融庁・警察庁・全銀協の連名注意喚起
警察庁は、2026年5月から法人口座の被害が急増したことを受け、金融庁・全国銀行協会などと連名で広報資料「サイバー警察局便り」を作成しました。警察庁のウェブサイトやSNSで、手口の詳細と企業向けの対策を周知しています。
出典:警察庁『令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』
不正送金被害の補償率と条件
ネットバンキングで不正送金の被害にあった場合、銀行が被害額を補償する仕組みがあります。ただし、実際に補償された割合は年度によって大きく違います。
金融庁の集計に見る補償率
金融庁は、インターネットバンキングの被害のうち、金融機関が処理方針を決めた件数と補償した件数を年度ごとに公表しています。
| 被害発生年度 | 処理方針決定済 | 補償 | 補償率 |
| 2022年度 | 1,993件 | 1,520件 | 76.3% |
| 2023年度 | 6,785件 | 5,215件 | 76.9% |
| 2024年度 | 11,772件 | 9,293件 | 78.9% |
| 2025年度 | 3,649件 | 1,184件 | 32.4% |
2025年度の補償率は32.4%で、前年度の78.9%から下がりました。この数字は個人と法人を合わせた件数で、銀行が処理方針を決めた件数に対する割合です。
表の「補償」には、被害額の全額のほか一部を補償した件数も含まれます。計数は2026年4月末までに報告された分で、金融庁は過年度分も今後変わる可能性があると注記しています。
個人だけの補償率は、金融庁の公表資料に載っていません。補償率が下がった理由も、2026年10月28日時点で公表されていません。
出典:金融庁『預貯金の不正送金被害等の発生状況(令和8年3月末)について』
個人の補償の考え方
個人のネットバンキング被害の補償は、全国銀行協会が2008年2月19日に公表した申し合わせに沿って各行が定めています。銀行に過失がなくても、預金者に過失がなければ原則補償するという内容です。
偽造・盗難カードの被害を対象にする預金者保護法とは別の、銀行業界の取り決めにあたります。預金者に過失や重大な過失がある場合は、補償が減額されたり対象外になったりします。
過失の区分や通知の期限は、ネット銀行のデメリットと不正送金の補償の仕組みで解説しています。
出典:全国銀行協会『「預金等の不正な払戻しへの対応」について』
個人ができる不正アクセス対策
個人ができる対策は、ログインの入口、認証、通知と限度額、被害に気づいたときの連絡の4つです。どれも今日のうちに設定を見直せます。
公式アプリ・ブックマークからだけログインする
警察庁は、メールなどのリンクを安易にクリックせず、公式サイトや公式アプリからアクセスすることを呼びかけています。銀行のサイトはブックマークに登録し、メールやSMSのリンクからはログインしないようにしましょう。
出典:警察庁『令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について』
認証アプリ・パスキーなど多要素認証を有効にする
銀行が認証アプリやパスキーなどの多要素認証を用意していれば、有効にしておきます。振込の際は、アプリに表示された振込先と金額を自分で確かめないと番号が出ないトランザクション認証を使う銀行もあります。
ログイン通知・取引通知と振込限度額の設定
入出金のたびにメールやアプリで届く通知を設定すれば、身に覚えのない取引に気づくきっかけになります。振込限度額は、使う範囲に合わせて低めに設定しておきましょう。
全国銀行協会も2013年の申し合わせで、払戻しの限度額を必要な範囲でできるだけ低く設定するよう、利用者に注意を促す方針を示しています。
出典:全国銀行協会『インターネット・バンキングに係る預金等の不正な払戻しへの対応について』
不正に気づいたときの連絡の順番
- 口座のある銀行の緊急連絡窓口へ電話し、口座やサービスを止めてもらう
- ログインパスワードを変更し、取引明細に不審な点がないか確かめる
- 近くの警察署へ連絡する(緊急でない相談は警察相談専用電話「#9110」)
ドコモSMTBネット銀行は、身に覚えのない送金があれば銀行への電話と近くの警察署への連絡を求めています。PayPay銀行も、心当たりのないログインがあればパスワードの変更と明細の確認を求めています。
#9110は、緊急の事件や事故以外で警察に相談するときの全国共通の番号です。ダイヤル回線と一部のIP電話からはつながりません。
出典:ドコモSMTBネット銀行『インターネットバンキングによる預金等の不正な払戻し(個人のお客さま)』、PayPay銀行『口座の不正利用に対する当社の取り組み』、政府広報オンライン『府省別で探す(防犯)』
セキュリティ対策が整ったネット銀行
2026年10月28日時点の各行の公式サイトの記載をもとに、PayPay銀行・ドコモSMTBネット銀行・ソニー銀行の不正送金対策を並べました。各行の公式ページに書かれた内容だけを載せています。
| 銀行名 | 振込などの認証 | 取引内容の確認 | 個人の補償方針 |
| PayPay銀行 | トークンアプリのワンタイムパスワード(電話認証を求める場合あり) | トランザクション認証(アプリに取引内容を表示) | 全国銀行協会の申し合わせに基づき補償 |
| ドコモSMTBネット銀行 | スマート認証NEO(スマートフォンの生体認証) | 登録したアプリ以外からの取引は実行前に承認が必要 | 通知日の30日前以降の払戻しを原則補償。過失・重大な過失で減額または対象外 |
| ソニー銀行 | スマホ認証方式(アプリ内でワンタイムパスワードを発行) | トランザクション認証(アプリで振込内容を確認) | 通知日の30日前以降を原則補償。過失がある場合は4分の3 |
PayPay銀行
振込などの重要な取引では、トークンアプリに取引内容が表示され、確認しないとワンタイムパスワードが出ないトランザクション認証を採用しています。取引によっては、登録した電話番号からの電話認証も求められます。
振込限度額の初期設定は個人で30万円で、0円にすれば振込ロックとして使えます。専門部署が24時間365日体制で取引をモニタリングし、普段と違う環境からのログインにはメールか電話で連絡が来る仕組みです。
入出金の通知は、メール通知サービス「my m@il」かLINEで受け取れます。口座開設はPayPay銀行の公式サイトから申し込めます。
出典:PayPay銀行『トークンアプリのセキュリティ』、『各種限度額の設定について』
ドコモSMTBネット銀行
アプリ「ドコモの銀行 ドコモSMTBネット銀行」に、スマートフォンの本人確認情報とアプリを紐づける生体認証機能「スマート認証NEO」があります。登録したアプリ以外からの取引は、実行前に承認が必要です。
ログイン承認機能をONにすると、登録したスマートフォン以外では制御を解除できません。第三者の操作が疑われる取引は、24時間365日体制のモニタリングで一時的に止めて本人確認をします。
個人の補償は、銀行へ通知した日の30日前以降の払戻し額が原則の対象です。サービスの特徴はドコモSMTBネット銀行のメリット・デメリット、口座開設はドコモSMTBネット銀行の公式サイトで確認できます。
出典:ドコモSMTBネット銀行『セキュリティ』、『インターネットバンキングによる預金等の不正な払戻し(個人のお客さま)』
ソニー銀行
アプリ利用者向けのスマホ認証方式では、アプリ内でワンタイムパスワードを発行し、振込にはトランザクション認証を使います。ウェブサイトから振込を始めた場合も、アプリで振込先や金額を確かめてから実行する流れです。
個人の補償は、通知日の30日前以降の不正な払出しが原則の対象です。本人に過失がある場合は補償額が4分の3になり、故意や重大な過失がある場合は対象外となります。
補償の前提は、すみやかな通知・調査への説明・警察への被害届の提出または相談の3つです。パスワードなどの盗用から2年を過ぎて通知した場合は適用されません。
口座開設の流れはソニー銀行の口座開設で解説しています。申し込みはソニー銀行の公式サイトから進められます。
ネットバンキングの不正アクセスのよくある質問
ネット銀行は店舗のある銀行より危ない?
2026年10月28日時点の公表統計には、ネット銀行と店舗のある銀行を分けた被害の数字がありません。そのため、統計からネット銀行の方が危ないとは言えません。
ネット銀行の仕組み上の注意点は、ネット銀行のデメリットで整理しています。
ワンタイムパスワードを使っていれば安全?
ワンタイムパスワードだけでは防げない手口があります。リアルタイム型フィッシングでは、偽サイトに入力した番号がすぐに正規サイトで使われるためです。
銀行がパスキーなどフィッシング耐性のある多要素認証を用意していれば、そちらに切り替えておくのが備えになります。
ID・パスワードを偽サイトに入力したらどうする?
すぐに銀行の緊急連絡窓口へ電話し、口座やサービスを止めてもらいます。PayPay銀行は、偽サイトでワンタイムパスワードや口座情報を入力した場合の連絡先として、24時間365日受け付けるカスタマーセンターを案内しています。
2026年下半期の統計はいつ公表される?
警察庁は2026年上半期の統計を2026年9月10日付けで公表しました。2026年の年間の統計の公表日は、2026年10月28日時点で告知されていません。
金融庁の年度集計は、2025年度分(2026年3月末まで)が2026年6月30日に公表されています。
出典:警察庁『「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」の訂正について』、金融庁『預貯金の不正送金被害等の発生状況(令和8年3月末)について』
まとめ
2026年10月28日時点の公表では、2026年上半期のネットバンキングの不正送金は253件・約20億7,000万円で、前年同期から51%減りました。個人の被害額は約3.2億円まで減った一方、法人を狙う電話起点の手口が報告されています。
手口の中心はフィッシングで、ワンタイムパスワードを突破する方式も続いています。公式アプリやブックマークからのログイン、多要素認証、通知と振込限度額の設定は、今日から見直せる対策です。
振込のたびに取引内容をアプリに表示する口座なら、承認する前に振込先と金額を自分の目で確かめられます。PayPay銀行の補償の条件はPayPay銀行の安全性と補償の条件で確認でき、口座開設はPayPay銀行の公式サイトから申し込めます。


