【ブロックチェーンを活用するNFT関連のスタートアップ企業7選】

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ブロックチェーンを使ったNFT関連スタートアップ企業を特集します。金融業界を中心にブロックチェーン技術に関心を寄せている傾向です。時流に乗ってサービス導入に踏み切る企業が増え始めていますね。今回は、ブロックチェーンとは何か、関連するNFTの概要などを中心に、実際に活用し始めたスタートアップ企業の代表的7社も紹介します。

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ブロックチェーンとは何か

総務省の「平成30年版 情報通信白書」にて、ブロックチェーン技術とは「取引記録を暗号技術を用いて分散的に処理・記録するデータベースの一種」と書かれています。さらには、「ビットコイン等の仮想通貨に用いられている基盤技術」と続く内容です。もう少しわかりやすく解説すると、ネット上の取引などで不正や改ざんが困難で、かつ正常に動作するようにデータを分散保持するシステムをブロックチェーンと呼びます。

ブロックチェーンの特徴

ブロックチェーンは、別名で「分散型台帳技術」と呼ばれています。元々はビットコインなどの仮想通貨の取引記録を管理する目的で誕生しました。しかし、さまざまなネット上のトラブルから守るため、今では不動産やゲーム業界などのあらゆる分野にも応用され始めました。ブロックチェーンを導入すると以下のような特徴を生みます。

  • データ管理者がいない
  • 取引記録改ざんが困難
  • システム自体は止まらない

主体的なデータ管理者がいない

ブロックチェーンでは特定のデータ管理者がいません。通常、個人間の取引などは、中央管理者によって記録され続けます。ATMやQR決済などの取引では、サービス提供企業がデータを管理するのが一般的です。しかし、ブロックチェーンでは政府や特定企業は関与せず、不特定多数のブロックチェーンネットワーク参加者が分散して管理します。

取引記録改ざんが困難

ブロックチェーンへ記録された取引には改ざんができません。ブロックチェーンは複数の管理者へ分散します。全員が同じ取引データを保有する仕組みです。もし誰かが取引履歴の改ざんを試みても、他の参加者によって不正を発見できてしまいます。仮に不正な取引を完全に行うには、世界中に拡散するブロックチェーンネットワーク参加者の50%を超えるデータの改ざん(51%攻撃)をしない限り不可能です。そのために膨大な処理とコストがかかります。

システム自体は止まらない

ブロックチェーンのシステム自体は止まらない仕組みです。取引履歴未記録の事態になりにくいのが特徴の一つです。常に世界中に分散するネットワーク参加者により稼働します。もし、一部のパソコンがトラブルに見舞われた場合でも、ブロックチェーン全体への影響を及ぼしません。以前は、金融機関・企業などの一括されたネットワークにて、サーバーダウンするシステム障害がありましたよね。しかしブロックチェーンにより、システムダウンのリスクが軽減されるようになりました。

ブロックチェーン技術の将来性

ブロックチェーンは主体的な管理者が存在しないため、将来的に各分野での活用が期待できます。もし海外送金を行う際、ブロックチェーンで仮想通貨を用いるシステムがあれば、面倒な過程が省けて、法定通貨間での交換手続きが不要です。他にも、ブロックチェーンの応用で、以下の活用もスタートし始めています。

  • 医療現場にてAIとの融合
  • 食品の安全性に寄与
  • 食品管理のプラットホーム化

医療現場での活用

医療現場にてAIとの併合によるシステム化が実現できます。実際に、英国にあるGoogle傘下の人工知能開発企業「Deep Mind」では、患者のデータ保護を目的にブロックチェーン技術を活用し始めました。カルテ・個人データ・治療法をすべて暗号化し、世界の医療機関にて共有可能にしています。

食品の安全性に寄与

ブロックチェーンにて食品流通追跡サービスの開発も始まっています。これは「フードトラスト・フレームワーク」と呼ばれるシステムで、食品の安全性に問題が発生したら追跡し、敏速な回収作業が可能です。そのため、食品の信頼性向上に役立ち、製造過程での不要コストの削減にも効果的な仕組みとなりました。

食品管理のプラットホーム化

オーストラリアの「AgriDigital」は、ブロックチェーンで食品需要と提供をワンストップで管理しています。農業生産者から仕入れ・契約・配送・決済・消費者への商品の情報提供までをすべてシステム化しました。リアルタイムで取引価格が把握でき、仕入れ価格も比較できるのです。それまでの途中過程の負担も削減できます。

NFTの基本

ブロックチェーンの応用と関係性が深くて、今後ますます注目される分野がNFTです。NFTとは、「Non-Fungible Token」の略称で、「代替不可能なトークン」という意味があります。ブロックチェーンの技術により、後からの偽造や改ざんができないシステムです。デジタルデータに固有の価値を付加し、商品製作やサービス提供が可能になりました。

NFTは代替が利かない

NFTには替えが効かない性質があり、それを使ったビジネスが可能になりました。事例として、コンサートチケットの販売と購入があげられます。購入者氏名や座席番号が記載されたコンサートチケットにて固有アドレスを割り振ることで、そのチケットは購入者や該当利用者にしか使えない仕組みが適用できます。不当な転売などの防止に役立つシステムです。

オリジナル製品を気軽に販売できる

NFTによって、その気になれば誰でも自主制作商品の販売が可能です。しかもブロックチェーンの難しい知識は必要がなく利用できます。例えば、OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスを通じて自作イラストの作成・販売ができるのです。他にもマイクラ風NFTゲーム「The Sandbox」では独自アイテム作りもできます。

なぜNFTが必要なのか

ブロックチェーンを応用したNFTが、なぜ近年急速に伸び始めているのでしょうか。そこには大きな理由がいくつか考えられます。改ざん・不正取引の防止ができるといった理由をベースに、以下のような事情があるからです。

デジタル資産販売が拡大化する

今までの、デジタル製品などの価値証明ができないデメリットを変えることができます。デジタル作品でもオリジナル性を証明し、収入源を得られるようになりました。そのため、デジタル資産を投資目的で買う人が拡大する時代が予想され、大きな市場に発展する可能性があります。

各種手続きが簡略化できる

ブロックチェーンの概念に「スマートコントラクト」と呼ばれるものがあります。契約を自動的に成立させる仕組みです。従来の契約では、仲介者の必要性や書類作成の複雑な処理が多く、各種手続きが面倒でした。NFTが登場しブロックチェーン技術そのものが担保となり安全性も保障されます。商品購入の度に契約書を交わす必要がありません。

期待される主なNFTのスタートアップ企業7選

国内のスタートアップ企業の中で、ブロックチェーンを導入した会社を紹介します。とくに代表的な7社を厳選しました。

ANDART

ANDARTは、テクノロジーによりアートと社会を結合させて拓く(ひらく)ことを理念に置いている、日本初NFTアートのスタートアップ企業です。プラットフォームはすでに2019年から立ち上げています。NFTアートの所有権の小口販売・売買手数料などを管理する業務を行っています。NFTアートの所有権を購入したオーナーは、実物作品の鑑賞会にも参加できる企画も進んでいます。高額な有名アート作品・大型作品も保持し、1万円の少額な予算からでも一般所有できるのが魅力です。

https://and-art.jp/

スタートバーン

スタートバーンは、アートの世界にてNFT導入を行っています。インフラ・自社サービス・他社との共同開発という3つの側面から事業展開中です。自社開発によるブロックチェーン「Startrail(スタートレイル)」の運用を中心に、ギャラリー・美術館・オークションでの作品の流通・管理をNFTによって進行しています。他にも、デジタル資産真贋証明書「Startbahn Cert.」を発行し、さらなるアート出品者拡大を狙っています。

https://startbahn.io/ja

SBINFT

NFT売買プラットフォームの国内初運営をしていた「スマートアプリ」が、2021年よりSBIホールディングス株式会社の子会社へと移行し誕生したのがSBINFTです。「Go Base」と呼ばれるブロックチェーンプラットフォームを運営し、NFT領域に特化した事業拡大を続けています。一方で、メタバース(3D仮想空間)への関心を寄せ、NFT作品の展示ギャラリー「THE GALLERY」も開催するスタートアップ企業です。

https://sbinft.co.jp/

Gaudiy

Gaudiyの特徴は、ファンを大切にしながらブロックチェーン技術を活用したスタートアップ企業です。コンシューマー向けのファンサービスという革新的なアイデアで市場に乗り出し、新しいエンタメビジネスのモデル開発を業務にしています。主な取引先はソニー・ミュージックエンタテインメント・集英社・バンダイナムコエンターテインメント・アニプレックスなど、大手企業が参入しています。

https://gaudiy.com/

Kyuzan

Kyuzanは、オリジナルNFTショップが手軽に作れる「Mint」を開発・提供するスタートアップ企業です。クリエイター自身によるパーソナルな、ブランド構築ができるNFTショップ作成に役立つ場を提供中です。アーティスト目線で使いやすいプラットフォームの展開をしています。他にも、GameWithとの共同開発によるゲーム「EGGRYPTO(エグリプト)」の運用もしています。

https://ja.kyuzan.com/

TRiCERA

TRiCERAは、アート専門ECサイト「TRiCERA ART (トライセラアート)」の運用とアーティスト活動支援を目指したスタートアップ企業です。現代アートに着目して登録制ECプラットフォームを開発しました。現在8カ国対応の出荷・配送・返品手配も可能にしています。そのため海外販路を拡大中で、主にアジア圏でのシェア率はトップクラスです。

https://www.tricera.co.jp/

MediBang

MediBangは、東京都渋谷区にあるスタートアップ企業です。無料イラスト・マンガ制作ソフト「MediBang Paint」や、無料ネームアプリ「マンガネーム」の采井と提供をしています。マンガやイラストの制作をスムーズに行えるプラットフォーム「Art street」も運営し、イラストレーターの役に立つ支援に尽力する企業です。

https://medibang.com/

まとめ

仮想通貨のために開発されたブロックチェーン技術は、金融分野だけにとどまりません。今では新しいジャンルを開拓しています。中でもNFTによる「代替不可能なトークン」は、他に類のないオリジナル製品などをデジタルデータに変換し、資産価値が出るように発展した例です。アート関連の権利や所有に着手したスタートアップ企業が目立ちますが、ますますジャンルに関係なく拡大が期待できますね。

*画像引用元は、すべてpixabayより

https://pixabay.com/ja/

この記事を監修した人

田邉健

田邉健

新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成、システムエンジニア、プロジェクトマネジメントを担当。その後独立し、現在はキャリアカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる

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