サトシナカモトの正体は? 論文の内容や大量のビットコインの行方を解説

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「サトシナカモト」はビットコインの生みの親として知られていますが、ビットコイン誕生から10年以上が経ってもその正体はわかっていません。

サトシナカモトが書いた論文や彼の正体、彼が保有するとされる大量のビットコインの行方を解説します。

サトシナカモトとは

2008年10月31日、インターネット上のメーリングリストに「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」という論文が公開されました。

この論文の著者がサトシナカモト(Satoshi Nakamoto)です。

しかし当時のメーリングリストの参加者の中にサトシナカモトという人物はおらず、メンバーの誰も名前を聞いたことがありませんでした。

またインターネット検索でもサトシナカモトなる人物を見つけることはできなかったため、偽名であることは明らかでした。

正体は未だ不明

サトシナカモトはビットコイン誕生から10年以上が経った今でも、正体がわかっていません。

サトシナカモトという名前自体は日本人名のようですが、国籍も不明です。

また「中本哲史」や「中本聡」と漢字表記されることもありますが、これは当て字であり、本人がそのように公表したことは一度もありません。

ビットコインの単位「Satoshi」の由来

1億分の1BTC(0.00000001BTC)を1satoshiと呼びます。このSatoshiという単位はサトシナカモトに由来します。

サトシナカモトの銅像

2021年にサトシナカモトの銅像がハンガリーに設置されました。

有志や関連団体の支援により設置されたもので、フードをかぶった抽象的な人物の姿をしています。

サトシナカモトの論文

論文の中身は、ハッシュ化やProof of Work(PoW)による承認の方式、マイニングなど、現在のビットコインネットワークの仕組みです。

サトシナカモトは論文の中で、金融機関に依存する従来の決済システムではなく「個人が直接やりとりする(Peer-to-Peer/P2P)電子決済システム」を提案しました。

第三者への信頼に依存する取引は、どうしても不正や紛争のリスクがあります。そのリスクを避けるためには「信頼ではなく、暗号化された証明に基づく電子決済システム(an electronic payment system based on cryptographic proof instead of trust)が必要である」と序章で述べています。

この論文の内容を基にして、2009年1月、最初のビットコインがマイニングされました。

技術自体は新しいものではない

実は論文に書かれている個々の技術は、決して目新しいものではありません。

サトシナカモトの論文が提唱したのは「新しい技術」ではなく、既存の技術を組み合わせることによって生まれた「信頼を必要としない、新しい決済の仕組み」です。

論文を閲覧する方法

サトシナカモトの論文は「ビットコインのホワイトペーパー」として、インターネット上で誰でも閲覧できます。

※ホワイトペーパー(Whitepaper)…プロジェクトやサービスの概要や理念、仕組みを記した書面

ビットコインプロジェクトのサイト「Bitcoin.org」では、オリジナルの英語版だけでなく、日本語を含む複数の言語に翻訳された論文を掲載しています。

サトシナカモトの正体は?

サトシナカモトの正体については、様々な憶測が飛び交っています。

金子勇 氏

金子氏は日本のソフトウェアエンジニアで、ファイル共有ソフト「Winny」の開発者です。

2013年7月に急性心筋梗塞により死亡していますが、金子勇氏=サトシナカモト説は根強く支持されています。

支持されている理由のひとつは、WinnyはP2Pでのファイル共有を行うもので、ビットコインもまたP2Pによる決済システムであることです。

また金子氏の論文からは既存システムへの不信感を伺わせる記述もあり、既存の決済システムからの脱却を目指したビットコインの理念とも共通しています。

クレイグ・ライト 氏

クレイグ・ライト氏は自身がサトシナカモトであると主張しています。

サトシナカモトの正体と噂される人物の多くが噂を否定する中、自ら名乗り出るライト氏は珍しいケースといえるでしょう。

ライト氏はビットコインのホワイトペーパー(つまりサトシナカモトの論文)とビットコインのソースコードについて著作権を申し立てました。

この申し立てはビットコイン業界で大きな話題となり、その後もライト氏の主張に関連する訴訟が次々と提起されています。しかし、いまのところライト氏がサトシナカモトであるという確証は出ていません(2022年12月28日現在)。

現在はビットコインキャッシュからハードフォークしたビットコインSV(BSV)の開発に携わっています。

ギャヴィン・アンドレセン 氏

ギャビン・アンドレセン氏は、サトシナカモトと共にビットコインに携わったとされる人物です。

ビットコインのコア開発に長く携わっており、ビットコインの知識も非常に深いためサトシナカモトの正体として名前が挙がりましたが本人は否定しています。

複数人説、その他考察

サトシナカモトは個人ではなく、複数人からなるチームであるという説もあります。

また正体を推測するにあたり、以下のような考察が行われました。

  • サトシナカモトは北米大陸の中央から東、もしくは西インド諸島や南米エリアに在住している(フォーラムへの投稿時間帯から考察)
  • サトシナカモトはイギリス英語の使用者である(論文やフォーラム内のコメントから考察)

死亡説

先述の金子勇氏がサトシナカモトであった場合を想定して、サトシナカモトが既に死亡しているという人もいます。

またサトシナカモトが保有しているとされる110万BTCが動いていないことも、本人死亡により動かすことができないためと言われています。

正体を知る人物

2020年、ジョン・マカフィー氏が「サトシナカモトの正体を知っている」と発言し話題になりました。

マカフィー氏はサトシナカモトが誰なのかを公表するつもりでしたが、本人に相談した結果、公表しないこととしたそうです。

彼はインタビューに対し「彼の正体を知りたいなら自分で調べればいい。簡単だ(But if you want to know, figure it out yourself, it’s easy)」とも答えています。

サトシナカモトがビットコインを暴落させる?

サトシナカモトは110万BTC以上を保有していると言われています。

これは2022年12月26日現在の価格で2兆円以上という莫大な資産です。

またビットコインは2100万枚までしか発行されないため、サトシナカモトはビットコインの約20分の1を手にしていることになります。

もしもサトシナカモトが大量のビットコインを売却した場合、市場の混乱は避けられないでしょう。

2009年にマイニングされた50BTCが2020年に移動した際には、サトシナカモトのものではないかと話題になりビットコイン価格が一時的に下落しました。

このとき移動したビットコインはサトシナカモトのものである可能性が低いと判断されましたが、わずか50BTCの動きでも価格は反応しています。

ビットコインはすでに総量の90%以上がマイニングされています。そんな中、サトシナカモトが保有するビットコインの動きはますます重要になってくるでしょう。

まとめ

サトシナカモトについて解説しました。サトシナカモトについてはその正体が話題になりがちですが、市場への影響の大きさからウォレットの動向にも注意が必要です。

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