ジュニアNISAに贈与税はかかる?|こどもNISAに親・祖父母が入金する場合

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子どもや孫のNISAに親・祖父母がお金を入れると、贈与税はかかるのか。2027年1月に始まるこどもNISAと、旧ジュニアNISAの両方に関わる論点です。

贈与税がかかるのは、子ども1人が1年間に受けた贈与の合計が110万円を超えた部分です。こどもNISAで買えるのは子ども本人のお金だけで、親や祖父母のお金は子ども名義の口座へ移してから使います。

入金パターン別の早見表、名義預金や定期贈与と判定されないための記録の残し方、相続税との関係が分かります。

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3行要約

①親・祖父母のお金を子の口座へ移すと子への贈与、年110万円を超えた部分に贈与税
②こどもNISAの買付けは子ども本人に帰属する資金だけ、親や祖父母の資金は不可
③贈与のあとも名義預金・定期贈与・相続前の贈与加算の3点に注意が必要

目次

ジュニアNISAとこどもNISAの贈与税の扱い

NISA口座だから贈与税がかかる、という仕組みはありません。課税の対象になるのは、親や祖父母のお金を子どものお金へ移すことそのものです。

贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計から110万円を差し引いた残りにかかります。子どもが1年間に受けた贈与が110万円以下なら、贈与税はかからず申告もいりません。

NISAの非課税は、口座の中で出た運用益や分配金にかかる税金の話です。口座に入れる前のお金の受け渡しは、贈与税の判定がそのまま当てはまります。

出典:国税庁『No.4402 贈与税がかかる場合』

こどもNISAで買付けに使える資金

2027年1月から、0〜17歳もNISAのつみたて投資枠を使えるようになります。年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円です。

「こどもNISA」は通称で、金融庁の資料は「つみたて投資枠の対象年齢見直し」、日本証券業協会は「未成年者が利用できるNISA」と表現しています。制度の全体像は、こどもNISAの制度解説の記事で扱います。

買付けに使える資金について、日本証券業協会のリーフレットは次のように答えています。

「親や祖父母の資金を用いて買い付けることはできません。買付けに使用できる資金は、こども(口座開設者)本人に帰属する資金に限られます。」

続けて「こども名義の銀行口座や証券口座にある資金を使ってNISAの買付けを行う必要があります」としています。親の口座から直接、子どものNISAで買う形は取れません。

一方、財務省の「令和8年度税制改正の大綱」と金融庁の大綱資料には、買付け資金が誰に帰属するかを定めた文言はありませんでした。大綱にあるのは、売却代金などを子どもの名義で開く専用の口座(特定課税未成年者口座)で管理する、という定めまでです。

ここからは解釈になります。親や祖父母のお金は、贈与によって子どものお金になり、子ども名義の口座に入ってはじめてこどもNISAで使えるようになる、という順序で読めます。

出典:日本証券業協会『0歳からNISA口座が開設できるようになります!』、財務省『令和8年度税制改正の大綱』、金融庁『令和8(2026)年度税制改正について』

旧ジュニアNISAの資金のルール

2023年まで新規に使えたジュニアNISAも、考え方は同じでした。日本証券業協会のFAQは、運用される資金は「厳に口座開設者本人に帰属するものに限定される必要があり」としています。

そのうえで証券会社などは、入金されるお金が「口座開設者本人に贈与済みの資金」で、両親や祖父母などに帰属するものではないことを確認する必要がある、という説明でした。

毎月積み立てる場合も、両親名義の銀行口座から子ども本人名義の口座へいったん資金を移し、その口座から買い付ける流れでした。旧ジュニアNISAの残高がこの先どうなるかは、ジュニアNISAの期限を扱う記事で整理しています。

出典:日本証券業協会『2023年までのジュニアNISAに関するよくある質問』

旧ジュニアNISAとこどもNISAの比較

贈与税の判定に関わる部分だけを並べると、次のとおりです。どちらも子ども本人のお金で買う制度で、贈与税の判定方法に違いはありません。

項目旧ジュニアNISAこどもNISA
新規に使える時期2016年4月〜2023年12月末2027年1月から
対象年齢0〜17歳0〜17歳
年間投資枠80万円60万円
買付けに使える資金口座開設者本人に帰属する資金(本人に贈与済みの資金)こども本人に帰属する資金
贈与税の判定子が1年間に受けた贈与の合計で判定子が1年間に受けた贈与の合計で判定
払出しの制限2024年以降は18歳未満でも課税なしで払出し可原則として高校3年生の1月まで制限(12歳以降=小学6年生の1月以降は一定の要件で可)

12歳以降の払出しの条件や18歳での移行の仕組みは、こどもNISAのデメリットを扱う記事で取り上げます。

出典:日本証券業協会『2023年までのジュニアNISAに関するよくある質問』、『0歳からNISA口座が開設できるようになります!』、金融庁『アクセスFSA 2026年2月号「令和8年度税制改正の大綱」の概要』

入金パターン別の贈与税早見表

贈与税は、贈与を受けた子ども1人が1年間にもらった合計額で判定します。親から、祖父母から、と贈与した人ごとに110万円ずつ使えるわけではありません。

0〜17歳の子が受けた贈与には、一般税率を使います。基礎控除後の金額が200万円以下の部分は10%です。

誰が・どう入金子が1年間に受けた合計贈与税申告根拠
親が毎年60万円60万円かからない不要No.4402
親が毎年110万円110万円かからない不要No.4402
親60万円と祖父母60万円を同じ年に120万円1万円必要No.4402・No.4408
親60万円と、同じ年に親から預金への贈与60万円120万円1万円必要No.4402・No.4408
祖父母が600万円を一括600万円82万円必要No.4402・No.4408

税額は、合計額から110万円を引き、No.4408の一般税率の速算表に当てはめた金額です。120万円なら10万円の10%で1万円、600万円なら490万円の30%から控除額65万円を引いて82万円になります。

表の「毎年」は、その年ごとに贈与契約を結んで贈与する場合の判定です。何年分の贈与をはじめにまとめて約束していると、判定が変わる場合があります(後述の「定期贈与と判定されるケース」)。

出典:国税庁『No.4402 贈与税がかかる場合』、『No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)』

親だけが入金する場合

こどもNISAの年間投資枠は60万円なので、親1人がNISA用に60万円を移すだけなら110万円以下に収まります。この場合、贈与税はかかりません。

ただし、NISAとは別に子ども名義の預金や課税口座へ移したお金も、同じ年の贈与の合計に入ります。NISAの60万円と預金の60万円を同じ年に移せば、合計は120万円です。

親と祖父母の両方から入金する場合

親が60万円、祖父母が60万円を同じ年に子どもへ渡すと、子ども1人の合計は120万円になります。贈与した人がそれぞれ110万円以下でも、受け取る子どもの側で合算します。

NISAで使えるのは年60万円までなので、残りの60万円は子ども名義の預金などに残ることになります。それでも、贈与を受けた事実は同じ年の合計に数えられます。

NISA枠を超えて一括で移す場合

非課税保有限度額の600万円分を、初年にまとめて子ども名義の口座へ移すと、その年に600万円の贈与を受けたことになります。NISAで買えるのは年60万円ずつでも、贈与税は移した年にまとめて判定されます。

上の表のとおり、0〜17歳の子への600万円の贈与では82万円の贈与税がかかります。個別の税務判断は、税理士または税務署に確認してください。

教育費の非課税がNISAに使えない理由

「子どもの教育のためのお金なら贈与税はかからない」と考えて、NISAへの入金をこれにあてはめるのは誤りです。国税庁の説明では、教育費の非課税は、必要な都度、直接支払いにあてるお金に限られます。

扶養義務者からの生活費・教育費の非課税

夫婦や親子などの扶養義務者から、生活費や教育費にあてるために受けた財産で「通常必要と認められるもの」には、贈与税がかかりません。教育費は学費や教材費、文具費などを指します。

非課税になるのは「生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのもの」に限られます。授業料を払うたびに親が出すお金が、この非課税の典型です。

預金や株式の買入資金は課税対象

国税庁は続けて、教育費の名目で贈与を受けても「それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかる」としています。

ここからは解釈です。こどもNISAで投資信託を買うためのお金は、将来の教育費を目的にしていても、いま学費を払うお金ではありません。株式などの買入資金にあたると読めるため、教育費の非課税の対象外と考えるのが自然でしょう。

児童手当を入金する場合の考え方

児童手当が支給されるのは、子ども本人ではなく「児童を養育している方」です。申請時には請求者名義の金融機関の口座番号も求められ、手当は養育している親の口座に入ります。

この事実から、児童手当を子ども名義の口座へ移すことは、親から子への資金の移動として扱われると読めます。児童手当を原資にした場合の扱いを国税庁が個別に示した記載は見当たらないため、判断に迷うときは税務署に確認してください。

出典:国税庁『No.4405 贈与税がかからない場合』、こども家庭庁『児童手当制度のご案内』

名義預金と判定されるリスク

子どもの名義で口座を作っても、中身が子どもの財産と認められるとは限りません。お金を出した人の財産と判定されれば、その人が亡くなったときに相続税の対象に戻ります。

国税庁が示す名義財産の判定

国税庁は「名義にかかわらず、被相続人が取得等のための資金を拠出していたことなどから被相続人の財産と認められるものは相続税の課税対象となります」としています。

対象には預貯金だけでなく、「証券投資信託の受益証券等で家族の名義」のものも含まれます。こどもNISAで買う投資信託も、この判定の外にあるわけではありません。

国税庁の誤りやすい事例では、父の収入から預け入れ、父が管理・運用していた子名義の定期預金が、父の財産として相続税の申告に含める扱いになっています。

名義預金と判定されたときの帰結

判定されると、そのお金は子どもの財産ではなく、入金した親や祖父母の相続財産として扱われます。税務大学校の講本も、家族名義の預貯金でも「実質的に被相続人に帰属するものは相続財産に含まれる」と説明しています。

つまり、贈与のつもりで毎年入金していても、贈与が成立していなければ相続税の計算に足し戻されることになります。贈与の成立を記録で示す方法は、次の見出しで扱います。

子ども名義の預金口座との共通点

名義預金の考え方は、子ども名義の銀行口座でもNISA口座でも変わりません。銀行口座の作り方や名義の注意点は、子どもの銀行口座の記事にまとめています。

NISA口座に固有なのは、0〜17歳の間は親権者などが口座管理者として手続きをする点です。口座の手続きを親が行うこと自体は制度の前提で、それだけで名義預金になるわけではありません。問われるのは、入れたお金が子どものものになっているかどうかです。

出典:国税庁『誤りやすい事例⑥ 被相続人以外の名義の財産(預貯金)』、税務大学校『相続税法(基礎編)令和8年度版』、日本証券業協会『0歳からNISA口座が開設できるようになります!』

贈与を成立させる記録の残し方

名義預金と判定されないためには、贈与が成立していたことを後から示せる状態にしておく必要があります。成立の条件と、記録として残せるものを順に見ていきます。

贈与は「あげる」「もらう」の合意で成立

税務大学校の講本は、贈与を「当事者の一方がある財産を無償で相手方に与えるという意思を表示し、相手方がこれを受諾することによって成立する契約」と説明しています(民法549条)。

あげる側が一方的に振り込むだけでは足りず、もらう側の受諾があってはじめて贈与になります。受け取る側が知らないまま入金を続けると、受諾があったことを後から示しにくくなります。

0歳の子への贈与の成立

0歳の子は、自分で受諾の意思を示せません。国税庁の質疑応答事例は、未成年者の親権者を「法定代理人である親権者」と表現しています。

ここからは解釈です。赤ちゃんへの贈与では、親権者が子どもの法定代理人として受諾する形になると読めます。祖父母から孫への贈与なら、受諾するのは孫の親権者である親です。

親から子への贈与では、あげる人と受諾する人が同じ親になります。この形での契約の有効性に不安がある場合は、税理士などの専門家に確認してください。

贈与契約書は必要?

贈与は書面がなくても成立します。講本も「贈与は、書面によるものと書面によらないものとがある」としており、契約書の作成は贈与の成立条件ではありません。

違いが出るのは、贈与の時期です。講本は、書面によらない贈与は「その贈与の履行があった時」、書面による贈与は「その贈与契約の効力が発生した時」を贈与の時期としています。

名義預金の判定では、誰が資金を出し、誰が管理していたかが見られます。契約書は、受諾があったことと贈与の時期を後から示す材料として残しておく意味があるでしょう。

振込の記録と口座の管理

国税庁の誤りやすい事例で親の財産とされたのは、親が資金を出し、親が管理・運用していた口座でした。記録を残すときは、この2点の反対側を示せる形にします。

手渡しの現金ではなく、贈与する人の口座から子ども名義の口座へ振り込むと、いつ・誰から・いくら移したかが通帳に残ります。そのうえで子ども名義の口座からNISAへ入金すれば、資金の流れがつながります。

  1. 贈与する人と、子ども(未成年なら親権者が代わって)の間で贈与契約書を作り、日付・金額・双方の署名を残す
  2. 贈与する人の口座から、子ども名義の銀行口座へ振り込む
  3. 子ども名義の銀行口座から、子どものNISA口座へ入金して買い付ける
  4. 契約書・通帳の写し・NISAの取引報告書を年ごとにまとめて保管する

出典:税務大学校『相続税法(基礎編)令和8年度版』、国税庁『共同相続人に該当しない親権者が未成年者である子に代理して遺産分割協議書を作成する場合』

定期贈与と判定されるケース

毎年110万円以下に抑えていても、はじめから「何年間、毎年いくら」と約束していると、約束した年にまとめて課税される場合があります。これを定期贈与と呼びます。

国税庁Q&Aの定期贈与の扱い

国税庁のQ&Aは、親から毎年100万円ずつ10年間贈与を受ける例を取り上げています。毎年贈与契約を結び、毎年贈与が行われ、各年の合計が110万円以下なら、贈与税はかからず申告もいりません。

ところが、毎年100万円ずつ10年間贈与することが契約(約束)されている場合は、約束した年に「定期金に関する権利」の贈与を受けたものとして贈与税がかかるとしています。

積立設定で毎年同額を入れる場合の注意

こどもNISAは、契約に基づいて定期かつ継続的な方法で投資する仕組みです。ただし、国税庁のQ&Aに「NISAの自動積立が定期贈与にあたる」という記載はありません。

Q&Aで分かれ目になっているのは、複数年分の贈与をあらかじめ約束していたかどうかです。積立の設定は子どもの口座の中の買付けの話で、親から子へのお金の移し方とは別に考えます。

毎年の贈与をその年ごとの契約として記録しておけば、Q&Aの前半の形に沿うと読めます。個別の判断は税理士または税務署に確認してください。

出典:国税庁『No.4402 贈与税がかかる場合(質疑応答)』、財務省『NISAのつみたて投資枠の拡充(令和8年度改正)』

相続税との関係

贈与税がかからなかった贈与でも、贈与した人が亡くなったときに相続税の計算に加算されることがあります。祖父母が孫に贈与する場面では、相続前の贈与加算と、使えない特例の2つを押さえておく必要があります。

相続前の贈与は7年分が相続財産に加算

相続や遺贈で財産を取得した人が、亡くなった人から加算対象期間に受けた贈与は、相続税の課税価格に加算されます。110万円以下で贈与税がかからなかった贈与も加算の対象です。

加算対象期間は、2024年1月1日以後の贈与から7年へ延びました。相続が始まった日ごとの期間は次のとおりです。

相続が始まった日加算対象期間
2026年12月31日まで相続開始前3年以内
2027年1月1日〜2030年12月31日2024年1月1日から亡くなった日まで
2031年1月1日以降相続開始前7年以内

相続開始日が2027年1月2日以後の場合、相続開始前3年以内より前の贈与は、合計100万円までは加算されません。

加算の対象になるのは、相続や遺贈、相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人です。祖父母から相続や遺贈で財産を取得しない孫であれば、この要件に当てはまらないため加算の対象になりません。

出典:国税庁『No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)』

相続時精算課税は0〜17歳の子に使えない

相続時精算課税は、贈与した年の1月1日に60歳以上の父母・祖父母から、贈与を受けた年の1月1日に18歳以上の子や孫が受ける贈与で選べる制度です。

こどもNISAを使う0〜17歳の子は、この年齢の要件を満たしません。こどもNISAへの入金のための贈与は、暦年課税の110万円の基礎控除で判定することになります。

教育資金一括贈与の特例は2026年3月末で終了

祖父母などからの教育資金の一括贈与を1,500万円まで非課税にする特例は、「令和8年3月31日までとされていた適用期限が延長されずに終了」しました。2026年4月1日以後の贈与には使えません。

2026年3月31日までにこの特例を使った分には、引き続き特例が適用されます。こどもNISAへの入金を、この特例の非課税枠で行うことはできません。

出典:国税庁『No.4103 相続時精算課税の選択』、『No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税』

祖父母が孫のNISAに積み立てる場合

祖父母が孫のこどもNISAに直接お金を入れることはできません。日本証券業協会のリーフレットのとおり、祖父母のお金はいったん孫のお金になってから孫のNISAで使われます。

祖父母から孫への贈与の流れ

お金の動きは、祖父母の口座から孫名義の銀行口座へ振り込み、その口座から孫のNISA口座へ入金する順番です。受諾は孫の親権者である親が行う形になると読めます。

この贈与は、祖父母から孫への贈与として孫の1年間の合計に入ります。同じ年に親からも受けていれば、親の分と合わせて110万円を超えるかどうかを判定します。

0〜17歳は一般税率・18歳以上は特例税率

祖父母から孫への贈与でも、孫が贈与を受けた年の1月1日に18歳未満なら一般税率を使います。18歳以上なら、父母や祖父母からの贈与に特例税率を使えます。

基礎控除後の課税価格一般税率(0〜17歳など)控除額
200万円以下10%なし
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円
600万円以下30%65万円
1,000万円以下40%125万円
1,500万円以下45%175万円
3,000万円以下50%250万円
3,000万円超55%400万円
基礎控除後の課税価格特例税率(18歳以上が父母・祖父母から)控除額
200万円以下10%なし
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1,000万円以下30%90万円
1,500万円以下40%190万円
3,000万円以下45%265万円
4,500万円以下50%415万円
4,500万円超55%640万円

国税庁の計算例では、500万円の贈与を受けた場合、一般税率で53万円、特例税率で48.5万円です。同じ金額でも、18歳以上になってからの贈与のほうが税額は小さくなります。

孫が18歳以上になり、自分の新NISAのために祖父母から援助を受ける場合は、この特例税率の対象です。

祖父母の相続とあわせて見る点

孫が祖父母の相続や遺贈で財産を取得する場合は、相続前の贈与加算の対象になります。加算対象期間は、「相続税との関係」の表のとおりです。

出典:国税庁『No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)』、日本証券業協会『0歳からNISA口座が開設できるようになります!』

払出し後・18歳以降の贈与税

NISA口座の中の資産は、入れた時点で子ども本人の財産として扱われています。払出しの条件や18歳での移行の仕組みは、こどもNISAのデメリットの記事で扱うため、ここでは税の論点だけを取り上げます。

払い出したお金を親が使う場合

日本証券業協会のFAQは、旧ジュニアNISAについて「口座内の資産はあくまでも口座開設者本人が所有する資産」としています。法定代理人が払い出すときは、本人のために使われることを確認する手続きでした。

こどもNISAでも、12歳以降(小学6年生の1月以降)の払出しは、資金の使途が子のためであることなどが要件です。ここからは解釈ですが、払い出したお金を子ども以外の人が自分のために使えば、子から親への財産の移動として贈与税などの問題が生じうると読めます。

この場面での課税関係を国税庁が個別に示した記載は見当たりません。実際に使い道を決める前に、税理士または税務署に確認してください。

18歳移行時に新たな贈与税は生じる?

こどもNISAは、その年1月1日に18歳である年から、18歳以上のNISAへ自動で移ります。移行するのは口座の区分で、持ち主ははじめから子ども本人です。

入金の段階で子どもの財産になっている以上、18歳での移行そのものは新たな贈与にあたらないと読めます。移行のときに親から追加でお金を渡せば、その分は別の贈与として判定されます。

出典:日本証券業協会『2023年までのジュニアNISAに関するよくある質問』、『0歳からNISA口座が開設できるようになります!』、金融庁『令和8(2026)年度税制改正について』

贈与税の申告が必要になる場合

申告が必要かどうかは、子どもが1年間に受けた贈与の合計が110万円を超えたかどうかで決まります。110万円以下なら申告は不要です。

申告が必要な人

申告と納税をするのは、贈与した親や祖父母ではなく「贈与を受けた人」、つまり子ども本人です。子どもが未成年の場合、手続きは法定代理人である親権者が子どもに代わって進めることになるでしょう。

申告期限と提出先

申告と納税の期限は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。提出先は、原則として贈与を受けた人の住所を所轄する税務署になります。

期限までに申告しなかった場合や、実際より少ない額で申告した場合には、本来の税金のほかに加算税がかかります。個別の税務判断は、税理士または税務署に確認してください。

出典:国税庁『No.4429 贈与税の申告と納税』

よくある質問

こどもNISAに親が入金しても贈与税はかからない?

親のお金を子どもの口座へ移すことは子への贈与です。子どもがその年に受けた贈与の合計が110万円以下なら贈与税はかかりません。年間投資枠の60万円を親だけが入れる場合は、この範囲に収まります。

子どもの口座に110万円入金すると贈与税はかかる?

その年に子どもが受けた贈与がその110万円だけなら、基礎控除の範囲内なので贈与税はかかりません。ほかの家族からの贈与があれば合算し、110万円を超えた部分に贈与税がかかります。

ジュニアNISAを親が使うと税務署に分かる?

税務署が個々の口座をどう把握するかについて、公表された情報はありません。確かなのは、名義預金の判定で資金を誰が出し、誰が管理していたかが見られ、相続のときに家族名義の財産も申告に含める必要があるという点です。

子どもに株や投資信託を移すと贈与税はかかる?

贈与税は、個人から贈与により財産を取得したときにかかる税金で、現金に限りません。株式や投資信託を子どもの名義に移した場合も、その財産の価額が1年間の贈与の合計に入ります。

ただし、こどもNISAで買えるのは一定の投資信託だけで、親の口座の株式などをそのままこどもNISAへ移す形は取れません。

子どもの口座に入金した記録はどう残す?

贈与契約書を作り、贈与する人の口座から子ども名義の口座へ振り込むのが基本です。手順は「贈与を成立させる記録の残し方」の4ステップのとおりです。

出典:国税庁『No.4402 贈与税がかかる場合』、『誤りやすい事例⑥ 被相続人以外の名義の財産(預貯金)』、日本証券業協会『0歳からNISA口座が開設できるようになります!』

まとめ

ジュニアNISAでもこどもNISAでも、贈与税がかかるかどうかは、親や祖父母のお金を子どもへ移した年の合計で決まります。子ども1人が1年間に受けた贈与が110万円以下なら、贈与税も申告も不要です。

こどもNISAで買えるのは子ども本人に帰属する資金だけで、親や祖父母のお金は子ども名義の口座へ移してから使います。贈与のあとは、名義預金・定期贈与・相続前の贈与加算の3点に注意が必要でしょう。

教育資金一括贈与の特例は2026年3月末で終わり、相続時精算課税も0〜17歳には使えません。個別の税務判断は、税理士または税務署に確認してください。

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